存在価値⑤

夢を見た。

あれはクリスマスの日の事


『大谷　クリスマスケーキは?』
『えっ?小泉予約してくれてないん?』

『ケーキは大谷に頼んだやんかぁ…学校の近所の店』
『あっ』

しまったという大谷の表情から忘れているという事はわかった

『えー頼んだのに…』
『仕事忙しかったから　しゃーないやんけ
　そんなにケーキ食いたかったら小泉が買うといてくれ』

大谷…そりゃ仕事忙しかったら忘れるっちゅうのもわかる

けどもし忘れても今はコンビニという24時間動いてる店があんねん
『小泉忘れてごめん今から買ってくる』って走ることもできるんやで

数字の名前の店はココから歩いて5分の所にあるんやで

それかせめて電話かメールでケーキ買えんってあたしにゆうたらええやん
そしたら用意することもできたのに…

この分やったらプレゼントもなしやな…

場面変わって

あたしが年末に風邪ひいて寝込んだとき
新学期の用意で忙しいって気が付いてくれんかったよね

吐きそうになってご飯食べられんのに…
『小泉　ご飯は?』ってなんなんやろ


まだ一杯ある。

積もり積もってあたしは家を出てきた。


ブブブブブ…♪

携帯のバイブに驚いてあたしは目を覚ました。
みると大谷からの着信を知らせるランプが点滅していた

10秒20秒…
所定回数光って切れた。


なぁ大谷　ほんまにあたしを心配してかけてくれてんの
それとも黙っておらんくなる卑怯者に一言文句言いたいん

あたしはあなたに必要ですか?