「預金封鎖に備えよ マイナス金利の先にある危機」(小黒一正著 朝日新聞出版 p182~p190)には、1946年時点で卸売物価上昇率約433%に達するハイパーインフレを抑制するための実行された新銀行券への切り替えと預金封鎖のことが書かれている。5円以上の旧銀行券を民間金融機関に預けさせ、生活や事業に必要な額だけ新銀行券で引き出せる。その金額で生活できるように物価統制令を施行する。しかし、抜け道や闇市があったことから、インフレ抑制の効果は薄かったようだ。預金封鎖が行われたときの大蔵大臣渋沢敬三は、2024年に新1万円の肖像に使用される渋沢栄一の孫である。
戦費などで膨張した債務を処理するため、最高税率90%に達する財産税や、実質的な政府債務の踏み唐オと言える戦時補償特別税が導入された。現行の日本国憲法は財産権を保障している。過剰な財産税や戦時補償特別税は財産権の侵害に当たらないのだろうか?
「預金封鎖に備えよ」では、終戦直前の204%から1950年時点で14%になった公債残高対GDP比の急速な縮小はハイパーインフレが主因と考えられている。このような国民から政府への強制的な所得移転をインフレ税というそうだ。また同書(p231~)では、仮想通貨が資産防衛の手段になる可能性を指摘している。先週も書いたが、ハイパーインフレに言及していたジャック・ドーシー前ツィッターCEOが、仮想通貨に興味を持っていたことを想起させる(投資家の目線853(TwitterCEOの退任))。
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