先日、久々に安東ウメ子さんのアルバムを聴いた。
「IHUNKE」というアルバムだ。
安東ウメ子さんは、アイヌ音楽の歌い手。アイヌの民族楽器「ムックリ」の名手でもある。
残念ながら、今はもう故人になってしまった。
でも、彼女の音楽はちゃんと残されている。
アイヌ音楽というのは、独特の湿り気を感じるし、深遠なものも感じとれる。
それと共に、大地や精霊からの語りかけのようにも感じ取れることもあれば、それらへのこちらからの語りかけのようにも感じられる。
いわば、大地や精霊とのコミュニケーション・・とでも言えばいいのだろうか。
そこには深い精神性があるのだ。
かといって、決して難しいものではない。アイヌ言葉を知らない私にとっては、このアルバムで歌われてる言葉(歌詞というよりも言葉・・って感じ)は、はっきり言って何を言ってるのか分からない。
だが、そのイントネーションには癒される。素朴ゆえに、尚更その語感が響いてくる。
アイヌ音楽といえば、私が真っ先に思い浮かべるミュージシャンはOKIさん。
OKIさんは、アイヌの民族弦楽器「トンコリ」の名手。
アイヌ音楽と現代音楽との融合を探っている感もあるミュージシャンだ。
ウメ子さんのこのアルバムでも、OKIさんは大活躍。
かなりの曲で、トンコリで参加している。トンコリの音は独特だ。優しく素朴な音色。
トンコリというのは、ネットで購入することもできるようだ。
以前北海道に旅した時、某「資料館」で、無造作に壁にたてかけてあるトンコリを見かけたことがある。
売り物ではなく、展示品だった。
当時私は民族楽器に凝っていたので、その旅でトンコリを買ってみたい・・などと漠然と考えてた。
その資料館でトンコリの現物を見て、無性に欲しくなったのを覚えている。
だが、旅先で持ち歩くには、かさばりすぎる。だから、その旅での購入はあきらめた。
・・で、結局未だに入手していない。
10万円も出せば、けっこういいのが買えそうではある。
練習用のトンコリってのもあるようで、それは1万円以下で買えるようだ。
okiさんが奏でるトンコリに安東さんのボーカルが乗ると、神秘性すら感じる。
このアルバムは、1曲1曲の良さを探すのではなく、アルバム・トータルを感じ取るように聴くのが一番いいだろう。
中にはアイヌ語の語りだけで1曲になってるのもあるし。
聴いてると、大地の精霊の子守歌を聴いてるような気分になり、精神の深い部分が癒される感じがする。
決してあらゆる人に薦めたくなるアルバムではないが、特定の人には密かに聴いてほしくなる・・・そんなアルバムだ。
聴き終わった後の、あの何ともいえない安らぎ感は、いったいなんなのだろう。
独特。
不思議でもある。
アイヌ文化。大事に残していってほしい。
アイヌ音楽。不思議な癒し。
もっと注目されても・・いいのではないかい?
昔、アイヌを差別する風潮があったようだが、差別するなんてとんでもない。
なんでそんなことをしたんだろうね。
私は、むしろ畏敬の念を持つ。
トンコリ、弾いてみたい。
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