もうすぐ、卒業式のシーズン。
なので、今回は時節柄、それにちなんだものを。
巷では卒業式を題材にした歌は多い。
卒業式というのは「別れ」の式であるし、卒業式の時期は「別れ」の時期でもある。
「別れ」というものは、人は色々な思いを持つものである。
「別れ」で縁や付き合いが切れて喜ぶ場合もあるが、寂しさを持つ場合も多い。
その寂しさは、悲しみを伴うものであったりもする。
卒業式というのは、別れでもあると同時に、次のステージの始まりでもある。
だから、別れの寂しさと、始まりの期待感が入り混じる、特別な時期であったりもする。
そんな時期というものは、歌の題材としても格好の題材になる。
それゆえ、卒業式を題材にした歌は、昔も今も多いのだろう。
数が多いと、有名な曲もあれば、埋もれてしまった曲もある。
今回取りあげるのは、私にとっては「埋もれてしまっているように思える卒業ソング」の一つだ。
タイトルは「グラジュエイション」。歌手は倉田まり子さん。
倉田さんはアイドルとしてデビューしたので、この曲はアイドルソングの一つということになるのだろう。
1979年の1月に発売された、彼女のデビュー曲がこれだ。
清楚で品のあるルックスだったし、順調に行けばスター街道を歩んでいくことになったことだろう。
だが、思わぬトラブルに巻き込まれ、芸能界というステージからは引退せざるをえない状況に追い込まれてしまった。
その時のトラブルの推移をここでむしかえずつもりはないが、後で知ったことによると、むしろ倉田さんは被害者だったようだ。
彼女に非はなかったと思うし、それによってアイドルとしての将来を周りから潰されてしまったのだから、気の毒でならない。
だが、なんにせよトラブルで芸能界を去るはめになったことは事実。さぞかし無念だったことだろうし、複雑な思いもあったことだろう。
デビュー曲として歌っていた「グラジュエイション」という曲は、1アイドルのデビュー曲として埋もれてしまっているように思える。
だが、この曲、隠れた名曲なのではないかと私は思っている。ともかく、サビが素晴らしい。
このサビを聴くと、埋もれさせておくのがもったいない曲だと思う。
歌詞の中に「グラジュエイションデイ」という言葉が出てくるし、歌詞の内容といい、またタイトルが「グラジュエイション」であることといい、、まさに卒業式ソングだ。
当時私は熱心な倉田まり子さんファンだったというほどではなかったので(かといって、嫌いというわけでもなかった)、この曲を歌っていたのが倉田さんであることは、記憶に残っていなかった。
ただ、この曲のサビは心に残っていたし、良い曲だなとも思っていた。
特にサビの「グラジュエイションデ~イ~」と歌いあげるあたりは、強く私の琴線に残っていた。
今聴いても、このサビのメロディラインは好きだ。
この記事を書くにあたって、改めてこの曲を調べてみようと思い、あれこれ検索して、この曲を歌っていたのは倉田さんだったということに気付いた次第である。
この曲は私はてっきり、当時ニューミュージックと呼ばれたジャンルで出てきた、女性シンガーソングライターの曲だとばかり思っていた。
そうしたら、アイドルの曲だったとは、自分の中では少し意外。
なんにせよ、良い曲は良い。
卒業式の時期に、壮大なストリングスをバックにしたアレンジで、今のシンガーが歌いあげる感じでカバーしても、今でも十分いける曲なのではないかなあ。
そして、壮大なストリングスには、効果的に鐘の音なんかもからませれば、けっこう感動的な曲になると思う。
なんか、埋もれてしまっているのが、もったいない。
ちなみに、倉田まり子さんは、今ではキャリアカウンセラーとして、坪田まり子さんという名義で(これが本名なのだろう)、しっかり活躍されているようだ。
彼女にとって芸能界の記憶が良い記憶なのか、あるいは辛い記憶なのか、どんなものなのかはわからない。
誤解で芸能界を去るはめになった印象があるし、色々複雑な思いもあっただろうし、言いたいこともあったことだろう。
でも、そんな時期や過去を乗り越え、キャリアカウンセラーとして活躍されてる今の姿はまぶしいぐらいだ。
アイドル時代を完全に凌駕している。まり子さんの努力の賜物なのだろう。
倉田まり子さんにとってアイドル時代がどういう時期であったにせよ、ひとつだけ言えることは、倉田さんはアイドル時代に、今のJ-ポップの卒業ソングにひけをとらないぐらいの卒業ソングの名曲を歌っていた・・ということは確かだと私は思っている。
この曲の復権を願ってやまない。
そして、まり子さんの今後の更なる活躍を、遠くから願っていたい。
https://www.youtube.com/watch?v=1BlwvqYuwXQ
よく間違えられます。
時間の外にようこそ。
ご指摘ありがとうございます。
訂正しておきました。