JAZZ PIANO で行こう

ヤノテルの音楽ブログです。ジャズピアノの研究・指導・作曲・ライブをしています。音楽が人生の喜びです。

クープランの墓 譜読み始めました

2016年05月10日 | ピアノ

正しく弾けるかどうかは、運指を確実に覚えきっているかどうかです。

クラシックピアニストはまったくアドリブができないそうですね。

それはそうです。他人が創った作品を再現するためには、

譜面通りでなければ意味がありません。運指は固定します。

なめらかな旋律はなめらかな運指によって決まります。

クラシックはそうやって作曲家の書いた譜面を頼りに自分の世界を構築していくのです。

それはそれで素晴らしいと思います。ビルティオーズのようなピアノを聴いていても

すごいなと思っても、感動することはまれです。またジャズでもお座なりな演奏では

ひとを感動させることは難しいです。

 

クラシックはジャズと違って和音だって、勝手な転回形で弾くなんてことは許されません。

しかし、ジャズはどうでしょう。ジャズはそのあたりは全く自由です。

ジャズを弾いていて面白いところは、自分がある変化をもたらすことで、次に音の化学変化が起こります。

予想もしなかったフレーズやパッセージや和音進行が突然出てくることがあります。

それゆえ、毎回異なった演奏になります。そんな変化の多いジャズがぼくは大好きです。

ジャズ本来の持っている自由度の高いところがまさに、ジャズが未だに創造性を持っているところです。

ただ、クラシックはすべてプログラムされていますが、それをなぞっていくプロセスに

価値があります。音楽をどう解釈して、ショパンならショパン、ブラームス、ラベル、ドビッシー

その独特な作風の世界があり、それをどう料理するか演奏者に任されています。

ことラベルに関しては全く無駄な音がなく、まるでガラス細工のような作品ばかりです。

彼は晩年病気がちで、頭のなかにはたくさんの音が鳴っているのに、それを作品として

完成せずこの世を去ってしまいました。

本当にもったいないことですが、あふれんばかりの才能にあふれた創造者にたいして

人生とは皮肉なもので、そういう人が早くなくなってしまいます。

ラベルの曲を聞いたり弾いたりしていると、精緻なタッチを必要とします。

これは森鴎外の小説にもにて、まったくよどみも無駄もなく、均衡のとれた

世界を作り上げています。といってもベートーヴェンのように重たい音楽ではなく、

また軽すぎる音楽ではありません。優雅で流麗で心にしみる音楽です。

自分の作曲するものも、そういった音楽を作り上げたいと思っています。

先日ライブでオリジナル曲を

演奏しましたが、その際に自分の作曲したものばかりをCDに作りこんで販売しました。

中身はすべてオリジナルのピアノ曲です。

サンプルをここに置く予定なので、また良かったら聴いてみてください。

 

 


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