ホンキー・トンク・サン・オブ・ア・ガン。
日本のバンド、オレンジ・カウンティ・ブラザーズの曲。
アルバム「CRUSIN」のオープニング曲。
このバンドもアルバムも、この曲も、私はこのアルバムを入手するまで知らなかった。
このアルバムを手に入れたのは、まだLPの時代に、私が中古レコード屋巡りをしている時に、中古レコードコーナーの中で、ふと見つけたからだった。
なぜこのアルバムを手に取り、しかも購入したのか・・実は理由は覚えていない。
土星を思わせるジャケットに惹かれたのか、それとも単に何か知らないバンドの音楽を聞いてみたかったからなのか、それとも・・。
日本のロックバンドで、一応日本語で曲は歌われていた。
サウンド的には、カントリー&ウエスタンあたりを目指している感じのサウンドだった。
どこか、サザンロックの風味も感じた。どちらにせよ、アメリカンロック系。
あとでプロフィールを読んだら、グレイトフルデッドに大きな影響を受けたらしかった。
いかにも70年代アメリカンロック風の音色、フレーズで奏でられる楽曲は、ボーカルの飯田さんのしわがれ声と溶け合って、目指す音楽性は極めて分かりやすかった。
私は彼らのアルバムは「クルージン」しか持っていないし、それ以外は聴いたことがない。
だから私は他のアルバムと比較して語るということはできない。
私が知っているのはあくまでもこのアルバムだけ。
で、今回取り上げるのは、そのアルバムのオープニング曲「ホンキートンクサンオブアガン」というわけである。
まず最初に聴いた時、あまりにストレートにアメリカンロックが好きだということが出てるなあと思った。
歌詞の世界は、まんまアメリカの西部劇に出てきそうな感じ。
そして、親しみやすいメロディ。
一発で気にいった覚えがある。
その反面、その歌詞は、日本人が日本語で歌うには、日本離れしているものは感じた。
日本の日常とは、正直かけ離れてはいたので、「共感」を持つという印象はなかった。
これは、架空として、その世界観を楽しめるかどうかなのだと思った。
でも、架空であっても、彼らがこういう世界が好きなんだ・・・という素直な気持ちは、すぐに伝わってきた。
当時私もアメリカンロックは好きだったし、西部劇の世界観も好きだった。
なので、フィクションとして、この歌を楽しんだ覚えがある。
そして、遊びではあったが、この曲にインスパイアされて作った自作曲もあった。
ただ、この曲に刺激を受けて作った私の自作曲は、歌詞だけはフィクションではなく、かといって普段の自分の喜怒哀楽を歌にしたというわけでもなく、自分なりに勝手な人物像を想定して、フィクションの歌を作った。
それは、自分勝手な男の歌で、付き合ってた女性を「お前は楽しかった」といってフッていく男で、生まれた子供には自分の正体は明かすな、俺をなめるな・・みたいな、女性が聴いたら総スカンをくらいそうな歌であった。
女性にとって、カチンとくるような歌を遊びで作ってみようと思って作った歌だった。
さすがに、こんな歌を人前で・・・特に女性の前で歌ったら確実に嫌われるのは分かっていたので、一切人前では歌っていない。
ただ、ある時、音楽仲間が私の部屋に泊まりにきて、夜中酒を飲みながら一緒に曲を仕上げて遊ぶことをしてた時、この曲を取り上げてみたのは覚えている。
とまあ、「ホンキー・トンク・サン・オブ・ア・ガン」を聴いて刺激を受けて作った割には、世界観は全く違うものではあったが、かろうじてテンポとメロディだけは、「ホンキー・トンク・サン・オブ・ア・ガン」にインスパイアされた感じは微妙にあった・・とは思う。
この「ホンキー・トンク・サン・オブ・ア・ガン」は、軽快なテンポと覚えやすいメロディ、70年代アメリカンロック風の音色とサウンド、そして飯田さんのしわがれボーカル、そして西部劇を思わせるフィクションワールドな歌詞で出来ている・・・と言ってもいいかと思う。
初めて聴いた時、「こりゃこの曲は、ライブ受けしそうだなあ」と思ったが、その思いは今も変わらない。
バンドのメンバーが、それっぽいコスチュームで身を包んでステージに揃い、ライブのオープニングか、もしくは終盤の佳境の部分でこの曲をやったら、さぞ盛り上がるだろうなあ。
下手な理屈はこねずに、ストレートにこの世界観を楽しめばいいのだ。
アメリカンロックへのリスペクトと愛情にあふれているので、当時のアメリカンロックがお好きな方なら、思わずニヤリとして、嬉しくなってしまうだろう。
できれば、70年代に、この曲を、生のライブで聴いてみたかった。
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