拙稿「低周波音問題には"使えない"公調委 風車騒音とエコキュート騒音裁定公害等調整委員会から相次いで取り下げ」においてお知らせしたように、風車とエコキュート問題の低周波音被害者が公調委から裁定を取り下げたのは、実に正しい選択だった様だ。それは公調委裁定に於いては間違いなく低周波音問題について、申請人(原告)にとって良好な結果を得られる可能性は、凡そ、公調委の表現を使えば、”極めて低度の蓋然性も肯認するに到らない”と関係者がしたからであろう。
その一例を遅ればせながら、諫早湾干拓工事と有明海漁業被害に係わる原因裁定において見ると、凡そ環境問題に於ける裁定において公調委が「科学的知見」なるものをどのように取り扱うかを知ることが出来る。そして、そこに於いては、少なくとも、「科学的知見が現実に起きている”被害現実”と”被害”との関係について、科学的に否定する”ために使われるであろうと言う、高度の”蓋然性が肯認される”様だ。
さて、「公調委の棄却裁定に対する抗議声明」は「有明海における干拓事業漁業被害原因裁定申請事件の終結について」という公害等調整委員の裁定結論に対して申請人から表明された声明であろうが、エコキュート騒音問題、風車騒音問題等の低周波音問題に於いても恐らくこうした結末が”高度の蓋然性をもって肯認”されると見たのであろう。
では具体的に公調委に於いて「科学的知見」なるモノはどういった形で扱われるのか、この場合に於いて見てみたい。(続く)