ハワイのダイヤモンドヘッドをバックに、有松絞りの浴衣を着て微笑む私。しかしここに到るまで、なかなかの苦労があった。
ひさしぶりに夫とハワイ旅行に出かけることにした今夏。旅立つ前から、日頃の私の着物へのヒートアップぶりを懸念している夫から「まさかハワイで着物なんて着ないよな。もって行くなよ」と釘を刺されていた。まー、確かにかさばって荷物になるし・・・と当初は私もそのとおりにするつもりだったのだが。
数えてみると、夏着物を着られる回数はあとわずか。それなのにまだ、せっかく買った有松絞りの浴衣を着ていない!となると、やっぱりハワイ旅行で着るしかないのでは?
というわけで、ひそかに浴衣をスーツケースにしのばせてハワイに向けて出発したのだった。
慣れない異国の土地で和服を着るとなると、できればあまり遠出はしたくないから、着用のターゲットは、ホテル内レストランに行く日とした。かつ、半襟をつけるとはいえもとは浴衣ということを踏まえ、メインダイニングではなくカジュアル系レストランに行くほうに狙いを定めた。
実際に着用してしまうまで、夫に気づかれないよう作戦が必要だった。持っていっても、支度に時間がかかるとか恥ずかしいとか、夫がいやがって止めに入ることが予測される。できればそんなトラブルは避けたいから、夫の気づかない間に着ちゃいたい。先にシャワーを浴びてもらい、その間に着替える。当日、作戦は途中までは順調だった。
夫をシャワールームに送り出した後、着用する準備を整えてみる。ああ、なんってこった。当の有松絞り、半幅帯、足袋、半襦袢などはちゃんとそろえてきた。それなのに肝心の着用小物、特に紐類をすっかり忘れてきてしまったのである。
シャワーの水音を聞きながら、代用のものがないかあわてて探す私。おはしょりをあげる腰紐は絶対必要。有松の胸元をを上から押さえる伊達締めに代わる紐もほしいから必要なのは二本。絶体絶命。
なかば諦めたとき、半襦袢に紐がついているのが目に付いた。その紐を体に回して前で縛って着るタイプのものだったのだ。ウェルカムフルーツについていたナイフで、その紐を綴じている糸を切って、紐を外す。それをつないで腰紐にする。半襦袢は安全ピンで留めた。
<左が紐をとってしまった半襦袢。右が紐を取った後の縫い目>
あとは胸元を押さえるひもだが・・・。目に付いたのが、むくみ防止用靴下メディキュット。これを両足分つないがらひもにならないか?いやちょっと長さが足りない・・・。
と考えたとき思いついたのがストッキング。以前どこかで、伸縮性があるから腰紐の代わりになるというのを読んだことがあったのだ。
実際にストッキングを使ってみると、確かに伸縮性はいいのだけれど、結び目が大きくなってごろごろしてしまう。そこは目立たないよう脇のほうにして、なんとか着付け完了。実は半幅帯の結び方はなれていなくて、当初考えていた矢の字は作れず、ちょうちょ結びを適当にアレンジしてごまかしている。
泥縄式着付けを終えたそのとき、夫がシャワーから出てきた。その驚いたこと・・・。
でも結局、文句はいわず、(ほめもしなかったけど)一緒にレストランに出かけてくれた。着てしまったから諦めざるを得なかったのかもしれない。
レストランのスタッフが、着物にあんまり反応しなかったのが、ちょっと残念。意外に見慣れているのかもしれない?
<料理も美味でしたー!名物カフクシュリンプを前に>
いやしかしよく咄嗟に色々思いつきましたね~。
ご主人のシャワーの音をバックに果物ナイフで紐を切っている姿を想像すると、女スパイっぽいです、笑
自分でもよく考え付いたと思います。まさに執念ですね。ナイフが意外によく切れて助かりました。工作員の才能、あるかしら?
記事を読んでいる私が 汗だくになりそぅなトピックスだったね (;^_^A
人間、究極に陥ると 何でも出来ちゃうのね (^.^)b
旦那さんの唖然としたなさった姿も 可笑しく想像しちゃいました (^^ゞ
ハワイには日系の方が多いから、見慣れていらっしゃるのかもね ┐(´ー`)┌
そう、火事場の馬鹿力ってやつです。よく考えるとそもそもそんな力発揮しなくてはならない状況に陥るのがまずい。
まあ、出発前日の夜から準備を始めりゃ、何かわすれるわな…。
柄行がダイナミックで、ハワイのおおらかさと合っているような…素敵です。ご主人さまも内心嬉しかったのでは?
無事着られたからよかったですが、もし断念していたら、夫からはきっと「余計なもの持ってきて!」と怒られたでしょう。それが予想されたので、意地でも着たかったのでした。夫には着物で散々迷惑かけているので、嬉しいってことは多分ないと思います・・・。
着用した時、箱に表示されている着圧とは違う圧力を足に掛け、足首や足の甲が痛くなるケースが多いです。
お勧めはARCOS(http://www.arcosjapan.com/index.php?main_page=product_info&cPath=2&products_id=19)とJOBST(http://www.terumo.co.jp/healthcare/products_jobst/power.html)の製品です。
医療機器メーカーの製品で実際に国内の病院で使われているものです。
私はARCOSのリカバリーソックスを履いていますが、メディキュットより履き心地の良くて、さすがイタリア製と思いました。これ本当にお勧めします。
ARCOSって、初耳でした。お詳しいのですね。イタリア製と聞くだけで良さそうな気がしてくるイタリア好きな私です。