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パソコン自作派にとってWindows11は鬼門 その1

2023-05-05 13:55:12 | 日記

Windows11がリリースされてから1年以上たつが、2023年1月の普及率は18%程度(ワールドワイド)である。ここ2,3年内にWindows10がインストールされたPCを購入して、Windowsアップデートを実施していれば、自動的にWindows11への招待状が届くので普及率は徐々に上がっていくのだろうと思う。しかしながら、今回、実際にWindows11に移行してみて、パソコン自作派には相当ハードルが高いと感じた。

まず、移行作業に必要な知識が多いこと。マイクロソフトはWindows11への移行について必要な条件を挙げていて、ツール(PC正常性チェックツール)でチェックできるとしている。このツールはH/Wの要件、S/Wの要件をチェックしてくれるが、特に重要なのは「UEFI」(Unified Extensible Firmware Interface)、「TPM2.0」(Trusted Platform Module)、「セキュアブート」の3つである。マザーボードがこれらの機能をサポートしていなければ移行できない。

今、利用しているマザーボードは、ASUS H310M、CPUはCore i5 58400(8世代)であり、Windows10を使用している。「UEFI」は既にマザーボードのファームウェアインターフェースの標準になっていて、ASUS H310Mでも採用済である。「TPM2.0」は、「UEFI」の設定を変更することでクリアできた。問題は、「セキュアブート」で、「UEFI」の設定で有効にしても、OSを起動後には有効にならず、上記のツールのチェックもクリアできない(msinfo32コマンドで表示可能)。

色々調べた結果、システムディスクの形式が(比較的新しい)「GPT」(GUID Partition Table)という形式になっていなければいけないということが分かった。レガシーのWindows8.1からバージョンアップで移行してきている場合、システムディスクの形式は、一般に「MBR」(Master Boot Record)になっている。これは、移行の要件として明示的に書かれていない。

さらに調べると、システムディスクの形式を、「MBR」から「GPT」に変換するツールとして、「MBR2GPT」というツール(コマンド)が用意されていることが分かった。説明を読むと、ディスクの内容を維持したまま、システムディスクの形式のみ変更できるとある。しかし、この手のツールは一歩間違えると起動不可等、重大な結果を招きかねない。しばし、考えた結果、安全策として、新たなSSDを購入し、現在のシステムディスクをクローンコピー。そのSSDでシステムが正常動作することを確認してから試すことにした。

利用してみて「MBR2GPT」というツールを動作させるための条件はかなり厳しく、さらに相当高い知識レベルを必要とすると感じた。したがって、利用はお勧めしないというのが結論である。

今回は、もとのシステムディスクは外して保管してある(壊してもいい)ので、「GPT」化を強行してみた。このツール、最初は、システムディスクが「MBR2GPT」の実行要件にかなうかどうかを調べるため、必ず「/validate」オプション付きで実行する必要がある。ツールでは、対象とするシステムディスクには、標準である「システムで予約」「OS」「回復」の3つのパーティションがあるものと想定されている。4つ以上のパーティションがあるとエラーになるようである。ツールの最初の実行では、「Activeなパーティションがない」というエラーになった。「OS」のパーティションがActiveになっていなかった。これは、DISKPARTコマンドでActiveにできる。次に、「EFIの領域が不足している」(Cannot find room for the EFI system partition)というエラーになった。EFIの領域をどうやって見つけるかはよく分からなかったが、SSDの後の方の領域は未使用にしてあったので、邪魔になる「回復」パーティションを削除して、「OS」のパーティションを未使用の領域に拡張してみた(コンピュータの管理のディスク管理ツールで実施可能)。その結果やっと「/validate」が成功した。

実際の実行は、「/convert」オプションで実行する。

結果として、システムディスクの「GPT」化は成功したのだけれども、都度、都度、Google検索で要調査となり、丸一日の作業となった。とても人に勧められる作業ではない。なお、最後の関門として、「GPT」化したシステムディスクからOSを起動するためには、UEFIの起動設定を変更する必要があるので、ご注意を。(「UEFI」のマザーボードで、「MBR」のディスクから起動するためには、「CSM」(Compatibility Supported Module)を有効にしてあるはずで、これを無効にして「セキュアブート」のモードを「Windows UEFI」に変更する必要がある)

「セキュアブート」を有効にしてから、3日ほどで、「Windows11への招待状」(Windows updateの表示)が届いた。ここまででかなり苦労したのだが、結局、この構成(ASUS H310M、CPUはCore i5 58400)でのWindow11へのアップグレードは実施しなかった。その後の顛末は続編で報告の予定。

