クラシックピアノであれ、ジャズピアノであれ、
ピアノをやっている人は、とにかく
今日より明日ピアノ演奏がちょっとでも
うまく弾けるようになればうれしくなります。
それが、次への原動力になるのです。
とにかく、ピアニストであれば、プロでも
アマでも練習・練習・練習しか無いのです。
うまく弾くためには、繰り返しの練習が
とても大切です。
よく言うのが、100回その曲を弾けば、
頭にも入るし、体に染み込むそうですね。
先日、ジャズボーカルの女性と話をしている時、
曲はどうして覚えるの?と聞くと、
100回歌うと、頭に入るし、
フェイクもできるようになるかしら
と言っていました。なるほどと思いました。
それくらい繰り返すことによって、脳は
とても大切なことをしているんだと理解して、
しっかりと脳内シナプスに刻まれます。
これは職人さんでも
毎日の作業の中で、同じ作業を100回どころか、
何万回も繰り返すことによって、
よりその動作が研ぎ澄まされていき、
目をつぶっていても出来るようになります。
素人は、職人さんの仕事を見て、
神業とか言いますが、
それは熟練の人技に過ぎません。
今読んでいる本で、「単純な脳、複雑な【私】」って
いう本があります。これは脳研究者の池谷裕二さんの
本なのですが、大変面白いです。
この中にすべての演奏者に通じる面白いことが
書いてあります。
ジャズピアノを練習している皆さんは
どんな練習をしていますか。
ジャズハノン? コード進行に応じた
分散和音的フレーズの練習?
実は、指を動かす練習としては
それはそれなりに意味もありますが、
アドリブが出来るようになりたいと思っているなら、
それらは、あまり効果のない練習です。
ジャズのアドリブというのは
よくおきまりのフレーズの
ジクソーパズルみたいなものと
思われているようですね。
本当のアドリブはそうではありません。
ジャズとして演奏されているものの中で、
たしかにそのような演奏も多いです。
しかし、いわゆるこのジャズの世界を引っ張っきた
最高レベルの演奏者たちは、そのレベルを
遥か越えています。
脳科学の池谷氏いわく、このドリブを生み出す直感は
実は脳のなかで、繰り返しによって、
身についた基底核という部分から出てくるものだそうです。
脳からの指令によって
手や腕や指が動く一連の連動性の
プログラムが基底核に格納されているそうです。
つまり自転車に乗れるとか、すごいスピードで
キャベツをせん切りするとかの運動は
一つひとつの動作をコントロールしているわけでなく、
一連の動作として、脳の基底核というところに
納められているそうです。
ピアノも同じです。ものすごいたくさんの量の音の数を
正確に、正しい指で、しかも両手を使って
演奏していく動作は直感的な動作です。
しかも、1つ1つ打鍵される音圧は全て異なります。
例えば、ロボット工学をやっている人が、
ピアノを打鍵する手を持つロボットは作れても、
打鍵するフレーズのすべてをコントロールする
ロボットは作れないということです。
制御するためのプログラムは数秒間の音楽を作るためには
何千行ステップを踏まないといけないと思います。
コストに合わないということです。
そんなロボットを作る予算があるなら、
本物のピアニストを呼んできたほうが
何万倍もマシというものでしょう。
クラシックピアノは脳にインプットされた
音符を自動ピアノのように吐き出していきますが、
ジャズピアノのアドリブにおいてはその音空間に
(一応のスケールの制限はあっても)何を
弾いてもいいのです。
そこに必要な物はフレーズの思いつき、直感
なのですが、この思いつき、直感は
実は繰り返しの練習の賜物なのです。
この繰り返しとは、楽譜に書かれた
アドリブ風の音符のことではありません。
残念ながら、アドリブ風の音符の羅列を
いくら上手に演奏してもそれは
アドリブではないので、そういう練習のことを
指しているわけではないので、誤解なきよう。
先ほどのロボット君、ピアノは打鍵しても
アドリブはできません。
なぜなら、現在のAIに直感の
プログラムが存在しない、不可能だからです。
この続きはまた・・・ チャオ!
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