雨が降ってる都心を歩いてると、つい思い浮かべてしまう曲がある。
その曲は、山下達郎さんの曲。
達郎さんには良い曲は実にたくさんある。
達郎さんの曲でマイ・ベスト・スリーを選ぶとき、曲はその時によって違うのだが、絶えず私の「達郎ソング・ベスト3」の中に入っている曲がある。
その曲、ベスト3以内どころか、むしろ1位であることも多い。
で、その曲とは・・・「2000トンの雨」だ。
当初、勘違い人間だった私は、この曲を「2セントの雨」と勘違いしていた(笑)。
1セントって、0.01ドルらしいので、だとしたらずいぶん安い雨だなあ・・なんて、呑気なことを考えてた私だった。
だが、なんのなんの。
この歌は「2セントの雨」ではなくて、「2000トンの雨」が正解だった。
2セントと2000トンじゃ大違いだ。
2000トンの雨というものを私はまだ計ったことがないので(笑)、どれくらいのものなのかリアルには分からないが、とりあえず「かなりの雨」であるのだろう。
「2セント」ではなく「2000トンの雨」であることを認識してからは、この歌は私の中でイメージが広がりはじめた。
この曲を始めて知ったのは学生の頃だが、この曲に惚れ込み、ウォークマンで毎日、何回もリピートして聴いていたっけ。
聴いてはまき戻し、で。
「GO AHEAD」というアルバムのラスト曲だった。
「GO AHEAD」は、「レッツ・ダンス・ベイビー」や「潮騒」など良い曲が何曲も収められているが、この「2000トンの雨」の味わい深さはどうだ。
圧巻だった。うちのめされた。
もう、聴き惚れるしかなかった。
キャッチーで伸びやかなメロディもいいし、情景が浮かんでくるような歌詞も好き。
そして、あのリズムがまた最高。
降り注ぎ、もやがかかったような・・それでいて、分厚いサウンドは絶品。
いつ聴いても、何度聴いても飽きない、本当に素晴らしい曲だ。
聴きたい気分じゃない時に聴いても、聴き始めると聴きほれる・・そんな曲は、そうそうあるもんじゃない。
私にとって、そんな曲の中の1曲。
達郎さんの名曲という意味では、あまりにも有名な「クリスマスイブ」をあげる人は多いと思うが、個人的にはこの「2000トンの雨」は「クリスマスイブ」に勝るとも劣らない名曲だと思っている。
はっきり言わせてもらえば・・・「クリスマスイブ」よりも絶対にこちらのほうが好きだし、達郎さんの最高傑作曲の一つだと思う。
学生の頃の休み時間、ウォークマンをセットして、何度もこの曲をキャンパスの片隅で聴いてた時、後輩たちが私に声をかけても私はそれに気づかないことが何度もあったらしい。
「だんぞうさん、どうしちゃったのかしら。最近すっかり自分の世界に浸ってしまって、私たちの相手をしてくれなくなった」・・なんて言われたこともあったらしい。
・・いや、なに、そんなつもりはまったくなかったんだ(笑)。
聴いてる曲が良すぎただけなのです。
この曲聴き始めると、つい浸ってしまって・・。
で。
その時聴いてた曲の中の1曲が・・・この曲だった。
この曲を知った当時、特に東京タワーの近くを雨降りの日に歩いている時などは、必ずといっていいくらい、この曲を思い浮かべたものだ。
最近は、雨降りの日に東京タワーの近くを歩くケースは稀になったが、そんな機会がまたあれば、きっとまたこの曲を思い浮かべてしまうだろう。
口に出して歌ってしまうかもしれない。
特にこの歌詞のあたり。
♪ 道の向こう そびえたつタワー
もうすぐ空に 届くだろう
雨にけむる町で、寂しい心が雨にうたれている。
ずぶぬれ。
身も心も。
一人。
思いは、相手に届かない。
雨雲がますます低くなってきて、空と地面の隙間が狭い。
派手にライトアップされたタワーは、その先っぽの部分が雨雲にかかろうとしている。
やはり・・僕は一人なんだ。
今日も。
この雨は、きっと・・・心に降っているんだ。
そんな心情が伝わってくる。
だから・・
♪ 僕の思い 何ひとつ 伝えるすべもないのに
この歌詞が染みるんだ。
「2000トンの雨」、山下達郎さんの珠玉の名曲。
その輝きは、今もキラキラしている。
雨粒がライトアップされてるかのように。
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