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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

シングル曲とアルバム収録曲を分ける?

2021年03月19日 | 音楽全般

今でこそ、シングルヒット曲はアルバムにも収録されるのが当たり前になっているが、かつてそういう戦略をとらないミュージシャンがいた。

そのミュージシャンの登場する前の時代のアルバムは、アルバムにはまずシングルヒットを収録し、それを軸に、あとはカバー曲を入れたりしてアルバム内の枠を埋め、アルバムとして売る・・・そんな戦略が一般的だった。

そんな時に、せっかくのシングルヒットをアルバムには収録せず、シングル曲はアルバム曲とは別物・・・そんな戦略をとったミュージシャンが現れた。

例えばそれは初期のビートルズ。

 

もちろん、中期以後になるとシングルをアルバムに収録するようにはなったのだが。

 

初期のビートルズの曲のシングルの中には、アルバムにも収録されていた曲もあったが、シングルでしか買えないシングルヒットも多かった。

例えば「抱きしめたい」「シーラブズユー」「フロムミートゥーユー」など。これらなど、相当なビッグヒット曲であった。

でも、当時のオリジナルアルバムには収録されなかった。

中期ごろ、それまでビートルズのベストヒットアルバムがなかったので、おそらくレコード会社の思惑で「初期のビートルズのヒット曲」を集めたベストアルバム的アルバム「オールディーズ」が企画もの的に制作され、上記の曲は晴れて収録されたのだが。

 

今では、赤盤や青盤や「パストマスターズ」などのアルバムに収録されているが、初期ビートルズのリアルタイム活動時にはシングルでしか入手できなかったヒット曲はけっこうあったのは事実だ。

 

「抱きしめたい」「シーラブズユー」あたりなど、当時のビートルズを代表するほどのヒット曲であったはず。

これらの強力曲をアルバムに入れないなんて、今考えるともったいないぐらいに思える。

どちらもアルバムに入っていたら、アルバムの看板曲・目玉曲にだってなったはずだ。

シングルを買ってくれた人がアルバムを買って、曲が重複しないように・・という配慮というか、戦略だったのだろう。

これならシングルもアルバムもどちらも買ってもらえる・・みたいな。

また、当時の彼らには、それほどの大ヒット曲を外しても、アルバムには充実した曲を入れられるという自信もあったのだろう。

また、実際に彼らはそれが出来た。それほどの才能があったということだ。

今考えると、もったいないというか、凄すぎるというか。

 

私がビートルズに熱中したのは、解散してから。

私がビートルズに本格的に目覚めた時には、とうにビートルズは解散していたからだ。

 

だが、後追いで、ビートルズの上記のようなシングルとアルバムを分けた戦略を知った時、妙にかっこよく思えた。

それほどの才能の持ち主だったということと、シングルを買ったファンがアルバムを買った時に曲が重複しないようにという戦略も。

 

上記のような、大ヒットしたにもかかわらず、正式のアルバムには収録されなかった曲は、ビートルズにはいくつもある。

なので、案外、アルバム単位でビートルズのアルバムを集めて聴いてた人の中には、アルバムに収録されなかったシングル曲は、それが有名な曲であっても「案外持っていない」という人もいたと思う。

 

今の戦略から言うとちょっと考えれらないような話だが、実は日本でもそういう戦略をある程度やっていたミュージシャンもいた。

きっと、ビートルズの戦略に影響を受けたか、あるいはかっこいいと思ったのではないか。

日本でそういう戦略をとったことがあったのは、例えば吉田拓郎さんや井上陽水さんなどがそうだ。

もちろん、ヒット曲すべてをそうしていたのではない。

だが、シングルカットした曲をオリジナルアルバムには収録しなかった曲も確かにあった。

 

 

例えば、拓郎さんの「おきざりにした悲しみは」「金曜日の朝」、陽水さんの「夢の中へ」「闇夜の国から」などがそう。

 

