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Si4703搭載FMラジオチューナ評価ボードによるFMラジオ その3

2022-08-26 14:43:08 | 電子工作

SiliconLabのSi4703(FM DSPラジオIC)搭載の評価ボードについての記事は、3つ目(その1その2)である。この評価ボードで製作した2台のFMラジオはもう2年以上実用している。今回の記事は「その1」で行った試作の直ぐ後に作成したFMラジオについて紹介する。その概要とコードはGitHubに載せている。

特徴として、回路を簡単にし、部品を減らして、再現性を高めている。Si4703の制御は、Atmega328pで行ない、電圧を3.3Vに統一している。使用しているタクトスイッチ(ボタン)は3つだけである。表示にはOLED(SSD1306)を利用している。コントローラの基板(Auduino UNOなど)をラジオセットに持ち込まないのでコンパクトに組み立てられると思う。余談であるが、最近、Aruduinoの値段が高くなっていて、Auduino UNOなどを新規に買いたいと思わない。

写真に示したが、操作は、ボリュームの大小とFM局の選択だけである。百均のクリアケースに収めている。FM局の名前と周波数、ボリューム値をOLEDに表示する。FM局の名前と周波数は、予めコーディングしておく必要がある。受信できるFM局が多い場合は、タクトスイッチを追加して、正逆の選択ができるようにした方が良いかもしれない。電源はUSBからとるようにしている。5Vの電圧をAMS1117-3.3を使って3.3Vに変換している。

配線の様子は以下の通り。部品は最少である。なお、基板の下にも電源ラインの配線あり。Xtal発振子の周波数は16MHzである。発光ダイオードはピン19(PB5)に接続している。起動時に点滅する。

Atmega328pを単体で扱う場合は、いくつか考慮が必要である。その辺りの話はこちらのネット記事を参考にすると良い。まず、Atmega328pにはブートローダが書き込まれていなければならない。前記のネット記事にはその方法(Arduino UNOが必要)が紹介されている。難しいと感じる場合は、Atmega328pを購入する時にブートローダが書き込まれた物を購入すると良い。秋月電子から購入可能(それ程値段は高くならない。ピン配列のシールが貼付け済みで便利)である。

Atmega328pにスケッチを書き込む一番簡単な方法は、Arduino UNOの既存のAtmega328pを抜いて、該当のAtmega328pを差し込んでしまうことである。これが無理な(抜き差しには器具とコツがいる)場合は、USBシリアル変換器と若干の回路が必要である。これも前記のネット記事に説明されている。お勧めのUSBシリアル変換器は、ネット記事にも紹介されている秋月の FT232RL USBシリアル変換モジュール (AE-UM232R)であるが、同様なものがAmazonなどでも入手できる。ただし、PC側でのドライバの対応と、Atmega328pをリセットするための信号(DTR)がサポートされていることが必要である。

なお、Atmega328pの書き込みは5Vで行うことになっているので、スケッチの修正時に、既にSi4703やOLEDなどを組み込んだ基板上(3.3V)では書き込みできないので注意が必要である。また、3.3V動作では、16MHzのクロック周波数は保証されていないので、これも注意が必要(動いたらラッキー)である。


M6955(AKC6955)によるオールバンドラジオ受信機の製作

2022-05-13 16:17:58 | 電子工作

M6955(AKC6955)は、FM/TV/MW/SW/LWマルチバンドのDSPデジタルラジオICである。かなり歴史のあるチップで、中華の開発元AKC technology limitedのホームページは既に検索できなくなっている。このチップとの付き合いは、コロナ禍の始まる前からなので、既に3年近い。何とか纏まりが付いたので結果を報告することにした。最終のスケッチはGitHubにアップしている。

