もともと大津出張ついでに延泊した目的は、大阪松竹座での歌舞伎を見るためだった。
「関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念 七月大歌舞伎」とたいそうなサブタイトルのつく今月の松竹座。偶然にも私が未見の演目が並ぶ。しかも仁左衛門さん主演。この機会を活かさずして歌舞伎ファンといえるだろうか(いや、言えない)。
せっかくなら着物をと、出発直前まで迷ったが断念。出張前夜に慌て支度したものだから、着物にまで頭が回らなかったのがホントのところ。また、過去に松竹座に出かけた経験から着物率はそれほど高くないだろうとふんでいたのだ。しかし、完全に予想は外れた。特に若い人(私の年代以下ぐらい(^^;))中心に、結構着物の人が多かったのだ。
中でも印象的だったのは、私の席近くにいた紫系紋紗の人と、売店で見かけた藍地に小さな柄の紗の着物の人。素敵だなと思ったポイントは、①濃色に帯や足袋、半襟の白のコントラストが涼しげだったこと。②髪をぴちっとまとめてきりっとした風情があること。③着付けがきれいだったこと。
こうして見ると、私の好みって、キチンとしていることに集約されているようだ。
しかもこのお二人、一人で見にいらしている様子の本気の歌舞伎ファン。勝手ながらおなじ歌舞伎ファンとしてますます気になりましたわ。
全然、別のテイストで印象的だった人もいた。二人でコスプレ?といったお揃いの着物を着た女の子2人。着物は白地に黒の模様のカジュアルな小紋。でもディテールはそれぞれ微妙に異なっていて、片方は帯にビーズの飾りをつけていたり、片方は黒柳徹子のような玉ねぎ頭だったり。でもそれほどいやな気分にならなかったのは、着付けそのものは崩すことなくきちんとしていたから。何より、デコラティブながら着物そのものを楽しんでいるのが伝わってきたから。
ただ、同じ「着物を楽しむ」でも、街で見かけた浴衣ギャルの姿には、ちと疑問が。
この日、道頓堀から心斎橋浴衣比率が異常に高く、何事かと思ったら大阪の天神祭。
ほー、若者が浴衣で祭りを楽しむったーいいことだとほほえましく思っていたのだが!
なんだこりゃ?と思う着姿に遭遇。
うーん、あの姿は「姫系」というのだろうか?
特徴的なのは盛り上げたヘアスタイル(ヘアピースのフル活用)。もちろんメイクはエクステからばっちりのフルメイク。襟は思い切り大きく抜き、裾丈は短め。帯は普通の兵児帯にチュールのふわっとした飾り(帯?)を重ねていたり…。いずれにしても全体がかなりデコラティブ。思わず「コスプレ?」とつぶやいてしまった。
浴衣をおしゃれとして楽しんでいるのはいい。「姫系」というのも個人の嗜好だから別の文句は言わん。しかし…
傍で見ている人間が、暑苦しく感じさせるスタイルはやめてほしい。
見た目でボリュームを厚くするというのは、それだけで暑さを感じるのだ。せめてどこかに抜けがあるとよかったのだが…。
夏の着物姿(浴衣含む)を涼しく見せるには、「きちんと」と「ボリューム」が鍵となる。そんなことを改めて認識した大阪の経験だった。
▼記憶をたどって絵にしてみた。稚拙ながら…
歌舞伎の演目と感想は次の通り。
一、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
三笠山御殿
→孝太郎演じるお三輪は愛らしく、女房達もユーモアたっぷり。ただ、こういう弱者がいたぶられた挙句、報われることがないという話はあまり好きではない。そのせいか、もう一つ熱中できなかった。
二、大原女(おはらめ)
国入奴(くにいりやっこ)
→翫雀が前半は女性、後半は奴と早変わりを挟んで踊る。前半は後半の奴の衣装の上に大原女の衣装を着込んでいるのでえらく太って見える。踊るのも困難だと思うが、それを感じさせず、可愛らしい風情をかもし出していたのに拍手。
三、元禄忠臣蔵
御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)
→女性は大好きだけど、どこか爽やか。もちろん男の色気たっぷり・・・こんな役を演じさせたら仁左衛門さんの右に出る人はいませんな。「御家再興より仇討ちを」というのが武士としての考え方。滅びを自覚しながらも意地を通さずにいられないものの美学を訴える演目。きらいじゃないが、真山青果はちょっと理屈っぽいね。
「関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念 七月大歌舞伎」とたいそうなサブタイトルのつく今月の松竹座。偶然にも私が未見の演目が並ぶ。しかも仁左衛門さん主演。この機会を活かさずして歌舞伎ファンといえるだろうか(いや、言えない)。