拓郎さんの「おきざりにした悲しみは」は、シングル「旅の宿」の後に出たシングルだった。

なので、時期的には「伽草子」というアルバムなどには収録されてもおかしくなかった。

下手したら時期的には「旅の宿」が入っていた「元気です」というアルバムに入っていてもおかしくなかったかもしれない。

「金曜日の朝」などは私はかなりのお気に入り曲だったのだが、時期的にはアルバム「伽草子」か「ライブ73」あたりに入っていてもおかしくなかった曲だったと思う。

でも、入っていなかった。

 

アルバム「伽草子」はあの超名作「元気です」の後に出たアルバムだったので、それなりに拓郎さんにはプレッシャーもあったような気もしたし、当時の評判としては「元気です」より落ちる・・みたいな評価が多かった。なので、もしも「金曜日の朝」や「おきざりにした悲しみは」が「伽草子」に収録されていたら、また違った「当時の評価」もあったように思える。

 

 

陽水さんのシングル「夢の中へ」は、時期的にはシングル「心もよう」の前に出たシングルだった。陽水さんが一般的に大ブレークした起爆剤になった大ヒット曲。

当時の陽水さんのアルバムとしては「ライブ・もどり道」か「氷の世界」があった。

ライブ盤はともかく、正規のスタジオアルバム「氷の世界」に収録されてもおかしくなかったタイミングだったと思う。

でも、入っていなかった。シングルのみでの発売だった。

アルバム「氷の世界」はすさまじい売り上げを記録し、陽水さんの地位を不動にした超名作アルバム。

もしも「氷の世界」に更に「夢の中へ」が収録されていたら、アルバム「氷の世界」はどうなっただろう。さらに手がつけられない売り上げになった可能性もある。

シングル大ヒット曲「心もよう」と「夢の中へ」が同時収録されたことになるのだから。

 

陽水さんのシングル「闇夜の国から」は、大ヒットシングル「心もよう」の後に出たシングル。

「心もよう」ほどの売り上げにはならなかったが、陽水ブームがピークの頃だったので、それなりに注目は浴びたと思う。

アルバム「氷の世界」か、もしくは少なくてもその次のアルバム「二色の独楽」に収録されててもタイミング的にはおかしくなかった。

でも、「氷の世界」にも「二色の独楽」にも収録されなかった。

アルバム「二色の独楽」は、名作「氷の世界」の後のアルバムだったので、「元気です」の後の拓郎さんのように、陽水さんもプレッシャーはあったように思える。

実際前作「氷の世界」があまりに凄すぎたため、その後のアルバム「二色の独楽」は当時少し過小評価されていた印象があった。

もしも、「闇夜の国から」が「二色の独楽」に収録されていたら、アルバムの印象は多少変わっていたのではないか。そう思えてならない。

 

 

ここまで拓郎さんや陽水さんの「アルバムに収録されなかったシングルヒット」曲に書いてきたが、これまで書いてきたのはどれもシングルのA面曲だった。

だが、・・特に拓郎さんにはシングルのB面にも優れた曲はあった。

 

当時の正規のアルバムに収録されなかったシングルB面曲の名曲としては、拓郎さんの「おやじの唄」「花酔曲」「竜飛崎」などか。

「おやじの唄」はコアなファンの間で人気の高い曲だし、「花酔曲」はメロディラインを拓郎さん自身気に入ってた曲だったと思うし、「竜飛崎」に至ってはシングルA面だった「シンシア」以上の評価もあったぐらいだった。私自身大好きだったし影響も大きくうけ、その○年後に私は実際に青森の竜飛岬に旅行したぐらいだ。

私が竜飛岬に旅したのは、拓郎さんの「竜飛崎」の影響だった。

 

陽水さんの場合は私はシングルは持っていないので、B面曲に関してはなんともいえないのだが、少なくても前述の「夢の中へ」が正式アルバムに収録されなかったというのは印象度が大きかった。

 

シングルでのみ入手できる名曲の数・・という意味では、拓郎さんのほうが多かったはず。

 

また、拓郎さんのアルバム「元気です」に、あの大ヒットシングル「旅の宿」は収録はされてはいたのだが、アルバムバージョンとシングルバージョンは、アレンジが違った。

アルバムバージョンは「弾き語り」のシンプルなバージョンだったが、シングルバージョンはマンドリンなども入ってくるシングルヒットらしいアレンジになっていた。

そう、同じ曲でも、シングルとアルバムでは別バージョンだったりする・・というひねりがあった。

 