事の始まりは、aitendoのDSPラジオモジュールを見つけたことにある。マイコン制御のDSPラジオに興味があったので早速購入(2019年8月)したが、後から考えると少々敷居が高かったようである。Arduinoによる制御が目標であったが、チップもプログラムも実績なしで始めたため、モード(AM/FM)の変更までは確認できたものの、受信周波数の設定(つまり放送局の受信)は、ついに成功しなかった。このチップは色々と配線を替えて試しているうちに、誤ってDC9Vを印加して、燃やしてしまった。5VのArduinoと3.3VのDSPラジオを混在させてはいけない(信号の電圧レベルの変換が必要で配線が複雑化する)という教訓を得た。ただ、このDSPラジオモジュールには(受信周波数設定用レジスタの)不具合があったと、今でも思っている。ちなみに、この時利用していたArduinoのスケッチは、もへある氏作のもので、最終的なスケッチに一部原型が残っている。

前述の反省により、3.3Vで動作するArduino、ProMini(8Mhz動作)と、M6955チップをAliExpressから購入した。M6955チップを変換基板にハンダ付けするのには難儀したが、何とか成功。結果として、所期の目標機能(モード変更、受信周波数の変更など)は、ほぼ確認できたのであるが、ProMiniのI2Cに、M6955と表示用のOLEDをマルチドロップ接続すると、動作しなくなるいう不具合が最後まで解決出来なかった。プルアップ抵抗を追加するなど色々試したが無駄であった。そのまま、暫く放置(2019年12月頃)。

2020年になって、既に入手していたXIAOでは、どうかと思い付き、ProMiniから変更すると、OLEDの表示が可能になった。XIAOのI2CはM6955と相性が良かったということである。気を良くしたので、スケッチを改良して最終化(GitHubに登録した物)した。以下の写真は全体の最終形で、配線をブレッドボードから汎用基板(ブレッドボード互換)に替え、ケースに収めている(2022年の作業)。

感想を別稿のSi4703との比較で述べてみたい。一番大きな違いは、Si4703は無線機指向で、M6955はラジオ指向であるという点である。理由は、前者は受信周波数が1KHzステップ単位で変更が可能であるのに対して、後者は受信周波数の変更ステップ幅がモードごとに決まっていて、結果として1KHzステップ単位での受信周波数が選択できない点。これはラジオとしては問題ないが、無線機として致命的な欠点である。感度は、Si4703の方が良い。ただし明瞭度の点で若干問題がある。FMについては、M6955の方がはるかに音質が良く、Si4703は実用レベルとは言えない。AM(中波)については、XIAOとの電波干渉(AGCが効いて感度が低下?)がありバーアンテナの相性が良くない(実用性は期待できない)。音声出力はSi4703はイヤホンが精々で、M6955は音声出力が0.5Wあるので、小型のスピーカーを直接接続できる。


100均の単三2本のUSB充電器

2022-04-26 15:31:23 | 電子工作

最近、「USB家電」なるものの種類が増えてきた。スマホの充電器のUSB端子に差し込むと使えるタイプの家電のことである。スマホの充電器はどこの家でも転がっているし、テーブルタップにもスマホの充電器付きのものがある。従来、乾電池で動作していたものが、続々と「USB家電」に変わりそうである。ただし、リチウム電池内蔵のものを増やすのは止めた方が良い。リチウム電池は扱いが難しいので、安物は危険であるし、捨てる時にも困る。一方、リチウム電池なしの「USB家電」は安価で、「百均」と相性が良い。

例を挙げると、卓上用のUSB扇風機。パソコンのUSB端子に接続できるし、パーソナルには十分涼しい。手元用のLED照明。夕方に手元が暗くなって来た時に重宝である。USBのミニルーター。USBパーソナル加湿器。等々。電子工作でも、元々、乾電池で動作する想定の物が多いので、USB電源がとても便利である。USBのコードは、壊れたマウスの物が再利用できるし…。

