昔ファミコンにハマっていたころ、私は絶えず何かのゲームソフトを遊んでいる状態が何年も続いた。
ひとつクリアすると、すぐに次のゲームを入手したり、あるいは複数のゲームを同時進行で遊んだり。
私が特にお気に入りだったのが、RPG(ロールプレイングゲーム)とシミュレーションゲームだった。
RPGというと、ドラクエやファイナルファンタジー(以下「FF」と記す)などが代表的なゲームだったが、ドラクエやFFはフィールド型RPGと呼ばれ、ゲームの中の世界のフィールドなどをマイキャラを歩かせて冒険を進めるタイプだった。
だが、RPGにはフィールド型とは別に3Dダンジョンタイプのゲームもあった。
それは、フィールドらしきものはなく、ひたすらマイキャラを迷宮探査させるタイプで、フィールド型RGGが主に上から見下ろす視点が多かったのに比べ、3Dダンジョンものは視点がマイキャラと等身大の視点で、複雑な迷宮を探査していくものだった。迷宮なので、一度迷ってしまうと、マッピング作業(地図作成)などをしてないかぎり、迷って道が分からなくなる可能性もあった。
リアルな迷宮なら、例えば壁に目印みたいなものを書いたりして手がかりを残せるが、ファミコンゲームの3Dダンジョンだとそれができないのが、個人的には疑問ではあった。
まあ、それはともかく、3DダンジョンタイプのRPGもいくつものゲームがあったが、その代表格はなんといっても「ウィザードリィ」であったろう。
そう、フィールド型RPGの代名詞的存在が「ドラクエ」や「FF」だとしたら、3Dダンジョン型RPGの代名詞的存在が「ウィザードリィ」だった。
「ウィザードリィ」は、ゲームを始める時に、プレイヤーはマイキャラを作成することになる。
作成したマイキャラが、6人編成(だったかな・・)のパーティを組み、迷宮を探査していき、途中で現れる多数のモンスターと戦って経験値を積み、レベルアップにより強くなっていき、最終的にダンジョンの奥深くにいるボスを倒す・・・そんなゲームシステムだった。
マイキャラは、数種類の種族(例えば人間、ドワーフ、エルフ、その他)を選び、それぞれを適職につかせる。
職業に色々な職業があり、キャラはその職業に即した成長をしていく。
で
その職業なのだが・・
私がウィザードリィをやってた時代にゲーム内にあった職業を、思いだせるだけ書いてみると・・
戦士
盗賊
ビショップ
魔法使い
僧侶
ロード
侍
忍者
この他にもあったかもしれないが、すぐに思いだせるのが上記のとおり。
戦士・盗賊・僧侶・魔法使いあたりは基本職で、最初から選べる。
だが、ロード、侍、忍者などは上級職であり、一定の条件を満たさないとなれない。
他の基本職である程度修行して、一定の条件を満たして、やっとなれる職業。
各職業にはそれぞれその職業ならではの特徴がある。
例えば僧侶なら回復呪文を覚え、魔法使いは魔法を覚え、盗賊はモンスターの落とした宝箱の罠を外す・・・といった具合であり、まあその辺はRPGをやったことがある方なら、お馴染みのシステムだろう。
この中で、私が「?」と思っていた職業と、その特徴があった。
それは侍と忍者であった。
このゲームの中の侍の特徴は、攻撃力が戦士なみにありながらも、攻撃魔法も使えた。いわば魔法戦士・・そんな感じ。最強の武器「村正」を装備できるのは侍だけだった。
一方、このゲームの中の忍者の特徴は、魔法は使えないが、一撃必殺のクリティカルヒットで敵の首をはね、一撃で敵をやっつけることがあった。驚くなかれ、私の遊んだウィザードリィでは、ラストボスの首すら一撃ではねることもあった!
このゲームの中の侍と忍者のその特徴に、私は「?」と思ったのだった。
まあ、ゲームなのだから、そのへんは深く考えず、純粋にそのシステムで遊べばいいだけなのだが、なまじ侍や忍者が私は好きなので、つい「?」と思ってしまった。
むしろ・・・侍と忍者のその特徴は、逆にしたほうが「それっぽい」のではないかと。
忍者は・・・例えば漫画や映画の中の忍者は、火遁の術や水遁の術、まやかし系・・などをはじめとする様々な「忍法」が使える。
ウィザードリィに出てくる魔法には火の攻撃呪文もあったことを考えると、むしろ魔法戦士的な役割は侍よりも忍者のほうがふさわしいように思えていた。
とはいえ、忍者を「魔法も使え、しかも一撃必殺の攻撃能力も持つキャラ」にしてしまうと、あまりに優遇しすぎだし(笑)、侍の立場も弱くなるので(?)、刀の扱いに長けている侍に「一撃必殺」の能力を与えれば どうだろう・・と思ったものだった。
つまり、忍者の特技「一撃必殺」と、侍の能力「魔法戦士」を入れ替えるのだ。
ゲームを遊びながら、そんなことを思っていた覚えがあった。
まあ、ウィザードリィは元々は外国で作られたゲームだし、日本人が考える「侍と忍者の区別」と少し違っていたのは仕方なかったのかもしれない。
侍や忍者という存在は、海外でもそれなりに知られているが、外国人がイメージする忍者や侍って、そういうものだったのかな・・・などと思ったものだった。
まあ、なんにせよ、ウィザードリィの中では侍や忍者は「上級職」だし、その辺は少し嬉しかった。
どちらにせよ、西洋人にとっては、忍者や侍という存在には、神秘性もあるのだろう。
その神秘性が魅力でもあるのだろう。
特に忍者は、その仕事内容上、記録がさほど残されていないから、なおさら。
だからこそ、後世の人間にとっては、忍者は色々イメージを膨らませやすくもあるわけで。
ともかく、その辺は侍や忍者の「本場」である日本の「忍者好き、侍好き」の私にとっては、誇らしい思いは大いにある。
日本人にとっても、剣豪や忍者は魅力的な存在であるし、なにより剣豪や忍者を主役にした小説やドラマやコミックや映画が多数あることが、それを証明している。
侍や忍者は、日本が世界に誇れる存在なのだ。
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