時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

勝海舟の墓

2014年05月06日 | 

歴史上のスター人物の墓に行くと、一種不思議な気分になることがある。

普段、歴史上の人物というのは、ドラマや映画やコミックなどの中の登場人物であり、実在した人物であっても、ドラマ上の演出されたイメージが大きく、どこか架空の人物っぽく思えていたりもする。

なので、どこかリアルさから少し離れた人物・・というより、キャラクターとして捉えてしまうことが多い。

それが、そういう人物の墓に実際に行ってみると、その人物がまぎれもなく実在した人物だったことをリアルに感じたりする。

というか、その人物の墓に行ってはじめて、その人物をリアルに感じることがある。

 

例えば、勝海舟。写真も残されているし、まぎれもなく実在した人物である。

墓もちゃんとある。

勝の墓は、東京の洗足池のそばにある。

私は2度ほど行ったことがある。

同じ東京都内にあるので、東京在住の私としては、その気になればいつでも行ける。

だが、いつでも行ける・・と思うと、中々普段は行かなかったりもする。

 

これが、私が東京在住でなく、東京から遠く離れた地域に住んでる人間だとしたら、勝の墓に行くのは、東京旅行のプランのなかの一つということになり、それは紛れもなく「旅行」になる。

だが、同じ東京都内に住んでると、それは旅というより、散歩に近いのかもしれない。

でも、散歩・・・という呼び方だと、歩いて気軽に行ける「地元」っぽくもなるし、私にとっては洗足池は決して「地元」ではない。電車を乗り換えて行く場所だ。なので、散歩・・という呼び方も、どこかしっくりこない。

となると、「日帰り旅行」になるぐらいか。いや、「旅行」扱いすると、ちょっと大げさにも思える。

そう考えると、散歩でもなく日帰り旅行でもないので、どうも扱いが難しい(笑)。

 

洗足池は、公園のような存在で、電車だと池上線に乗っていくことになる。

池はボートがあり、よく晴れた休日などは、けっこう来訪者も多いようだ。

都心でありながら、のどかな空気を感じる、憩いの場所だ。

最寄りの駅は、池上線の「洗足池駅」。駅を出ると、道路をはさんで目の前に洗足池はある。なので、洗足池駅で降りると、すぐに分かるはずだ。

なぜここに勝海舟の墓があるかというと、晩年の勝の邸宅が、この池のほとりにあったかららしい。

勝の墓は、勝海舟夫婦の墓でもある。

 

勝は歴史上有名であるだけでなく、実際に大きな役割を果たした、日本史上の重要人物なだけに、生前の勝のことについて書かれた資料も多数残されているし、写真も何点もあるし、実際に勝の語録みたいなものも残されている。

それだけに、奥さんに関するエピソードも残されている。なんでも、勝は女性に手が早かったようで(笑)、奥さんは生前、自分が死んだら勝と一緒の墓に入るのはいやがっていた・・などという逸話も残っている。

それが今こうして、勝夫妻の墓が建っているということは、奥さんは勝の浮気を最後には許していたのか、それともあきらめていたのか・・・まあ、それは分からない。

まあ、勝と奥さんの墓は一応別々の墓にはなっており、2人の墓は並んで建てられている。

一応、「同じ墓」にはなっていないので、そのへんは奥さんの意向も多少はあったのかどうか、それは分からない。

 

 

それと。

勝の墓のすぐそばには、勝が西郷隆盛のために建てた「西郷隆盛留魂碑」がある。

これは、西郷が西南の役で西郷が没した時に、勝が自費で建てたものだそうだ。

これだけでも、勝の西郷隆盛への熱い思いが分かる。勝にとっては、西郷はやはりかけがえのない人物だったに違いない。

江戸城無血開城の直談判では、勝は江戸の街を背負っていたといってもいい。

もしも西郷が勝との談判で、別の対応をしてたら、その後の東京はどうなっていたか・・それは分からない。悲惨な結果も十分予想できる。

だが、こと江戸に限っていえば、、勝と西郷の談判で、戦火をまぬがれたことは確かだ。

それだけに、勝にとっては、ある意味西郷は・・・当時は敵対関係ではあったものの、江戸城無血開城を実現させた「同士」みたいな思いも持っていたとしてもおかしくないと思う。

なにより、勝の墓のすぐ横に、勝が自費で建てた西郷への碑がある・・という事実がそれを物語っていると思う。

実際に勝の墓に行った時に、そのすぐ横に西郷にささげた碑が建っているのを見て、私自身もそれを強く感じたものだった。

たとえその碑が、当初別の場所に建てられたものが諸事情でこちらに移されたものであっても。

 

今では、勝の墓は・・・池をひっそりと見守っているようでもあり、穏やかな空気を感じる場所だ。

ついでに、あたりを散策してみると、勝海舟について書かれた看板もあるし、そこには、勝は江戸を戦火から救った恩人である・・という主旨のことが書かれていたことが印象に残る。

また、池の近くには千束八幡神社もあり、そこには源氏にまつわる伝説が残っている。

 

なんだかんだで、洗足池は、ちょっとした歴史散歩が出来る場所であるのは確かだ。

 

 

幕末・維新のファンは多い。勝海舟や西郷隆盛は、幕末維新では欠かせない人物だし、ファンも多いはず。

幕末維新のファンなら一度は行ってみてもいい場所だ。

 

 

 

 


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