せっかくなら着物をと、出発直前まで迷ったが断念。出張前夜に慌て支度したものだから、着物にまで頭が回らなかったのがホントのところ。また、過去に松竹座に出かけた経験から着物率はそれほど高くないだろうとふんでいたのだ。しかし、完全に予想は外れた。特に若い人(私の年代以下ぐらい(^^;))中心に、結構着物の人が多かったのだ。
中でも印象的だったのは、私の席近くにいた紫系紋紗の人と、売店で見かけた藍地に小さな柄の紗の着物の人。素敵だなと思ったポイントは、①濃色に帯や足袋、半襟の白のコントラストが涼しげだったこと。②髪をぴちっとまとめてきりっとした風情があること。③着付けがきれいだったこと。
こうして見ると、私の好みって、キチンとしていることに集約されているようだ。
しかもこのお二人、一人で見にいらしている様子の本気の歌舞伎ファン。勝手ながらおなじ歌舞伎ファンとしてますます気になりましたわ。
全然、別のテイストで印象的だった人もいた。二人でコスプレ?といったお揃いの着物を着た女の子2人。着物は白地に黒の模様のカジュアルな小紋。でもディテールはそれぞれ微妙に異なっていて、片方は帯にビーズの飾りをつけていたり、片方は黒柳徹子のような玉ねぎ頭だったり。でもそれほどいやな気分にならなかったのは、着付けそのものは崩すことなくきちんとしていたから。何より、デコラティブながら着物そのものを楽しんでいるのが伝わってきたから。
ただ、同じ「着物を楽しむ」でも、街で見かけた浴衣ギャルの姿には、ちと疑問が。
この日、道頓堀から心斎橋浴衣比率が異常に高く、何事かと思ったら大阪の天神祭。
ほー、若者が浴衣で祭りを楽しむったーいいことだとほほえましく思っていたのだが!
なんだこりゃ?と思う着姿に遭遇。
うーん、あの姿は「姫系」というのだろうか?
特徴的なのは盛り上げたヘアスタイル(ヘアピースのフル活用)。もちろんメイクはエクステからばっちりのフルメイク。襟は思い切り大きく抜き、裾丈は短め。帯は普通の兵児帯にチュールのふわっとした飾り(帯?)を重ねていたり…。いずれにしても全体がかなりデコラティブ。思わず「コスプレ?」とつぶやいてしまった。
浴衣をおしゃれとして楽しんでいるのはいい。「姫系」というのも個人の嗜好だから別の文句は言わん。しかし…
傍で見ている人間が、暑苦しく感じさせるスタイルはやめてほしい。
見た目でボリュームを厚くするというのは、それだけで暑さを感じるのだ。せめてどこかに抜けがあるとよかったのだが…。
夏の着物姿(浴衣含む)を涼しく見せるには、「きちんと」と「ボリューム」が鍵となる。そんなことを改めて認識した大阪の経験だった。
▼記憶をたどって絵にしてみた。稚拙ながら…
歌舞伎の演目と感想は次の通り。
一、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
三笠山御殿
→孝太郎演じるお三輪は愛らしく、女房達もユーモアたっぷり。ただ、こういう弱者がいたぶられた挙句、報われることがないという話はあまり好きではない。そのせいか、もう一つ熱中できなかった。
二、大原女(おはらめ)
国入奴(くにいりやっこ)
→翫雀が前半は女性、後半は奴と早変わりを挟んで踊る。前半は後半の奴の衣装の上に大原女の衣装を着込んでいるのでえらく太って見える。踊るのも困難だと思うが、それを感じさせず、可愛らしい風情をかもし出していたのに拍手。
三、元禄忠臣蔵
御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)
→女性は大好きだけど、どこか爽やか。もちろん男の色気たっぷり・・・こんな役を演じさせたら仁左衛門さんの右に出る人はいませんな。「御家再興より仇討ちを」というのが武士としての考え方。滅びを自覚しながらも意地を通さずにいられないものの美学を訴える演目。きらいじゃないが、真山青果はちょっと理屈っぽいね。
相変わらず、捉え方が上手やね (^.^)b
大阪という土地柄もあるのか、個性豊かな着物姿の方がいらっしゃったのかね???
まっ、東京でも見かけるかぁ (^o^;
それしても、よく伝わりました (^。^)
妹背山婦女庭訓って、所謂 歌舞伎のロミジュリと云われてるんだよね???
あれっ、違ったっけ???
この三作品は有名な作品やから、観甲斐があったね (*^^)v
仁左さま見られて羨ましいです~(身悶え)
>傍で見ている人間が、暑苦しく感じさせるスタイルはやめてほしい
これですよね、まさに。おかしな着方でもかっこ良ければいいんです。暑苦しいのはNGっすよ。
着物における上方パワー恐るべし。今日は隅田川の花火大会だけど、東京ではあれほどデコラティブな人は見かけないなあ。渋谷とかにはいるのかもしれないけど…。
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&id=1294220
着物というより、ファッションの一環なのでしょうね。