 

 

 


MCP23017を使用した4x4Keypad

2023-04-01 13:41:09 | 電子工作

DSPラジオを製作して実際に使ってみると、放送局をプリセットボタンに定義しておいて選局するのが使い勝手が良い。実際に4x4のKeypadを使用した物を製作したが、I2Cインターフェースの調子が悪く、電源を入れてから時間が立つと応答が無くなる現象に悩まされて、いまいちであった。

今回は、別のパーツを組み合わせて4x4のKeypadを実現した。使用したのは、MCP23017(基板付)4x4のKeypad基板(前回よりコンパクト)である。

MCP23017はMCU(マイクロ・コントローラ)のポートの数が足りない時に、ポート数を拡張するためのICである。Arduinoでは、デフォルトでKeypad.hライブラリが用意されていて、4X4のKeypadが使える。ただし、この場合、接続する線が8本、つまりMCU側のポートが8個必要になる。MCUにはXIAOを使う予定なので、そのままでは、ポートが不足する。このMCP23017は、MCUとI2Cインターフェース経由で接続するため、線は2本(電源、グランド線を含めると4本)で済む。MCP23017をサポートするKeypad_MC17.hライブラリは、Keypad.hライブラリを拡張している。

評価のためのコードを以下に示す。コードの冒頭でincludeしたライブラリは、Keypad_MC17.h、Wire.h、Keypad.hである。Arduino IDEのシリアルモニタに、押したキー(customKey)が表示される。


#include 
#include  
#include 
#define I2CADDR 0x20    // keypad IC
#define MIN_ELAPSED_TIME 100
const byte ROWS = 4;
const byte COLS = 4; 
char hexaKeys[ROWS][COLS] = { {'1', '2', '3', 'A'},  {'4', '5', '6', 'B'},  {'7', '8', '9', 'C'},  {'*', '0', '#', 'D'}};
byte rowPins[ROWS] = {3, 2, 1, 0}; //connect to the row pinouts of the keypad 
byte colPins[COLS] = {7, 6, 5, 4}; //connect to the column pinouts of the keypad 
//Keypad 
customKeypad = Keypad(makeKeymap(hexaKeys), rowPins, colPins, ROWS, COLS); 
Keypad_MC17 keypad( makeKeymap(hexaKeys), rowPins, colPins, ROWS, COLS, I2CADDR );
long elapsedButton = millis();
long elapsedPull = millis();
void setup() {
   Serial.begin(9600);
   Wire.begin(); 
   keypad.begin( );
   delay(500);
}
void loop() {
  char customKey = keypad.getKey();  // Check button commands
  if ((millis() - elapsedButton) > MIN_ELAPSED_TIME)  {
    // check if some button is pressed
    if (customKey){
      Serial.println(customKey); 
     if (customKey == 'D') {
        // todo 
     }  else if (customKey == '#') {
        //todo
     }  else if  (customKey == '0') {
       //todo
    }  else;  // and so on 
       elapsedButton = millis();
    } 
   delay(10);
}

MCP23017(基板)とKeypadの間は、適当なコネクタがなかったのでメスのピンヘッダ(4x2)を挿した上、8本のリード線で接続している。Keypadのピン番号{1,2,3,4}(COL)をMCP23017のポート{A7、A6、A5、A4}に接続、Keypadのピン番号{5,6,7,8}(ROW)をMCP23017のポート{A0、A1、A2、A3}に接続する。

I2Cのアドレスは、MCP23017の半田ジャンパーをすべてGND側に接続して、X”20”とした。MCP23017側のI2Cの接続はSDA,SCLの表示がある。なお、場合によっては数KΩのプルアップ抵抗が必要なケースがあるかもしれない。


Seeed Studio XIAO ESP32C3でWifiによる時刻設定が可能な時計の製作

2023-03-04 16:23:32 | 電子工作

Seeed Studio XIAO ESP32C3はESP32互換でWifiが利用できるMCU(マイクロコントローラ)である。外形はSeeed Studio XIAOと同じ大きさ、超小型である。スイッチサイエンスから購入(送料200円)した。Wifiのアンテナが付属していて、I-PEXコネクタで本体に接続するタイプである。余談だが、I-PEXコネクタが極小で、接続に苦労した。

