政府が盛んにミサイルの脅威を強調するなら、空襲で大きな被害の出る人口集中化を避けようとするのは当然だ。また、人口密集地帯で大地震のような災害が起きれば大きな被害が発生する。首都圏に若年人口が集中し、それ以外の地方が高齢者だけになれば、体力の衰えた地方の老人たちに救援活動を期待することもできない。都心部ではガソリンスタンドが閉鎖・解体されるが、災害時の給油はどうするのだろう?「東京都の歴史 県史13」(山川出版社 駐熕ス、古泉弘、池上裕子、加藤貴、藤野敦 P234~P238)を読むと、江戸幕府は農村から江戸への人口流入による治安の悪化を懸念していたことが分る。寛政期の旧里帰農奨励令は江戸下層社会に流入した貧農を減らし、打ちこわしの前提条件をなくすことを目的としていたようだ。人口の都市集中化は社会的リスクが大きいと思う。
都会に出ず、自宅から通える地元の大学に行くようになったら仕送りもなくなり、家計も少しは楽になるだろう。地元に住み続ければ、昨年11月に報じられた、大分のようなUターン組への「村八分」事件もなくなる。また、長く同じ場所に住んでいる人々の方が、信頼関係も地域社会への関心も強くなり、民主主義も実現しやすいだろうと思う。
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