「教えて!goo」という質問&回答サイトで「発音の下手な教師は教壇に立たせるな?」という質問を投稿している人がいました。はっきり言って、的外れな見解です。
中学・高校の英語教員の能力については、マスコミで散々批判されてきました。たとえば、英語教育実施状況調査において、英検準1級程度以上を取得している教員の割合は中学で38.1%、高校では72.0%だったとか。
「TOEIC L&Rで730点未満の教師は教壇に立たせるな」という意見なら、その是非はともかく、判定基準は明確です。725点の人は授業ができないことになります。「英検準1級に合格していない者を教員として採用するな」という意見なら、教職員募集の書類審査の段階で、基準に満たない者を落とすことができます。
しかし、「発音が下手」をどのように判断すれば良いのでしょうか。現時点では客観的・定量的な基準がないでしょう。あえて評価するとすれば、英語発音練習アプリを使うことが可能です。しかし、どのアプリを公式採用すべきか、「発音下手」の基準をどのように設定するかを考えると、現実的には無理でしょう。
ところで、世界保健機関のTedros Adhanom Ghebreyesus(テドロス・アダノム・ゲブレイェスス)事務局長は自主隔離に入っているそうです。昨夜、新型コロナウイルス検査で陽性になった人物と接触していたことが判明したというのが理由ですが、現時点でテドロス氏本人は無症状だということです。
上のYouTube動画を視聴すれば分かりますが、テドロス氏の英語発音はお世辞にも良いとは言えません。イギリスのノッティンガム大学で地域保健学(community health)の博士号を取得していますが、エチオピア出身なので、ちょっと話を聞いただけで英語母語話者ではないと分かります。
英語の発音が下手な者はWHOで働かせるな!
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政治家がこんな事をつぶやくと、そのTwitterが炎上しますよ。ちなみに、新型コロナウイルス対策において、テドロス氏を無能呼ばわりする人が少なくありません。批判的な論調をよく見かけますが、その原因のひとつは彼の人種的背景や英語発音にあるのではないかと以前から思っています。もし、現WHO事務局長がアメリカの白人女性だったら、WHOの印象がかなり違っていたのではないでしょうか?