弾いていて気持ちが良いのは、ベーゼンドルファーです。
まず鍵盤の質が非常に高いです。パソコンのキーボードでも、
車のステアリングでもとにかくマンマシンインターフェースということで、
考えれば、人の手に当たる質感というのは、最終的にコントロール性が命ですからね。
気持ちよく鍵盤と会話できるかどうかで音楽が変わるのです。
そういう観点からいうと、ベーゼンドルファーの鍵盤の
質感は見た目も美しいですが、さらりと弾くだけで、その質感の高さが
わかります。またハンマーが弦を叩いて戻ってくる音も実に音楽的なのです。
これぞ本物の楽器と思わせる芸術性の高さ、気品を感じます。
こんなことを言ってはなんですが、下手な人が弾くと実にヘタな音しか出ませんが、
訓練されたピアニストが弾くと、本来のベーゼンドルファーがもっている
芸術性の高い音が醸しださせるというか、周りをその美しさで包み込みます。
このベーゼンドルファーという楽器は実に奥深い手応えを持っています。
ヘタなフレーズなんか弾いた日には、ベーゼンドルファーはいい顔してくれません。
ベーゼンドルファーは、まさに人格を持った生き物なのです。
ところが、このベーゼン嬢は、
弾いているときは、いいのですが、録音してみると、
意外といい音で録音できません。ノイズ成分が多いというか、
ベーゼンドルファーをそこらへんのマイクロフォンでとると
硬い音、うるさい音でしか録れませんね。
かたや、スタインウェイD-274です。
音は、きらびやかで、実にゴージャスです。
また録音してみると、演奏しているときは、金属音が耳について
うるさいばかりなのですが、録音してみると実に一つひとつの音が、
はっきりと聞こえます。D-274は弦が他のピアノより、低音の倍音成分が
豊富なので、厚みのあるサウンドになります。
高音の粒立ち、そして低音の重厚さ。
音楽がしっかり作れます。ただ、それは録音された時の話。
弾いているときは、どう弾いても、音楽性のない音楽に
聞こえます。
不思議なことに、高音も、耳障りはよくないのに、録音してみると
まさにCDで聴くスタインウェイの音そのものになります。
いやはや、スタインウェイはげに恐ろしき怪物楽器です。
NOAH で貸し出しているスタインウェイは、鍵盤が手の油でベトベトしていて、
とても弾きにくかったです。本当に調律師が入っているのかな。と思うほどでした。
高音部の3つの弦がノイズは出るわで、調律入ったばかりと言っていたけど、
ほんと情けなかったです。NOAHの受付に直行して、金返せっていってやろうと
思ったほどでした。ま、我慢しましたが・・・とほほ。
一般貸出のピアノを使うときは、そういう鍵盤の状態も気をつけないといけないですね。
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