RDA5807FPは、マイクロコントローラ(MCU)で制御するFM DSPラジオICであるが、接続によって、マイクロコントローラなしで動作(RDA7088相当)させることができることを知ったので確認してみた。
きっかけは、AliExpressなどで売られている(とても安価な)FMラジオのDIYキットにおいて、HEX3653の替わりにRDA5807FPが添付されているのを発見したことにある。HEX3653の互換品はRDA7088(データシート)である(どちらがオリジナルであるかは不明)。RDA5807FPのデータシートには、RDA7088モードで動作するとは書かれていない。しかしながら、RDA5807FPは、ピン6をVCC(つまりHIGH)に接続するとRDA7088として動作するのである。
まず、AliExpressから件のDIYキットを購入してみた。確かにRDA5807FPが添付されていた。ただ、このまま組み立てると壊しそうなので、ブレッドボード上にRDA7088相当の回路を構成し、組み込んでみた。なお、事前にピン6と他のGNDに接続するピン間に十分な抵抗値があることは確認済みである(でないと発火するので)。
ちゃんと動作したというが結果である。放送局のSEEK(探索)、ボリュームの増減がタクトスイッチ操作で可能である。また、RDA5807FPの受信品質は、ワイドFM含めて良好で、小型のスピーカーを十分に鳴らせることが分かった。
次に、このRDA5807FPが、マイクロコントローラ制御で動作するかを確認する必要があるが、これは、この後に組んだ回路(ピン6はGNDに接続)で確認済みである。
このRDA7088モードは、どうも「隠し仕様」であるらしい。なお、RDA7088は、RDA5807FPの検査不良品(例えばレジスタが設定できない等)であるかもしれないので、RDA5807FPとして動作する保証はない(念のため)。
件のDIYキットであるが、後日、RDA5807FPを別途購入(安かった)したので、それを組み込んで完成させた。タクトスイッチはケースに収めるため基板の裏側に付けた。なお、動作に必要な部品のみ実装している。