投資家の目線

投資家の目線838(新型コロナワクチンとテレワーク)

 菅首相が、各経済団体にテレワークの徹底を要請している(「新型コロナ: 首相、経団連会長にテレワーク徹底要請 人流抑制で」 2021/8/18、『新型コロナ: 首相、テレワーク「極めて重要」 同友会・日商にも要請』 2021/8/19 日本経済新聞WEB版)。エッセンシャルワーカーのようなテレワークに適さない業務もあるが、そうでないところでは業務に支障の少ないテレワークの手法を編み出すよう、財界も協力すべきではないか?全国知事会は都市封鎖並みの強い移動規制を求めるようになった(『新型コロナ: 知事会「都市封鎖並み規制を」 神奈川・沖縄は重症満床』 2021/8/20 日本経済新聞WEB版)。東南アジアやニュージーランドなどで外出禁止措置が出されている都市もある。人との接触が減少すれば、感染も抑制できるだろう。

 「英オックスフォード大学の研究チームは英国の一般市民から集めた検体を分析し、米ファイザー・独ビオンテック製および英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを2回接種後のデルタ株に対する有効性が3カ月以内に低下するという結果を得たと発表した」(「新型コロナワクチン、デルタ株に対し3カ月内に有効性低下=英研究」 2021/8/19 ロイター)。デルタ型に関しては、「イスラエル保健省は7月上旬、デルタ型の感染拡大を受けてファイザー製ワクチンの予防効果が94%から64%になったとの研究結果を発表していたが、22日にはさらに39%まで下がったと公表した」(『新型コロナ: 米「ワクチン突破」に懸念 LA、感染の2割が接種済み』 2021/7/27 日本経済新聞WEB版)と、ワクチンの有効性低下が報じられている。

 さらにラムダ株については、『KARADA内科クリニック渋谷院』の田中雅之院長は「ラムダ株は新種ですから、“ワクチンが効かない”“効き目が低下する”ということも十分に考えられます」(「『ラムダ株』ペルーで19万人死亡の“最凶”ぶり、パラリンピックで感染拡大の恐怖絵図」 週刊女性2021年8月31日号)。東京スポーツに至っては、北中米のメディア「デーリーガーディアン」を引用し、「南米諸国で蔓延しているラムダ株は感染力が強く、新型コロナウイルスワクチンによる保護効果を回避する可能性があることが示された」(2021/8/16 東スポWeb)と報じた。

 変異株はデルタ株やラムダ株だけではない。米放送局「NECN」は特集で「懸念される変異株に加えて、さらにいくつかの関心が寄せられている変異株がある。WHOによると、イータ、イオタ、カッパ、ラムダなどが含まれる」『イータ、イオタにカッパ…〝最凶〟ラムダ株に続く「謎多き変異種」の危険性とは』 2021/8/18 東スポWeb)と報じているという。現在存在するワクチンは、それらには有効なのだろうか?

 ワクチン接種後に死亡する例が見られる。『厚労省は4日、ワクチンの副反応を検討する専門家の合同部会で、接種後の死亡事例が7月30日までに919件に上ったと報告。(中略)「ワクチンと死亡との因果関係が『認められない』」と断定できたのはファイザー製のわずか3件。大半はより表現が弱い「因果関係が『評価できない』」だった。つまり、ワクチン接種と死亡リスクの関係は、まだ何も分かっていないに等しいのだ』(「ワクチン接種後に919人死亡のナゾ…因果関係不明も28%に心臓障害が」 2021/8/10 日刊ゲンダイDIGITAL)という。大韓民国政府の新型コロナウイルス予防接種対応推進団は、副反応の報告件数を毎週月・水・土曜日に発表している。例えば18日には、「新型コロナワクチンの接種による副反応とみられる事例が16、17日の2日間に新たに4158件報告されたと発表した。このうち死亡が5件だった。ワクチン接種と死亡の因果関係はまだ分かっていない」(「ワクチン副反応2日間で新たに4158件 死者5人増=韓国」 2021/8/18 聯合ニュース)と、日本政府より情報開示が行き届いている。イスラエルでの調査結果では、「これまでのファイザーの臨床試験(治験)などによると、2回目の接種後に報告された主な副作用は接種部位の痛みや倦怠(けんたい)感、頭痛などだった」(「新型コロナ: ファイザー製ワクチン、3回目でも副作用 イスラエル」 2021/8/11 日本経済新聞WEB版)。副反応(ヘタをすると死亡するかもしれない)のリスクがあるのに、有効性が低下しているワクチンを接種するのは合理的な選択だろうか?ワクチン接種を義務化する国や企業も出ているが、新型コロナウイルスのワクチンも製造する英製薬大手アストラゼネカのパスカル・ソリオCEOは、「従業員にワクチン接種を奨励しているが、今のところ義務化していないし、するつもりもない」(「英アストラゼネカ、従業員のコロナワクチン接種義務化せず」 2021/7/30 ダウ・ジョーンズ)と述べ、ワクチン接種を義務化していない。

 米国の方が書かれていたが、米国立アレルギー感染症研究所の所長で政権の首席医療顧問のアンソニー・ファウチ氏の使用しているジェット機は、製薬会社が提供しているそうだ。ファウチ氏には利益相反の問題があることになる(米国では証券アナリストにも利益相反の開示義務があるのに、政府内部の人間には開示義務がないのか⁉)。利益相反があるからと言って必ずしも製薬会社寄りになるとは限らないが、その発言は割り引いて聞いた方がよいだろう。

追記:Pfizer CEO says COVID-19 vaccine-resistant variant likely to emerge「ファイザーCEOは、COVID-19ワクチン耐性変異体が出現する可能性が高いと言います」 24 Aug 2021 FoxNews
"They are researching to see if this variant can escape the protection of our vaccine. We haven’t identified any yet but we believe that it is likely that one day, one of them will emerge."「彼らは、この変異体が私たちのワクチンの保護を逃れることができないかどうかを調べている。まだ特定していませんが、いつかそのうちの1つが現れる可能性が高いと考えています。」
最終更新 2021/8/30

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