アトリエ 籠れ美

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平成27(2015)年5月4日より

〈重要〉P8号制作記その3

2021-06-07 03:00:00 | 絵画制作記、スケッチ記、版画制作記
 先週の水曜、6月2日に予定通り制作しました。

 結局のところ、今までの描き方と具体的に何が違うのかというと、私が油絵を描く上で守ってきた、2、3の約束事は、実は、制作過程のどの段階に入れてもいい(あまり制作の終盤だとまずいんですが)と気づきました。

 で、その結果、かなり自由に(ある意味、いい加減に)描けることになりました。具体的には、まるで紙に鉛筆や木炭でデッサンするような気楽さがあり、自由な筆遣いが可能になったということなんです。

 ですから、今回のこのP8号の制作手順が絶対というわけではなく、いくらでも描き方、つまり描く手順は変更可能だということなんです。


 自分は絵が下手だと、油絵を描くのが下手なんだから、自分で編み出した油絵制作手順を厳密に守らないといけないと思い込んでました。そして実際、それで自分の望む色調の絵が描けていたわけですから、何ら問題はなかったわけです。

 「制約の中にこそ自由がある」という言い方がありますが、実際、私はそれはその通りだと思うんですが、その制約が不自由さになっていると最近気づきました。

 正確には「私が守らなければならない油絵制作上の2、3の約束事」こそが「制約」なのであって、その約束事を「制作過程のどの段階に入れるか」までは「制約に含まれていかなった」というわけなんです(ちょっとややこしい話ですが)。


 それが真相だったんです。もちろん、その2、3の約束事というのは、あくまで私が油絵を描く上でのことであって、他人には全く関係ありません(他の人には他の人の油絵制作の方法があります)。

 今までも自由に描いてきたといえば描いてきたんですが、あまりに厳密すぎて、正直、ストレスになることも多々ありました。具体的に言うと、画面の一部のちょっととした修正にも時間がかかりすぎたのです。

 自分の求める色調のため、絵具層の重ね方に細心の注意を払うのはいいんですが、そこまで頑なに守らんでも同様の効果が得られるとわかりました。


 そうしたことの確認を、このP8号で試しているわけです。ですから、どうやってもいいとなると却って迷うもんで、どうしようかなあと。

 特に次回の制作から更に自由度は増すばかりで、よくよく考えてから着手しないと、厚みが足りなかったり、自分が思っているよりも明るい画面になったりしがちです。

 明後日に描くわけですが、ちょっと楽しみです。


 付)今回の記事のように、自分の考えを言葉で書くと大袈裟になってしまいます(どうしても言葉で説明しようとすると小難しくなりがちです)。

 注)油絵用語を使って一言で説明すると「インプリマトゥーラの段階はもっと遅くしても一向に構わないと気づいた」ということになりますか。

 蛇足)その割には、今まで大したことない油絵ばかり、というご意見には、御尤も、とお答えしておきますが、問題は他人様ではなく、自分が納得できるかどうか、なんですヨ。

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