「USB家電」が増えてくると、USB電源が無い所で使いたいとか、停電の時に使いたいという要求が出てくる。基本的にはモバイルバッテリーがあればOKである。ただ、モバイルバッテリーは再充電が必要という問題がある。じゃあ乾電池は使えないか?ということで探してみたところ、セリアのUSB充電器ダイソーのUSB充電器を発見した。いずれも単三の乾電池2本で動作する(注 最近のダイソーの物は乾電池4本、500円)。記事を参照すると、両者ともスマホの充電には、能力が足りない様子。さらにセリアの商品については、スマホには使えないという表示があり(電力不足)。あくまでも緊急用。しかしながら、「USB家電」の電源には十分と考える。

単三電池2本(3V程度)から、USB電源(5V)を得るためには、昇圧回路が必要で、分解して調べた記事あり。部品だけ集めても100円超える。これを、100円で売れるのだから、「百均」恐るべし。

正体が分かったところで、セリアで見つけて購入、使ってみた感想を報告。まず、様子を見るため、壊れたマウスを接続した。LEDが光り、電圧を測ると4.6Vあり。次に、USB端子に直接差し込めるLED照明を接続。懐中電灯として使える。最後に、電子工作で製作したFMラジオを接続、無事に動作。昇圧回路の効率が問題になるので、普段使うにはお勧めではないと思うが、メリットは、使い古して、1.2V位になったアルカリ乾電池が十分使えること。FMラジオは数時間動作したので、捨てるだけの乾電池が有効利用できる。ただし、電力を食う「USB家電」には使えないのでご注意を。

USB端子に差し込めるLED照明、Amazonなどで売ってます。

USBのコードは、壊れたマウスのものを使用。


AliExpressで商品が届かなかったので返金交渉してみた

2022-02-17 13:42:17 | 日記

これまで電子工作で使う部品を入手するためにAliExpressを数十回利用してきた。もっぱら、数百円の部品購入である。以前は送料込みで安いという印象があったが。最近は送料別が多くなり、徐々に高くなってきたという印象がある。これまでのところ、事故は3件。内訳は「運搬の途中で紛失したので返金します」、「届いたものの、部品が破損していて、クレーム」、「結局、届かなかった」の3件である。「運搬の途中で紛失したので返金します」は特に何もせず、通知後にクレジットカードに返金された。「届いたものの、部品が破損していて、クレーム」は、注文の履歴から、「Open a dispute」(争議開始)して、「届いたけど壊れていた(broken)」と写真付で連絡(Webからできる)したところ、「返金する。品物は返送不要だ」と回答があり返金された。最後の「結局、届かなかった」というのは、最も最近の事件である。

注文した品物が「届かない」と報告(「Open a dispute」)するためには、保護期間を経過しなければならない。今回この期間は約2カ月半あり、この間Webからは「不着」の連絡ができない(注文先に個別にメールで連絡はできるが、「待て」と言われるのがオチである)。保護期間を経過すると、注文リスト上の表示は、「finished」(ちょっと焦った)になるが、詳細を表示すると、「Open a dispute」がクリックでき、注文先に連絡できるようになる。Web画面では、現在の状況を選択するようになっているが、選択肢に「不着」(相当)というのはないので、「輸送中」を選択する(実際には最後のステータスは「出荷先の国に到着しました」になっていた)。こちら側のコメントには「I have not received the item.」と記入した。

あとは、注文先からの回答待ちになるが、画面には、「期間内に解決しない場合はAliExpressが介入する」と表示されているので、少し安心である。

数日後の注文先からの連絡は「 The goods have arrived at the local post office. Please go to the local post office to pick up the package」だった。おいおい、何処に取りに行くんだと少しムッとした。実際に、グローバルの追跡番号を、日本郵便のシステムに入力しても、登録されていないと表示される。したがって、これには、「却下」で回答した。注文先からは連絡がなかったが、期間(3日位)を経過するとAliExpressが「状況を確認する」と介入してきた。AliExpressの「Purchase Protection is running out, but package is still in transit」に対する判断は「承認」であり、「返金する」とあった。この数日後、クレジットカードに代金が返金された。

