投資家の目線

投資家の目線985(重要性を増すインバンド消費)

 2024年1~3月期の訪日客消費は年換算名目で自動車産業に次ぐ7.2兆円になったという(「インバウンド消費、年7兆円に拡大 自動車に次ぐ輸出産業に」 2024/6/25 日本経済新聞電子版)。電子機器等の工業製品の競争力が落ちた日本では、観光公害と言いながらも外貨獲得手段としてインバウンド消費を拒むことはできない。最近の米価の上昇もインバウンド需要の回復があると見られている(『「おにぎり」がピンチ?コメとノリが高騰』 2024/6/26 広島テレビ ニュース、「主食のコメにも値上げの波 飲食店の客など戻り需要層」 2024/6/26 KAB熊本朝日放送)。農産物をそのまま売るだけでなく、加工して観光客に食べてもらい地域を潤すという農業の6次産業化には成功していると言える。日本食のインバウンド消費は、農林水産省も期待をかけていた(『農林水産省に直接取材!インバウンドから日本食の輸出拡大へ...「食かけるプライズ2021」に込める想いとは』 2021/7/7 訪日ラボ)。

 

 その前に何が起きるかわからないが、米国でトランプ大統領が誕生すれば日米貿易収支の不均衡是正を迫られるだろう。資源高で日本トータルとしては貿易赤字となる月もあるが、日米交渉には関係ない。米国への輸出が減る分、インバウンド収入を増やさざるを得なくなるのではないだろうか?

 

 日本政府は医療インバウンドを促進する政策も打ち立てている(「医療インバウンド促進 厚労省が国際戦略推進本部」 2024/6/27 日本経済新聞電子版)。神戸市は医療産業都市を標榜している。医療インバウンドも関係する。その対象はプライベートジェットを使用するような超富裕層で、そのような人々が長期滞在すれば数は少なくてもその消費額は莫大なものになり、観光公害の恐れも少ない。プライベートジェットなら長大な滑走路も不要で、人工島の医療施設なら感染症が発生しても封鎖は楽だ。近くの播磨科学公園都市にあるSPring-8は、生命科学にも関係する。

 

 トランプ前米大統領は先の討論会で、バイデン政権の安全保障政策のために第三次世界大戦に近づいていると述べていた(『討論会でトランプ氏「中朝首脳はバイデン恐れず」 バイデン氏「好きにすればいい」』 2024/6/28 産経新聞)。フランスや英国は目前の国政選挙で人々の意思を問う機会がある(もっとも、英国のニューレイバーは保守党以上に好戦的なようだが…)。残念ながら、直近の日本は国政選挙で政権に対して意思表示するチャンスはない。国政と地方行政は別とは言いながらも、「バイデン政権周辺」にべったりの現政権に対しては地方選挙を通じて意思表示するしか日本の生き残りの手段がない。

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