試しに何かWifiを利用したものを作ってみようと考え、NTP(タイムサーバー)から時刻と日付を参照し、XIAOのRTC(リアルタイムクロック)に設定する時計を製作した。

いままで、RTCを内蔵したMCUをいくつか利用してきたが、時刻設定の機能をHW、SWで実現するのが手間な上に、電源OFFの度に設定が必要になるので、時計として利用しようとは思わなかった。それが、インターネットに接続してNTPから時刻と日付を参照できればことは簡単である。時刻を利用した作り物にも展開できる。

NTPから時刻を設定する方法はこちらのサイトを参考にさせて頂いた(感謝)。時刻関係のライブラリ(Timelib.h)はこちら。表示は定番のSSD1306のOLED、ライブラリはライブラリ管理から検索可能(Adafruit版)。

Wifiは、2つのWifiステーションのうち、電波の強い方を自動で選択できるように、WiFiMulti.hライブリを利用した(一つしかない場合は一方を適当に指定すればよい)。

I2Cの接続はデフォールト(SDA:4、SCK:5)でよい。

XIAO ESP32C3にはSleep機能があるので、時刻の更新時以外はスリープさせると、使用電力(十数mA)を節約できる。ただし、スリープさせるとArudionoIDEからスケッチの書き込みができなくなるので要注意である。スリープを有効にするのは、最後の書き込み時のみにする必要がある。なお、スリープを有効にしてしまった後は以下の手順で復旧できる。これは、スケッチの誤りで、XIAO ESP32C3がリセットを繰り返すような場合にも利用できるので覚えておく価値があると思う。

  1. USBを抜く
  2. BOOTボタンを押したままUSBを挿す、押したまま
  3. IDEからスケッチを書き込む
  4. 書き込みが完了したら、BOOTボタンを離す
  5. RESETボタンを押す

本記事のスケッチはこちらを参照のこと。

帆のように見えるのはWifiのアンテナである。シールになっていて貼付けることができる。右側の基板はアンテナの台として利用、XIAOには未接続である。


企業年金からの源泉徴収を取り戻すには確定申告するしかない

2023-02-05 14:04:11 | 日記

2月は確定申告の時期なので、確定申告ネタでひとつ。長年、確定申告を続けているが、面倒になってきたのでそろそろ止めようかと思い、検討してみた。その結果、以下の理由で止められないことが判明した。

1.厚生年金の所得控除に全ての社会保険料が含められない。

2.企業年金の源泉徴収が取られ損になる。

3.地震保険料の控除が受けられない。

4.確定申告を止めても住民税の申告が必要になる。

以下、順に説明。まず、厚生年金は扶養申告を行うことで、人的な所得控除は行われる。ただし、社会保険料は、厚生年金から引かれている分(特別徴収)しか考慮されない。自分で、口座振替している分、配偶者(特に後期高齢者医療保険)や家族の負担分は含まれない。したがって、全ての所得控除がカウントされず、源泉徴収される額が多くなってしまう。また、地震保険料の考慮はない。なお、厚生年金の支払い情報は不完全なまま、住んでいる自治体に伝えられ、放置すると住民税の取られ損になる可能性がある。つまり、厚生年金からの源泉徴収は中途半端で迷惑以外の何ものでもない。

企業年金からは所得税7.565%(復興税を含む)が「問答無用」(調べた結果、源泉徴収を止める方法は見つからなかった)で源泉徴収されている。この税率は、根拠が不明(25%を控除して10%(+復興税)の税率を掛けている)で、所得195万円未満の所得税率5%(+復興税)よりも高い。年金に関しては110万円(65歳以上)の控除があるので、収入にして300万円超までは税率が5%である。つまり、企業年金を貰っている多くの年金受給者は、確定申告すると還付を受けられることになる。

一方、確定申告の情報は、住んでいる自治体に伝えられることになっている。住民税に関して所得控除の情報を漏れなく反映させるためには、確定申告(e-Tax)するのが一番手間(住民税の申告は未だにシステム化されていない紙の世界)がかからない。

調べてみて国民が損をするような制度上の欠陥がいくつもあることが分かった。結局、このまま(死ぬまで)確定申告を続けるしかないという結論。


企業年金の現況届が不要になる

2023-01-14 14:23:21 | 日記

企業年金を受給していると、毎年の誕生日に、生存確認のため現況届を提出する必要があり、これを忘れると年金が止まってしまう。細かいことであるが、郵送料は受給者の負担である。2023年からこの現況届が不要になるらしい。