以上が顛末である。相当時間がかかり、長期間イライラさせられた。当初から、こんなこともあろうかと予想はしていたが、「遂に来たか」という嫌な体験であった。


Si4732によるオールウェーブラジオ受信機の製作

2022-01-23 12:55:24 | 電子工作

Si4732はSiliconLabs社のSOP16ピンのDSPラジオICで、FM、AM、SW受信に対応している。I2Cによるマイコン制御である。Amazonなどで販売されているラジオ受信機に採用されている。ICはAlixexpressから購入できるが、人気があるのか比較的高価である。コロナ禍前には、1個300円台であったが、半導体不足騒ぎの頃は1個800円台まで高騰したことがある。人気の理由は、マイコン(Arduino)のスケッチ(良くできていて、特徴として、コードからファームウェアにパッチをあて、SSBを受信可にしている)がGitHubから入手できるからである。不良品(5個単位なので大損?)の懸念もあったが、決心して購入した。データシートアプリケーションノートはネットから入手できる。

配線はブレッドボード上に行うので、Si4732はSOP16ピン用の変換基板にハンダ付けする必要がある。Si4732の供給電圧は3.3Vなので、マイコン(Arduino)はArduinoProMini(3.3V)にする。5V系のArduinoにするとレベル変換が必要である(配線を誤るとSi4732を破壊するリスクあり)。回路図、必要なパーツや全体の配線については、GitHub(SI4735/examples/SI47XX_03_OLED_I2C)を参照する。特別なパーツとしては、表示にOLED、同調にロータリーエンコーダを利用している。組み立てにあたってはこちらも参考にすると良い(ただし5V系のArduinoなのでご注意。部品が揃わない時はこちら(ヤフオク)から購入するのも手)。なお、Arduinoのスケッチは、Si4732と互換性があるのでピン番号を変換すればそのまま利用できる。注意点は、I2Cのアドレスであるが、Si4732のSENBピンの接続によって変更できるらしい。ここで使うスケッチでは、I2Cのアドレスを自動識別しているとの記述もある。筆者のところでは、SENBピンをGND(グラウンド)に接続した状態で動いている。

回路の接続を終えた後は、ArduinoProMiniにスケッチを書き込む必要がある(注 ArduinoProMiniはUSB-シリアル変換器が必要)。まずAuduinoIDEにSi4735のライブラリをインストールする必要があるが、pu2clr/SI4735には、ライブラリマネージャから”si4735”を検索してインストールする方法が紹介されている。ArduinoProMiniに書き込むスケッチは、”SI4735/examples/SI47XX_03_OLED_I2C/SI47XX_02_ALL_IN_ONE_OLED/SI47XX_02_ALL_IN_ONE_OLED.ino”である。なおArduinoProMiniとSi4735の接続方法がスケッチの冒頭に紹介されているので、Si4732の対応するピンに読み替えて接続すれば良い。使用するOLEDはSSD1306(I2C)タイプで、ライブラリはライブラリマネージャから”Tiny4kOLED”を検索してインストールする。

FM、AM、SW(短波)の受信を確認してみた。アンテナは室内設置のマグネチックループアンテナである。全体の印象としては、IC個体のせいかもしれないが、明瞭度が「いまいち」と感じる。音量のレベルはイヤホンでもギリギリで、アンプが必要である。バックグラウンドのホワイトノイズ系の雑音が気になるので、増幅すると耳障りかもしれない。ローカルのFM局は受信できた。ただし音質が「いまいち」で、常用する気にはならない。AMは、ローカルの大出力の局(NHK)が受信できた。民放局は信号を感じるが放送内容が聴き取れないレベル。SWは、7MHz帯の北京放送が何とか聴き取れた。SSB(Single Side Band)は切り替えが確認できたが、SSB局がいないので実際の受信状況は確認できていない。作って楽しむには面白いが、無線機として実用に使うには、ちょっと厳しいレベルである。


同一クレジット会社のカード2枚持ちの理由

2022-01-05 14:00:01 | 日記

複数のクレジットカードを持つのは珍しいことではない。使い分けすることで各カード会社の特典を享受できるチャンスが増える。最近「R」カードが2枚目カードのキャンペーン(作成して利用すればポイント付与)を実施中であることに気づいた。最初、同じクレジット会社のカードを2枚持って、何かメリットはあるのだろうかと思っていた。

