春寒
春寒や乞食姿の出来上がる 中村吉衛門
春さむし五線の指のままならず 拙
桜前線もすぐ傍まで来てからの寒戻りは厳しい。今日は10cmの積雪 タイヤ交換したには気の毒な雪となった。
暇があったので、楽器にすがってみたら、指がかじかんで儘ならなかった。二・三日は続くとの予報。ピッチャーがコントロールに苦慮している映像を思い出した。甲子園のピッチャー諸君の苦心に同情する。
春寒や乞食姿の出来上がる 中村吉衛門
春さむし五線の指のままならず 拙
桜前線もすぐ傍まで来てからの寒戻りは厳しい。今日は10cmの積雪 タイヤ交換したには気の毒な雪となった。
暇があったので、楽器にすがってみたら、指がかじかんで儘ならなかった。二・三日は続くとの予報。ピッチャーがコントロールに苦慮している映像を思い出した。甲子園のピッチャー諸君の苦心に同情する。
これは初代中村吉衛門の作のようですね。まだ春も寒い頃、化粧して乞食姿になったことを詠ったものと思われます。「出来上がる」の表現に楽屋の雰囲気、メタモルフォーゼの世界入らんとする歌舞伎役者の意識を感じます。
春さむし五線の指のままならず 阿部
阿部句では「春さむし」に「五線の指のままならず」を取り合わせて、指が悴んで楽譜通りに指が動きにくくなっている状況を詠っていることは、『暇があったので、楽器にすがってみたら、指がかじかんで儘ならなかった。二・三日は(寒気が)続くとの予報。』という作者の注を拝見すると明らかになります。「春さむし」の感じがよく出ていると思いました。
吉衛門さんの俳句もうまいですね。季語がぴったりでしたね。自分の句をつくってから同じ季語の句を歳時記で調べると、珍しい人・句と見つけるのも楽しみになりました。