その仕組みは、企業年金連合会に属している年金基金が、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)から受給者の現況(生存)を確認できるからである。これは、個人情報の提供なので、法改正が必要なはずであるが、実感としては知らない間(相当以前のこと)に法改正が実施されていたようである。また、どんな情報が提供されるのか全く説明がなかったような気がする。

最近、現況届の提出が不要になったのは、住基ネットの受給者の現況(生存)によって、受給停止を企業年金側で判断しても構わないという解釈になったからと推測する(本来は相続の義務者による届が必要)。

これ以前にも、役所に転居届を提出した際に、通知もしないのに、日本年金機構からの通知が新住所に届いた経験があり、日本年金機構にも住基ネットの情報が伝わっていることが分かる(転居届と実際の引越しは同期しないことがあるので、これは困る)。

住基ネットの端末は至るところにあり、誰が操作している分からない状況にあるといっても良いのではないだろうか。

この住基ネットと密接な関係にあるのが、マイナンバーカードで、最近、申請件数が免許証の交付件数を超えたとか。しかしながら、その目的の一つである預金口座との紐づけが進んでいないそうである。その対策として、これまで児童手当の受給等で登録してある預金口座を自動的(通知があり、拒否は可能とのこと)に紐づけるというニュースがあった。

知らない間に個人情報が筒抜けになる仕組みが益々増えていくような気がしている。

[追記]

企業年金連合会は地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から受給者のマイナンバーを取得できるそうです。「平成30年度は、約
33万人分のマイナンバーを収録」(業務報告書より)だそうです。(以前に「証券保管振替機構」もマイナンバーを取得しているという記事を投稿した記憶があります)

 

 


コンビニでQUOカードを使う時の注意点

2022-12-30 15:29:49 | 日記

最近(?)コンビニには、セミセルフレジが置かれるようになっていて、正直なところ利用を敬遠したい気分である。このセミセルフレジ、商品のスキャンは店員が行い、会計は客が操作する。使っていると、常に「上から目線」を感じる。慣れていない客の場合、店員は客を監視していて、いちいち指示を出すのである。セミセルフレジにしたのはコンビニの都合で、客がいちいち、その操作を憶える(習う)義務はない。

実際のところ、支払い方法によって、操作の方法は多岐(スキャン、タッチ、スライド、現金投入等々)に変わるので、初めてだと、戸惑うのが当然である。店員が一対一に対応しているのにもかかわらず、何故客に操作させるのだろうか。客が商品のスキャンを行う完全セルフレジなら、操作の主導権は客の方にあり、省人化ということでまだ理解できるのだが。

さて、QUOカードを使う場合であるが、支払い方法は店員の商品スキャンの後、画面から「QUOカード」のところを客がタッチする。次に、QUOカードを一旦、店員に渡す。店員側が操作を行うと支払いの了解を求める画面になるので、確認すると支払い完了である。QUOカードは返してもらう。どこが便利になっているかよくわからない。

ここで、注意しなければならないのは、ポイント付けやクーポンを使用する場合である。必ず、商品のスキャン直後に提示しなければならない。QUOカードを店員に渡した後に提示すると、「清算済みです」と拒否される。現金の場合は、これで清算完了という意識が働くが、QUOカードの場合は、どうもその意識が薄い。いままで何回か失敗している。数ポイントの場合は諦めるが、キャンペーン等でポイントが3桁になるような場合は諦められない。

こういう時の対応として、(嫌がられる)裏技がある。「返金してください」というのである。某セミセルフレジのコンビニで、QUOカードを使用した時に返金対応を求めたところ、セミセルフレジから購入金額と同額の現金が吐き出された。ちゃんと返金に対応しているのである。後は、商品スキャンからやり直せば良い。戻された現金は、最後に現金投入口から投入して清算完了である。

追記:

セミセルフレジは、コンビニ強盗対策でもあるのかなと。あと、セルフレジの操作が分からないので腹を立て、壊して逮捕されたというニュースがありました。さもありなんと思います。

 


RDA5807(FM DSPラジオ)のI2S機能を使ってみた

2022-12-05 14:15:19 | 電子工作

RDA5807FP(FM DSPラジオ IC)が使い易く、地域のFM局の受信も安定しているので色々と試している。

RDA5807FPは、I2S経由でディジタル音声信号(ラジオ音声)を出力する機能を持っているのが面白いと思ったので、動作を確認してみた。ここではDAC(ディジタルーアナログ変換)にUDA1334を使用する(現在、スイッチ・サイエンスでは販売終了とのこと)。