「R」カードは既に持っていて、不便を感じていた点が二つある。ひとつは、クレジットのブランド(Master、VISAなどのこと)によって、手持ちのカードが使えない経験を何度かしたこと。もう一つは、「R」カードには電子マネーのEdyが付帯されているのであるが、利用の都度、カード表面にクレジットの番号と氏名がエンボス加工されているため、それを店員に見られることが気になっていた。カードを裏返しにすると、今度は漢字の署名が見えてしまうので、これも都合が悪い。Edyを利用する時は、いつも、カードの全面を手で覆っていた。

最近のカードは、エンボス加工が無くなっていて表面がツルっとしている(エンボス加工の分、カードが薄くなるのもうれしい)。クレジットの番号は、裏面に小さく印字されている。氏名は、表面に小さく印字されるが、これは、指で隠すことができる。また、クレジットのブランドは、違うものを選択できる。ということは、2枚目の「R」カードで、不便が解消できるではないか。

一方、クレジットカードで怖いのは紛失や盗用であるが、クレジットカードを定期的な支払いに利用していると紛失や盗用で利用停止にした場合、後始末が面倒である。使い分けができるというメリットを生かして、一枚を、公共料金やスマホ料金などの毎月支払いが必要なものに利用し、もう一枚を、ネットや街での買い物に利用するようにすれば、後者に紛失(持ち歩くので確率高い)や盗用があった場合に利用停止しても影響は少ない。

という訳で、2枚目のクレジットカードを申し込んでみた。申し込みは、「R」カードのWebサイトから、「追加」の手続きを行うだけで簡単である。本人確認の書類を送る必要もない。審査はあるが、一枚目を普段決済に利用していれば問題ないと思う。ただし、Edy機能の付帯には手数料(330円)が必要で、これは、後日、新しく作ったカードからしっかり引き落とされた。利用明細は、「R」カードのWebサイトから、表示されるカードを切り替えることで、今までと同様に確認できる。

 

 


令和4年度税制改正大綱は要注意

2022-01-03 12:42:47 | 日記

昨年(令和3年)の12月に発表された令和4年度税制改正大綱には、個人に大きな影響がある所得税関係の改悪が2点含まれている。一つは住宅ローン控除の改悪、もう一つは上場株式等の配当所得等の係る課税方式の改悪である。住宅ローン控除の改悪は、控除率を1%から0.7%に変更するというものであるが、住宅ローンは借りてないのでここでは触れない。

上場株式等の配当所得等の係る課税方式の改悪(課税方式の選択が不可になる)は、「高齢者イジメ」といって良い。それをこれから説明しよう。配当所得に関する課税方式は、(1)申告不要、(2)総合課税、(3)申告分離課税から選択できる。(1)申告不要は、源泉徴収して課税完了とするもので、国税が15%、地方税が5%の計20%が税金として徴収される。(2)総合課税は他の所得と合算して課税するもので、所得税の税率は累進税率になっていて、年金生活者の多くは、税率5%(所得が195万円まで)に該当するであろう。つまり、確定申告して(1)でなく(2)の方式を選択すると、税率15%が5%で済む。

しかしながら、これには落とし穴があって、確定申告時に選択した所得税の申告方式は、住民税の課税方式にそのまま適用されるため、所得税において総合課税を選択した場合、住民税も総合課税になる。この場合、税率は10%である。つまり、申告不要の源泉徴収では、5%であったものが10%になってしまうので損である。

高齢者には、もっと恐ろしい第二のワナがあって、配当所得は、総合課税にすると所得に含まれてしまう(申告不要にすれは含まれない)。そうすると、国民健康保険料と介護保険料は所得をもとに計算されているので、両方とも増えた所得の分アップすることになる(額は自治体によって異なるが、国民健康保険料では配当の10%位アップ。それだけではなく低所得者向けの保険料減額処置が受けられなくなることも)。

