『おおたにせんせーゆきやーゆき。』
『せんせ つもるかなぁ』
『ゆきって たべられる?』
子供らに教えられて窓の外を見ると空から雪。
今から降って夜に積もったらええのにな?
12月24日。
今日は クリスマスイブやし あいつそんなんスキそうやもんな。
今日は生徒らを集めてクリスマスパーティ中。
新米教師のオレの役目は この後サンタとして子供らにプレゼントを配る事
(毎年 その年に入った先生がやらされとるらしい)
その準備で ここ1週間は忙しかった。
恋人…のリサも年末進行(?)とやらで忙しいらしくすれ違い。
出合って8年目。
お互いに一番忙しいクリスマスを過ごしとる。
『大谷先生 そろそろ用意してください。』
『あっ はいっ…わかりました。』
吉岡先生にせかされオレはサンタに変身して その雄姿をリサにメールした
★★★
『さんたさん おおたにせんせは?』
『先生は その…トイレや』
『ながいトイレやなぁ…』
『あほか せんせ おなかいたくて うん○してんねん』
『はぁ? なんでオレが…』
『さんたさんちゃうで おおたにせんせのことやで』
『あぁ せやな それよりほら プレゼントやぞ』
『うわぁーい ぷれぜんとやー『おれも おれも』あたしもー』
お腹痛くてまではええとしても…そのあとのクダリはいらんちゅうねん。
しかもプレゼントっちゅうたらオレの事忘れくさって(笑)
けど まぁ小学1年生でよかった。
オレがおらんからって 深くつっこまんとプレゼントに素直に喜んでくれる
やっぱガキはええなぁ(笑)
★★★
サンタも終了しリサにもメールでソレを知らせた。
『大谷先生 お疲れ様でした。』
『吉岡先生 お疲れ様でした。』
この後 一杯どうやなんて誘われたけれど やんわりと断った。
『吉岡先生 もぉー野暮なんやから…』
『野暮?ってなんですか?藤原先生』
『今日は クリスマスですよ。大谷先生 デートですよ。ねー大谷先生』
なんてからかわれたけど『まぁ…そのような』なんて言い返した。
時計の針は21時。
もしかしたら リサ仕事終ってるかもしれんなぁ…。
窓の外
雪はやんどるけど 風の音が凄い。
ガキらの大谷サンタは終った
この後は…
<仕事終ったか? みんなの大谷サンタは終わりやけど
リサだけのサンタは継続中。迎えに行くから(笑)>
なんて自分でも 寒いって思うメールをリサに送って
学校の外へ出て夜空を見あげた。