この日記の冒頭にビートルズの「シングル曲とアルバム曲は別もの」という戦略を書いたが、拓郎さんや陽水さんの上記の姿勢には、どこかビートルズの戦略に通じる心意気を感じ、かっこよく思えた。

 

もちろん、「あのシングル曲はアルバムにも入っているものと思ってアルバムを買ったのに、入ってなかった」・・・と考えるファンもいたはず。まあ、その気持ちもわかる。

そうなるとアルバムとは別に、シングルを新たに買わないといけなくなるからね。

 

でも、その一方で、当時の私は、「シングル曲と、アルバム曲は別物」という姿勢をかっこよく思えていた気持ちもあったことは確かだった。

 

それは「シングル購入者のみの特権」にも思えたし、ミュージシャンの「アルバム以外でも、いくらでも良い曲は用意できるんだよ」という自信にも思えて。

 

まあ、今では、特定のミュージシャンの「アルバム未収録のヒット曲や名曲」は、編集アルバム、コンピレーションアルバムなどで、アルバムでそろえることもできるようになってるけどね。

 

拓郎さんには「シングルコレクション」のようなコンピレーションアルバムもあるし、ビートルズにはアルバム未収録曲ばかりを集めた「パストマスターズ」みたいな編集アルバムもあるしね。

 

 

 

昨今は、アルバム形態ではなく、配信という形態も一般的。

シングルでも、配信限定シングルというものもある。

昔と今ではシングルというものの意味合いも変わってきていると思う。

配信のみの発表曲を数多く持ってるミュージシャンは、いつか配信のみで発表された曲ばかりを集めたコンピレーションアルバムなども出てくるのかも。

というか、すでにそういうアルバム、あるのかな?

 

え?

いまどきアルバム形態なんて古い????

 

私はやはり・・ジャケットも見たいし、歌詞カードもしくは解説ブックレットなども欲しいし、なにより仮想のものより現物を「持っていたい」という気持ちが強いので、やはりアルバム形態で聴きたい。

ジャケットには凝ったデザインが多いので、ジャケットを見ながら収録曲を味わうのは格別だと思っているから。

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=I7FemfkkLK4

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (鮎川愛)
2021-03-23 02:20:44
私も、前期ビートルズが、その戦略だった事を知った時、

「アルバムにも、シングルにも自信が溢れていたんだろうな」と思いました。

そしてシングルB面が意外とマニアックな選曲カップリングで、そこも微笑ましくさえ思いましたね。

ご存知と思いますけれど、ビートルズは、アルバム版とシングル版では、若干違いがあります。

ギターのリフが多い、叫び声が入っているなどなど(笑)

さて吉田拓郎さんと井上陽水さん、超ベテラン中の超ベテランですね。

そのお二人だからこそ、日本人ミュージシャンでも稀有なるアルバム版とシングル版と収録分け出来たのでしょう。

どうしてもシングル版にまでは手が伸ばせないファンには、コンサートで実演されるまで待つという「期待」もありますね(笑)
返信する
Unknown (だんぞう)
2021-03-23 10:03:49
そう、初期のビートルズは、アルバムを制作する時、シングルヒットに頼らなくても、アルバムにいくらでも良い曲は用意できる自信があったのでしょう。

シングルとアルバムで収録曲が重複しないように・・・という配慮もあったはず。

まあ、レコード会社としては、そんな質の高いアルバムに更にシングルヒットを組み込むことで、アルバムの更なる売り上げを期待したのではないでしょうか。

アルバムとシングルでのバージョン違いは、マニアとしてはどちらも揃えたくなることでしょうね。

中にはドイツ語バージョンなんかもありましたし。


その後、シングルヒットをアルバムに収録しないという戦略は減っていきましたね。
確かに「もったいない」という気はします。

配信中心の世の中では、すべてがシングル盤みたいなものかもしれませんね。
返信する

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