そこで、所得税は「総合課税」、住民税は「申告不要」を選択するとどうなるだろうか。所得税は税率5%、住民税は、源泉徴収で終了しているので5%、さらに、国民健康保険料と介護保険料に影響する所得に含まれない(つまりアップなし)。この方式が一番お得である。なお、住民税の「申告不要」を選択するには、所得税の確定申告後に自治体への申告(市民税)が必要である(令和2年度までは面倒と思いながら実際に申告してました。令和3年度は確定申告時に指定できるとの情報も(未確認なので自己責任でお願いします))。

【2022.2.3追記】e-taxで確定申告を実施しました。「住民税・事業税に関する事項」のところで、住民税の「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」を選択することができました。あとは、この選択が有効かどうかについて、各自の自治体のホームページ(住民税の項目)にて確認してください。

この課税方式の選択は、以前から可能であったらしいが、平成29年度から規定として、自治体に周知されはじめ、ホームページに掲載されたりして利用者が増えたらしい。そこで、税収が減ると問題視されはじめ、今回の税制改正で、課税方式の選択が不可になったという顛末である。周知しておいて禁止というのは、国民(特に高齢者)を愚弄しているのではないだろうか。

具体例を示しておきます。10万円の配当がある高齢者(所得195万円)の場合。

申告不要だと、配当への税金は源泉徴収2万円(所得税+住民税)で終了。国民健康保険料と介護保険料に影響なし。

総合課税だと、配当への所得税は0円(配当控除のため)。配当への住民税は7200円(配当控除あり)。国民健康保険料と介護保険料は配当分アップ。

所得税は総合課税、住民税は申告不要を選択すると、配当への所得税は0円、住民税は源泉徴収の5000円。国民健康保険料と介護保険料に影響なし。

どれが一番お得か分かりますね(細かいところは誤りがあるかもしれません。その時はご容赦ください)。

 

 


KT0936(DSPラジオ)の試作

2021-12-13 10:03:28 | 電子工作

KT0936MはKTマイクロ(中華)のDSPラジオである。AlixExpressで、1個当たり70-80円で売られているのを見つけたので買ってみた。FM、AM、SWが受信でき、音声はモノラルである。SiliconLabsのSi4825の競合製品の位置づけか。安価なポケットラジオ用のICである。SOP-16のパッケージなので、ハンダ付けも可能である。

特徴は、EEPROMを接続して、外部からの動作パラメータを設定できることである。電源ON時にEEPROMからデータを読み出し、内部レジスタに設定する仕様になっている。しかし動作の詳細は不明である。KT0936Mの自作記事があまりないのは、これが理由かなと思う。ただ、デフォールト値でも動作するので、EEPROMの接続は必須ではない。データシートの回路図にもEEPROMが接続されていないものが掲載されているので、今回はこれで試作することにした。

受信バンドの変更は、抵抗による分圧回路で行う。抵抗値が中途半端なので合わせるのが難しい。同調は、10KΩボリューム(可変抵抗)により、電圧を変化させて行うタイプである。なかなかクリティカルで、ラジオ局に合わせるのが難しいと感じた。同調表示のLEDを接続することができる。音量は固定である。スピーカーを鳴らすのは無理であるが、イヤホンなら十分であり、音質はクリアである。

AMの受信にはバーアンテナが必要であり、SWの受信は、トランジスタ1段の増幅回路が推奨、受信バンド切り替え用の抵抗が用意できない。ということで、今回はFM局の受信のみとした。Si4825の時のようにICが不良品ということはなく、ハンダ付けと組み立ては無事完了。クロック発振用のクリスタルとコンデンサは基板に直付けにしてある。こうすると配線の取り回しが楽になる。受信バンド切り替えの抵抗選択に試行錯誤(回路図は63.4Ω)したが、ローカルのFM局は受信確認できた。同調用の10KΩボリュームの接触が不安定だと受信も不安定になるので注意が必要。FMだけの試作であるが、受信バンド切り替え用の抵抗が用意できれば、安いのでお勧めかなと思う。


