JAZZ PIANO で行こう

ヤノテルの音楽ブログです。ジャズピアノの研究・指導・作曲・ライブをしています。音楽が人生の喜びです。

ジャズピアノ基礎講座 1 コードネーム

2015年06月07日 | ジャズ 基礎講座

ジャズ基礎講座 1 コードネーム

前書き (前置きが長いので、時間がない人は読まないでください)

僕がジャズピアノを始めようと思ったのはバド・パウエルの演奏を

ラジオで聞いたことがきっかけです。土曜日の昼下がりたまたま

矢野顕子さんが「若いこだま」という番組を担当しているのを

NHK第二放送で聴いたのがきっかけです。まぁ、どこで人生が狂うのか

わからんもんですね。その演奏が今まで聴いていたクラシックのピアノ

とは全く違った音の響き、狂気迫ったその右手のアドリブの旋律感には

鳥肌が立ち、震えが止まらず(熱があったのではないですよ)、心の震えが

止まらなかったのです。これだとおもいましたね。どうしたらこんな

美しい音が紡ぎ出せるんだろうと不思議な感覚に陥りました。

それまで家にはピアノがあったのですが、全く興味がなかったのに、

この放送によってピアノが素晴らしい楽器である、それが家にある。

これを弾けるようになりたいと思いました。

 その日からこの白鍵と黒鍵の並びのどこを弾けば、あんなふうに演奏できる

のだろうとしばらく呆然としながらピアノを触っていました。

とりあえずいつも通っていた宮井書店という和歌山市で一番大きな

書店に行き、音楽のコーナーでジャズ理論の本を探しに行きました。

ところが、バド・パウエルの本もないし、レコードもありません。

次に日曜日に心斎橋のレコード屋さんに行ってラジオでかかっていた

ピアノの曲が入ったレコードを買いました。店頭で視聴させてもらい

間違いなくその曲が入っていたアルバムを買いました。

その曲とは「パリジャンソロフェアー」です。

その曲が入っているアルバムが「ジーニアスオブバド・パウエル」です。

レコードプレーヤーを持っていなかったので、しばらく

プレイヤーを買うまではジャケットを眺めながらにやにや

していましたね。

ただあの時の小さなラジオから流れていた曲は頭にこびりついて

ジャケットを見る度にそれが頭のなかで鳴り響くので

それだけで満足でした。

このアルバムは今でもCDでも売っています。

録音は古いので音は良くないですが、バド・パウエルの天才ぶりが

うかがえる良い録音だと思います。

さて、ジャズピアノを始めると決意して全く弾けない状態から

1ヶ月ほどでなんとなく、そのパリジャンソロフェアーの出だしが真似できるようになってきました。

しかしその後のアドリブの速さったら、とてもついていけないので、これは

ピアノのメカニカルな練習をしないと伸びないだろうと思って、母親にそのことを話して

クラシックのピアノの先生につきたいと話しました。次の日には近くのピアノの先生を探して

きてくれて一緒にお願いに行ってくれるというのです。菓子折りを持って先生のところに行って

週1回通うことになりました。先生のところには黒いアップライトと白いグランドピアノが

おいてありました。高1の終わり頃です。そこから一気にクラシックの基礎を徹底的に

やりました。メカニカルな練習と並行してジャズの教本を手に入れてまずジャズのアドリブには

コードになれないといけないということが書かれていました。プロはコード進行を見て

アドリブをするなんてことを書いておりました。左手でコードを押えてそのコードに合った

アドリブをする?その時はその意味さえもわかりませんでした。実際コード毎のアドリブなんて

プロはやっていません。コード進行はとても重要ですが、

コードのみでアドリブが作られるわけではないのです。でも始めた頃は手探り状態で

なにがなにやらさっぱりわかりませんでした。本格的にジャズを勉強しだしたのは

大学に入って軽音楽部に入部してピアノトリオを組んでからです。

1年のときからピアノトリオを組ませてくれたので、ひたすら

レコードプレーヤーからテープに録音して

それを聴きながらコピー三昧でした。この頃が一番楽しかったですね。

さて前置きはこれくらいにして

1.コードの意味とコードネーム

クラシック音楽を習っている限りコードネームを覚えることも必要ないし、

またコードネームを使えるようになることも全く求められません。

大事なことは楽譜に書いてある音符の流れを覚えて音楽を創ることです。

楽譜に書いてあることをいかに理解して音楽として成立させるか、それが

大切です。しかしジャズにおいては楽曲のメロディーとそのコード進行が

全てです。そのメロディーに対してどういうアプローチをするかが大切です。

最初のテーマが演奏された後、その後何コーラス演奏するか。

それはそのジャズを演奏する人が決めればいいのです。

楽曲の解釈が演奏を良い物にも悪いものにもします。

その解釈のひとつにメロディーに対してどのようなコード進行を

与えるかが問われます。スタンダードはほとんどすでに先人たちがその楽曲に

ふさわしいコード進行をつけてくれています。そのとおり弾けば一応演奏にはなりますが、

それでは音楽になりません。コード進行は代理コードなどいろいろ変化することはできますが、

やはりアドリブでどこまで演奏者自身が楽しむか、またそれを聞いているリスナーがその演奏を

どこまで楽しめるか、それにつきます。

さて、和音といえば、まずはトライアドという三和音から教えます。

ハ長調で考えると ドミソ レファラ ミソシ ファラド ソシレ ラドミ シレファ

ですね。

 

 

このトライアドの一番下の音符はルートと読んでいます。 ルートって数学の√ 記号と同じで

root 根っこという意味です。

ルートを把握することは特に大事でコードの根幹をなすものです。

ジャズのコードを支えているのはルートですが、例えばベース担当の人はルートを

特に意識して弾いています。ルートばかりをただ単調に弾いていると

はっきり言って音楽になりませんから、パッシングノートというものを使います。

これはまたベースのラインのお話をするときに詳しく説明します。

和音を見ると同じように見えますが、ドとミは長三度といい、レとファは短三度といいます。

長三度とは、ドからミの間に3つの鍵盤がありますが、レとファの間には2つの鍵盤しかありません。

長三度は落ち着いた趣が出ますが、短三度は若干無味乾燥な感じがしますね。

鍵盤を弾いてその感じをよく掴んでおいてください。

音を聞いてよく味わうことが優れた音楽を作り出す基本になりますからね。

 

 

 

 


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