完璧な作戦を頭に叩き込み、僕はパーティー会場へ入る。
僕の作戦とは、何とか芳雄さんにアカペラで「リンゴ追分」を歌ってもらう為の作戦だ。
その作戦の内容はこうだった。
まず、それとなく話しかけ3ヶ月前に発売されたCD「オールド・ドッグ」の感想を言う。
実際このCDは素晴しいのだ!
そして、そのあと「僕、バンドやってます。目標は原田さんなんですが・・・」と言う。
そして、11PMで聞いた「リンゴ追分」の話になり、歌ってください!とお願いする。
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まあ、うまく行くわけないとも思っていた。
まず、芳雄さんの周りはパーティー開始からひっきりなしに人が群がってる。
・・・・・・・ああ、無理だ、無理なんだ・・・。
一緒に来ていた石橋蓮司さんがやっと女の子のグループから開放されたのを見た。
すかさず蓮司さんの前に言って「悪魔くん」に昔、出ていらっしゃったでしょ?って小声で聞いてみた。
なぜ、小声なのかというと、僕は当時、蓮司さんがとっても怖かったからだ。
目が・・・・コワかった。
でも、帰ってきた言葉は「よく、知ってるな~、昔のテレビ番組」
そして、満面の笑顔。・・・・・感激!あ・・・優しい人なんだーーーーー!
で、しばらく、蓮司さんと話して、何故か蓮司さんに「僕。バンドやってるんです。」
蓮司さんニッコリ笑って、「おーい!芳雄!こいつ、バンドやってるって!ボーカルだって!」
え!。え!・・・・ええ!
芳雄さんが叫ぶ!「こっち、おいで!呑むか!」
僕に・・!?僕に、、、、確かに、僕に言ってる。「呑むか!?」
倒れそうになった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・