RDA5807とUDA1334の基板側の接続は以下の通り。電源はUSBからの5VをVINに、基板のGND同士を接続する(写真を参照のこと)。

ピン1(GPIO1) ー WSEL 
ピン15(GPIO3)ー BCLK 
ピン16(GPIO2)ー DIN

写真では、マイクロ・コントローラ(MCU)として、RP2040‐ZERO (Raspberry Pi Pico相当)を使用している。

RDA5807のI2Sを有効にするには以下の初期化コードを追加する。

Wire.beginTransmission(0x11);
Wire.write(0x04); // REG4
Wire.write(0b10001000); // RDSIEN, De-emphasis 50μs
Wire.write(0b01000000); // I2S Enabled
Wire.endTransmission(); // stop transmitting
Wire.beginTransmission(0x011);
Wire.write(0x06); // REG6
Wire.write(0b00000010); // DATA_SIGNED
Wire.write(0b10000000); // 48KBPS
Wire.endTransmission(); // stop transmitting

上のコードでは、Wireライブラリを利用して、RDA5807のREG4、REG6を直接設定している。RDA5807側のサンプリングレートは最大の48KBPSに設定している。UDA1334はWSEL入力の周波数に自動で対応するようである。

結果として、UDA1334側からもラジオ音声は出力されたが、RDA5807からの出力と比較してみて、音質の違いは明確には認識できなかった。あと、I2S側は音量が調節できないので、後段にアンプを接続する必要がある。

ということで、I2Sを利用しても仕掛けが大掛かりになる割にはメリットがないので、実験にとどめておくことにする。


RDA5807(FM DSPラジオ)をRDA7088の回路で動作させてみた

2022-11-10 13:55:14 | 電子工作

RDA5807FPは、マイクロコントローラ(MCU)で制御するFM DSPラジオICであるが、接続によって、マイクロコントローラなしで動作(RDA7088相当)させることができることを知ったので確認してみた。

きっかけは、AliExpressなどで売られている(とても安価な)FMラジオのDIYキットにおいて、HEX3653の替わりにRDA5807FPが添付されているのを発見したことにある。HEX3653の互換品はRDA7088(データシート)である(どちらがオリジナルであるかは不明)。RDA5807FPのデータシートには、RDA7088モードで動作するとは書かれていない。しかしながら、RDA5807FPは、ピン6をVCC(つまりHIGH)に接続するとRDA7088として動作するのである。

まず、AliExpressから件のDIYキットを購入してみた。確かにRDA5807FPが添付されていた。ただ、このまま組み立てると壊しそうなので、ブレッドボード上にRDA7088相当の回路を構成し、組み込んでみた。なお、事前にピン6と他のGNDに接続するピン間に十分な抵抗値があることは確認済みである(でないと発火するので)。

ちゃんと動作したというが結果である。放送局のSEEK(探索)、ボリュームの増減がタクトスイッチ操作で可能である。また、RDA5807FPの受信品質は、ワイドFM含めて良好で、小型のスピーカーを十分に鳴らせることが分かった。

次に、このRDA5807FPが、マイクロコントローラ制御で動作するかを確認する必要があるが、これは、この後に組んだ回路(ピン6はGNDに接続)で確認済みである。

このRDA7088モードは、どうも「隠し仕様」であるらしい。なお、RDA7088は、RDA5807FPの検査不良品(例えばレジスタが設定できない等)であるかもしれないので、RDA5807FPとして動作する保証はない(念のため)。

件のDIYキットであるが、後日、RDA5807FPを別途購入(安かった)したので、それを組み込んで完成させた。タクトスイッチはケースに収めるため基板の裏側に付けた。なお、動作に必要な部品のみ実装している。


スズキ スイフトのセーフティサポート機能

2022-10-10 18:34:04 | 日記

レンタカーを借りる機会があって、車種がたまたまスズキのスイフトであったが、強い印象を受けたので記してみたい。スズキの車を運転したのは初めてであった。最近の車には、色々なセーフティサポート機能が付いていて、新車に乗り換える機会が暫く無かったの、それも初体験であった。レンタカーは半日借りて、その間に4回警告を受けた。特に乱暴な運転をした訳でもないのに、突然警報が鳴って注意されると、理由が分からないので、かなり慌てる。理由が分かるまで瞬時、運転操作が停止するため危険でもある。この種の機能は乗車前に説明が必須であると思った。

