鯉の麩は水面に乗って涅槃西風 長谷川 櫂
半眼の山が二度寝寝る涅槃西風 拙
彼岸がすぐ其処まで来ているのに、寒さがぶり返している。本州の太平洋側ては雪は少なかったが、
日本海側・北海道は連日のブリザードでお気の毒としか小生には言い様はない。地球温暖化によるものと
いう説まででている。涅槃西は彼岸近くに吹く寒の戻りと言われる風て、この後はめっきりと春らしくなる。
半眼の山が二度寝寝る涅槃西風 拙
彼岸がすぐ其処まで来ているのに、寒さがぶり返している。本州の太平洋側ては雪は少なかったが、
日本海側・北海道は連日のブリザードでお気の毒としか小生には言い様はない。地球温暖化によるものと
いう説まででている。涅槃西は彼岸近くに吹く寒の戻りと言われる風て、この後はめっきりと春らしくなる。
長谷川櫂の俳句は各所で読んだが、伝統俳句の流れにあるような感じを受けている。涅槃西風の吹く水面を鯉の麩が漂う景であろう。一読分り易い俳句となっている。作者が『涅槃西は彼岸近くに吹く寒の戻りと言われる風て、この後はめっきりと春らしくなる。』と云っているように、この風が吹くと寒さがぶり返すと言われており、水辺には冷たい風が吹いているが、自然はは既に春の気が訪れているので、麩を追いかける鯉の動きも活発になっているであろう。本格的春の到来を目の前にした彼岸頃の季節感が出ている句だと思う。
半眼の山が二度寝る涅槃西風 阿部
冬のあいだ眠っていた山が、彼岸の頃ともなれば、ゆっくりと目覚める。涅槃西風の寒い風が吹くと、目覚めつつある半眼の山が二度寝るように眼を閉じて再び眠りに入るように感じる。この句では、春も相当進んできた彼岸頃の季節風のあり様を、風をまともに受ける山の姿によって表現している。半眼とか二度寝るという
比喩的措辞によって山の姿を眼前にするように表現しているところにこの句の妙味があると思った。
今日の阿部さんの句を読ませていただき、これから春彼岸頃までの季節感を思い出して味わうことができました。寒さがしばらく戻ると言われますが、涅槃西風という言葉には優しい響きがありますね。特に涅槃という語には極楽浄土のイメージがあり、もうすぐ暖かい季節になるのだという期待が持てます。有難うございます。 願船
半眼の山が二度寝寝る涅槃西風
涅槃西は彼岸近くに吹く寒の戻りと言われる風て、この後はめっきりと春らしくなる。
今日は朝から良い天気になりました。日の出の時刻も
連日一分以上早くなるペースで経過し、春の到来を感じるようになりました。