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プリント基板の制作を発注してみた(その1)

2024-01-29 19:47:02 | 電子工作

電子工作では、一般にブレッドボード上で試作評価してみて、結果が良ければ、ユニバーサル基板を使って実用版を製作する。ユニバーサル基板は配線の手間がかかって大変なのは承知であるが、多くは一品物なので、わざわざプリント基板を制作することはない。それにプリント基板の制作を発注には万円単位で費用がかると思っていた。

今回は、PCBWAYさんからお誘いがあったので、プリント基板の制作に挑戦してみることにした。費用についてはプロモーションなので補助があるとのことである。一応、ホームページで見積もりしてみた。5cmx7cmのサイズで2層の物は、なんと5$という結果になった。おまけに初めて登録(発注)する場合は5$のクーポンが貰える(結局、タダ?)。

プリント基板の制作は、全く初めて(昔、「エッチング」で製作したことはある)なので、まず、ツールと手順を調べてみた。大まかにいうと、KiCaDというツール(無料で使える)で、配線図を作成し、プリント基板のパターンを設計、それをガーバー(gerber)データにして発注先に渡せば(アップロードする)良いということが分かった。この手順については、こちらに懇切丁寧な記事がある。

現在、KiCaDの最新はV7であるが、より安定しているV6をダウンロードして使い始めた。しかし、前記の記事はV5対応なので、色々と変わっている上に、たまに固まってしまうのであきらめて、V5に変更した。最初に行うのは配線図の作成である。色々パーツ(コンデンサ、抵抗、IC、ピンヘッダーなど)が用意してありそれを並べて、それらの間を配線するという作業であるが、KiCaDは結構クセのあるツールで、作図の操作を会得するまで2日を要した。コツは、どんな部品が用意されているか事前に調べておくこと。作業が早く済む。部品の選択を誤り、やり直しが何度か生じた。

今回は、以前のブログの記事である「週間スケジュール可能なDSPラジオ」をプリント基板化することにした。配線図は以下のようになった。特徴は、I2Cで接続するOLED表示装置とSPIで接続する丸形カラーLCDの両方に対応することである。

KiCadでは、配線図を作成する時に各パーツのプロパティに対して「フットプリント」を定義する。「フットプリント」は、プリント基板上でパーツの実サイズと穴(足)の位置を示している。パーツをプリント基板に取り付ける時に、ピッタリ合わなければいけないので極めて重要である。例えば、U2のXIAO_ESP32C3はメーカーがKiCad用の「フットプリント」を提供している。ただし、KiCad V6用で、今回のV5には取り込めなかった。その際、新規に「フットプリント」を作成するには「フットプリントエディタ」を使用する。今回はサイズとピンの数が同じICの「フットプリント」を流用した。U1のRDA5807については、変換基板を利用するので、サイズ、ピンの数とも合致するDIP ICの「フットプリント」を流用した。

配線図と「フットプリント」が揃ったところで、「ネットリスト」の生成を行う。この「ネットリスト」を「PCBレイアウトエディタ」に取り込むと、「蜘蛛の巣に取り込まれた獲物」の様な「部品が配線によって搦めとられた塊」が現れる。それをほぐすと以下のようになる。

「PCBレイアウトエディタ」上でパーツの配置を決め、プリントパターンを作成する。上のパーツを繋いでいる白い線(配線)は、プリントパータンが出来上がるにつれて消えていく。最終的に、配置は以下のようになった。

左上の赤い十字は基準点((50,50)に設定)である。次のステップは、いよいよプリントパターンの設計である(その2に続く)。