後で考えても、4回の警報で必要であると思ったものは無かったので、出来れば切って置いて欲しいものである。順番に考察してみる。まず、フラ付き警告機能であるが、横道からノロノロと出てきた車がキチンと停止しなかったので距離をとるため車線を少し変更したところで警告された。これは意味も効果もない。次に、立体駐車場において、バックで駐車しようとしたところ、壁から3メートルも離れた所から警告が鳴り始めた。何か障害物があるのかと、降車して確認するハメになった。3回目は、交差点での右折時に前車に近づき過ぎたようで、一旦停止させられた。最後は、信号待ちにおいて、エアコンの操作をしていて、前車が発信したのに気づかずにいると、間髪を入れずに「前の車は発進しています」という警報にしかられた。半日で4回(乗車時間は1時間半位)。この車に警告されずに運転するのは、かなり難しいことであると感じた。

最後に、この車の不満な点を追加。この車のエンジンキーはいわゆるスマートキーで、スマートキーを携帯して、エンジンスタートボタンを押すとエンジンがかかるタイプである。ただ、エンジンをかけたまま、車外に出ると、ピーピーと警告音が鳴る(10年近く前にスマートキーの車に乗ったことがあるが、その時は無かった機能)。バック駐車で後方確認のため降車した時に何回も警告された。一説によると、この警告が嫌な時は、スマートキーを車内に残しておけば良いらしいが、それは、最も怖い「閉じ込み」の要因にならないか不安である(あと、電池が切れたらどうなるのか。自分はスマートキーの車は買わないつもりである)。

果たして、警告だらけの車は嫌われないのだろうか。自分の車だった全部OFFにして乗ると思う。


KT0915(AM/SW/FM DSPラジオ)の試作

2022-09-20 14:43:21 | 電子工作

AM/SW/FMが受信できるマイコン制御のDSPラジオ ICは、これが3つ目(AKC6955、Si4732、KT0915)であり、たぶんこれが最後だと思う。KT0915については、期待を込めて試作したが、結論から言うと、試作で終えることにした(残念)。なお、DSPラジオ ICは、色々と種類があって、電子うさぎさんのサイト(日本語のリンクが貼れないので「電子うさぎ DSPラジオ」で検索)を参考にした。

結果のまとめを少々述べることにする。

SW(短波)の受信感度は、Si4732>AKC6955>KT0915の順であった。FMだけなら、KT0915が良い。AKC6955がそれに次ぐ(が製作上の安定度はいまいちで苦労した)。Si4732は、FMについては、音質が良くないのでお勧めではない。AMについては、感度はSWと同じ順番である、ただ、どれも音質は良くない、利用は電波状況が良い場所に限られると思う(筆者の環境は高雑音)。

マイコン(Arduino)用のライブラリは、いずれも、pu2clrさん作の物が利用できる(Si4732とKT0915で利用した)。特にSi4732(Si4735と同じ)の物は完成度が高い(そのまま利用した受信機が売られている程)。

KT0915は、KTマイクロ製、SSOPの16ピン ICである。ピン数が少ないため、部品点数が少なくて済むので、自作向きである。ただ、変換基板に載せるためのハンダ付けは、ほぼ限界である。AKC6955(SSOP、24ピン)で失敗した経験が役に立って、今回は上手くいった。

Arduinoは、Seeeduino XIAOを利用した。pu2clrさん作のKT0915用ライブラリは、GitHubにあるが、ArduinoのIDEのライブラリ管理の検索から「KT0915」で検索するとインストールできる。

試作ではpu2clrさんのGitHubのexamlpesフォルダにあるKT0915_02_OLEDをベースに、少々改変を加えた。詳細は筆者のGitHubを参照して頂きたい。なお、Arduino Pro Miniベースの回路図が前記のexamlpesフォルダにあるが、受信周波数を変更するロータリーエンコーダ(スケッチには存在)が省略されている。試作したスケッチでは、受信周波数の変更はタクトスイッチで行なっている。

さて、評価であるが、FMはリード線程度のアンテナで問題なく受信できた。音質もまずまずである。音量は小音量でスピーカーを鳴らせる程度、やはりアンプが欲しい。AMは、地元に4局(距離は20から30km)あるが、大電力(100㎾と300㎾)の2局(NHK)のみ受信できた。音質は良くない。SW(短波)は、マグネティックループアンテナを使用したが、7MHz帯の北京放送すらまともに受信できなかった(Si4732では同じアンテナで複数局が受信できたのに)。