Bluetoothスピーカーの製作

2021-10-20 13:42:08 | 電子工作

百均ショップでは、Bluetoothスピーカー(モノラル)が500円位で売られている。通販では、2000円から3000円位で1レベル上の製品がある。その中味と思しきBluetoothレシーバーの基板がAliExpressで売られているので入手した。入手時は、リモコン付きで200円以下だったが、最近は基板も送料も高くなっていて、送料込みで、200円から300円前後している。あとは、スピーカーとボックス、電源用のUSBコードがあればBluetoothスピーカーが作れそうである。

スピーカーのボックスは、百均ショップにて、壁にピンで留めて飾り棚に使うような四角い箱を見つけたので、それを使うことにした。ただ、板が薄いので、オーディオ的にはダメである。スピーカーは、壊れた中華CDラジカセから外した3インチ径の物を使用した。8Ω、2Wの安物である。当然、低音は出ないので、スピーカーのボックスと似合いである。Bluetoothレシーバーの基板は、ステレオをサポートしているので、スピーカーは2個用意した。余談であるが、ラジカセの駆動部には、ゴムベルトが使われていて、10年も立つと、ゴムが伸びて、カセットテープが駆動できなくなる。そのため我が家の、カセットプレーヤーはすでに全滅している。交換用のゴムベルトは、ネットで購入できるが、交換には高度な分解が必要で、交換作業は困難であると思った方が良い。

一番苦労したのは、スピーカーを取り付けるバッフル板(今回は5mmのベニヤ板)の穴開けである。電動の糸鋸などは持っていないので、回し引きで開けたのであるが、錆びていて滑りが悪く、だましだまし2つの穴開けるのに2時間もかかってしまった。

入れ物が完成すれば、後は配線工事である。Bluetoothレシーバーの基板には、イヤホンジャックとスピーカー端子の両方があるので、スピーカー端子にスピーカーからの配線をハンダ付けする。基板にはネジ穴がないので、ボックスにマジックテープで貼り付けて固定している。電源は、リチウム電池が接続できるようになっているが、充電用のUSBのジャックがあるので、余っているスマホの充電用USBケーブルを接続すればよい。ここでは、基板側に電源端子があったので、USBケーブルから3端子レギュレータ(3.3V)を経由して接続している。以上で完成である。なお、スピーカーのバッフル板は、リモコン用の穴を開けた後、養生テープで仮止めしている。

スマホとペアリングして、radikoを再生してみる。低音は出ないが、中々クリアな音質である。十分実用になる。リモコンでは、音量の操作ができた。一人で聴くには、十分な音量である。実は高級なBluetoothスピーカー(「バッテリーあとxx%です」としゃべる)を所有してしているのであるが、充電が不要というのは結構メリットであると感じた。


幸福の木(パキラ)にキノコが生えた

2021-10-13 13:14:42 | 日記

10年以上も前に、子供が「幸福の木だよ」といって貰ってきたパキラ。10cm位しかなかったものが、何度か鉢を替えているうちに、枯れもせず、育ちに育って、2m近くになった。エアコンの吹き出し口の高さまで伸びている(写真)。「幸福の木」というと一般には「ドラセナ」らしいが、パキラには、金運がアップする風水効果があるらしい。威勢よく伸びている、人間の手ほどもある葉をみていると確かに金運を引き寄せそうである。

あまりにも伸びすぎるので、てっぺんの枝を切り詰めたことがあるが、1週間も立たないうち、余計に元気な芽が出てきて、あっという間に立派な葉になったので諦めた。

ある日、水やりで木の根元を見ると、キノコが生えていた。昨日はなかったのに、一晩で生えた?胞子はどこから来たのか。パキラの根元に生えるキノコということで名前を調べると、「コガネキヌカラカサタケ」というのがあるそう。似ているけど確信は持てない。どちらかというと綺麗で、毒キノコっぽいので抜いて捨てることにした(写真)。