プリン誘拐事件③

『ただいま…。』

遠慮がちな声で大谷がバイトから帰ってきたのが分かった。
あたしはわんこの如く玄関へと飛び出した。

『大谷おかえりぃ…うぇ…。』
『って　リサおまえ何　泣いとるねん。』

『大谷のせいやーーーーっ』
『オレ？』

『ごめんっ　キライってゆうて　ほんまは大好きやもんっ』

ぎゅっ…

泣きじゃくるあたしを大谷は抱きしめてくれる

『知っとるから…』
『ふぇ？』

『おまえがオレの事　キライになるわけないやろ』
『なっ…どんだけ自信あるんよぉ…』

『オレもおんなしやから…』

きゅーん。

あかん心臓鷲掴みされた。
しかも大谷　オレもおんなしなんていいながら顏真っ赤やねん

それ見たら　もぅプリン誘拐も拉致もなんもかんもどうでもええ

『大谷　めっさ真っ赤やん。かっわいいっ♪』
『うっさい…かわいないわっ。』

『かわっわいい　かっわいい…』
『アホか…』

『大谷…『んっ？』』


ちゅっ…

少し屈んでその唇を奪うと『おかえしや』なんてキスを返してくれた

『プリン…かのんちゃんから聞いた
　　犯人は彬君やねんてな　疑ってごめんなさい。』
『おぅ』

『わざわざ買って来てくれたん？』
『ついでやったからな…』　

『ふふふんっ♪あたしって愛されとる♪』
『愛…って（笑）』

プリン事件も一件落着
予定通り1つのプリンを　はんぶんごっこ♪

あぁ…犯人の彬君やけど　大谷とかのんちゃんからしっかりと叱責
そののちあたしへの謝罪としてモロゾフのプリン持ってきた

というのは別の日のお話


ｅｎｄ