子供の頃、学校への行き帰り。
いわゆる、通学路で。
ささやかな楽しみを作って歩いていたものだ。
それはどちらかというと、「行き」ではなく「帰り」だったと思う。
それは、とるにたらない「楽しみ」で、わざわざ人に言うほどのものでもない。
そういう楽しみは、何種類かあった。
例えば、道端で、小さな石ころを見つけると、それをつま先で少しづつ蹴りながら進む。
基本は自分の進行方向にまっすぐ蹴る。
蹴った石の行き先は、せいぜい1~2メートルくらい先。
そう、それぐらいの距離をめどに、加減しながら蹴る。
それを延々と繰り返しながら進む。
家まで無事に、石ころを蹴り続けて帰れればクリア。
だが、たいがいは、途中で挫折することが多かった。
それは例えば、まっすぐ蹴ったつもりの石ころが、蹴り方が悪くて斜め方向に行ってしまい、車道に出てしまったり。
下水に落ちてしまったり。
停まってる車の下に入ってしまったり。
狭い場所に入ってしまったり。
基本はまっすぐ直進しながら帰るので、蹴った石がコースを大きく外れてしまって、新たに蹴るには面倒な大周りをしなきゃいけない位置に石が行ってしまった時に、石蹴りはやめて、その石を放置したまま帰った・・・ように思う。
それと。
他の「通学路での密かな楽しみ」としては、段差になってる部分をなるべく多く選んで進んだり、道路上の目印みたいなものを見つけ(例えば道路の継ぎ目や、ガードレールの小柱、敷石、電信柱、その他)、その目印まで決められた歩数で進むとか、日陰になってる部分を選んで歩いたりとか、その他、いくつかの「ささやかな楽しみ」パターンがあった。
これって、人に勧められるようなたいそうな遊びではないし、個人的に密かに楽しむ遊びであった。
特に「道路上の次の目印まで、決められた歩数で進む」なんて遊びは、周りから見たら不自然な歩き方をしてるようにも見えたことだろう。
やってて、めちゃくちゃ楽しい・・というわけでもない(笑)。
ただ、単に普通に歩いて進むよりは楽しいだろう・・・というだけの遊び。
だが、これをずっと続けてると、そういう遊びの「自分だけのルール」に縛られるような気分にもなっていき、少し苦痛になってきたりもした。
そんな時、「なぜ自分はこんな無駄な歩き方をしてるんだろう」と思って、空しくなってくることもあった。
苦痛ならとっととやめて、普通に歩けばよそそうなものだが、やめるならやめるで何らかの口実やきっかけがないと、自分なりに納得できないものがあった。
まったく不思議なものだ。
例えば、ガードレールの小柱まで決められた歩数で進む・・というのは、途中でガードレールがなくなればそこで終了。
道路の継ぎ目から継ぎ目まで決められた歩数で進む・・・というのは、違う道路に出てしまえば、そこで終了。
石蹴りしながらの直進は、前述の通り、蹴った石がルートを大きく外れた時点で終了。
もちろん、他にもあったはず。
とりあえず、思い出せたのは上記の例。
石蹴りしながらの直進は、やってる子供はたまに見かけた。
だが、道路上の目印から目印まで、決められた歩数で進む・・・なんて遊び、やっていたのは私ぐらいなものだろうか。
どう考えても、無駄な遊びだもの。
第一、ガードレールの柱から柱までを決められた歩数で進む・・・などというのは、時折途中でガードレールの長さが、ふいに短くなったり長くなったりすることもあることを考えれば、一定の歩数で進もうとすると、一歩一歩の幅を微調整したりしなくちゃならないから、見知らぬ人が見たらすごく不自然な歩き方になっていたはず。
バカバカしくて、空しくて、無駄な遊びで、やっても何の得もなく、へたしたら周りの人に迷惑だってかけたかもしれない。
妙な目で見られたりもしたかもしれないし、やがては自分自身をめんどくさくさせる遊びであることが分かっていても、ほとぼりが覚めるとまたやってしまってたなあ。
なぜ、そんなことをやってたのだろう。
それは・・・
何気ない日常に、何か楽しみを見つけたかったからなのだろうね。
こういう遊びが、おおっぴらにできる・・・・いわゆる正式種目として遊べる場所が、もしあったとしたら?
・・・・う~~ん、行くかどうかは微妙かなあ。
空き缶を蹴って飛ばして帰ったことが、あったけど
たいてい2~3回くらいで飽きて、最後に思い切り
遠くに飛ばして終わりにしました。
帰り道の民家の塀の上には、野良猫がいたりして猫を
かまってやることもありました。
小学校から家までの帰りのルートはいくつか
ありましたが、ボクはよく模型店に立ち寄ったものです。
模型店の横のガラス製の大きなショーウィンドウの中の
綺麗に塗装されたプラモデルを眺めるのが、とても楽しかったです。
第2次世界大戦中の戦車や戦闘機が多かったです。
プラモ以外に、ラジコンの飛行機やボート、鉄道模型、ゲルマラジオも
扱っていたので理工系のボクにとって、興味が尽きることは
なかったです。
唯一の泣きどころは、ラジコンの模型は
とても高価で子供のこずかいでは、到底買えないこと。
いつも指をくわえて眺めていました…。
きっと他にもそういう人は多いと思います。
ただ、空き缶はなかったかも。といいつつ、帰り道に空き缶が落ちてたら、私も同じことをしたかもしれません。
模型店ですか。私の帰り道には模型店はなく、もっぱら文具店やおもちゃ屋がそんな存在だったかも。
文具店では、カルタや昆虫採集セット、ボードゲームも売られてましたから。
模型専門店だと、鉄道のジオラマセットなどもあったのでは?
鉄道のジオラマセットには、私はかなりトリップさせられました。
ただ、ジオラマセットとかレーシングカーなどは、広い部屋がないと難しかったんですよねえ。
欲しかったけど、入手できませんでした。