酒田は10年前の今日とそれほど変わりのない一日だと思う
笑っている人がいる
買い物をしている人
散歩している人
走っている人
10年前の今日
私はここにいなくて
アユの近くにいた。
近くなのに
顔を見る事も抱きしめる事も
手を握る事さえ出来なくて…
永遠に会う事が出来なくなった。
無念だった。
それ以外の言葉はない。
ゆく君の握り拳が震えていて
爆発するんじゃないかと思う位
力がこもってた。
私は…
現実だと思えなくて
現実の出来事より遥かに遠い出来事で
何が本当の事なのか
わからなかった。
全部現実なのに
全部ウソだったらいいと
今も思う。
アユが火葬されて10年
アユに会えなくなって10年と数ヶ月
ただアユの後ろ姿を追いかける。
会いたい
抱きしめてたい