このところ風車関連のことをチョコチョコ調べているのだが、例によって国内的には「海外から風車関連の低周波音被害報告は無い」などと言う話しもあるが、この手の話しは眉唾物と判断し、海外サイトを調べていたら、案の定結構ある。
そして、ビックリしたのは、当サイトで2006年に、「未知の病気”振動音響病”-VAD」として紹介した研究が海外の風車被害サイト(1 2)ではなかなかの人気になっていることだ。私が見た海外の被害者サイトにはこの研究へのリンクが張ってあり、。いわば被害者の”聖典”に近い存在なのだ。
論文を読めば解るようにVADは、NunoA.A. Castelo Branco ,Mariana Alves-Pereira氏ら(当時はBranco氏がメインだったが、今はAlves-Pereira氏がメインらしい)が、空港を舞台に、「職業的に(低周波音に)晒される航空機専門家に対し何年にもわたる臨床的研究」の結果「1日8時間、週5日、航空機エンジン騒音に暴露された労働者」は、最終的に、「精神的かく乱、鼻・消化器・腸粘膜からの出血、静脈瘤と痔、十二指腸潰瘍、悪性腫瘍、痙攣性の大腸炎、視力低下、頭痛、激痛、極度の筋肉痛、神経的かく乱、不安、鬱病、偏執病的行動、就中決定的な聴覚障害をきたす」という結論を出した実証的研究である。
日本の低周波音被害とは全然違うと言うことで全く問題にもされなかったが、被害者の多くには多くの賛同を得られ、自覚症状に対するアンケート調査ではかなりの確率で中度の症状が多く見られた。
しかし、沢山風車が並んでいる米国での風車被害者は「飛行場のようだ」と言っている様に、これと同様の可能性が充分あることで直ぐさま納得がいったのであろう。
彼らの研究は参照値も発表された「低周波音と振動国際会議」では長きにわたり無視され続けたらしい。もちろん日本の学会もそうであり、今もってそうであり、今後もそうであろう。
何を日本にもたらし何を排除するかは、今もって日本では「"専門家"の恣意」にかかっているようだ。