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アニメのシナリオ会議の苦労

2024年08月14日 | 漫画・アニメ、そして特撮

アニメのシナリオ会議には、何人ものスタッフが参加する。


シナリオ会議でも、映画版作品とテレビシリーズ作品では、参加する人数が異なる場合がある。 


映画版作品では、監督、ライター、プロヂューサーの他に広告代理店の人や、時には配給会社の人も参加することもあるし、時には原作者や、その作品が連載されてた雑誌の担当者が参加することもある。


作品によって違うし、原作者のこだわりによっても違う。特にその作品がその原作者の初めてのアニメ化作品だったりすると、かなり現場に関与してきてスケジュールが押す場合もある。


力関係的にやはり1番強いのは原作者だし。


 


シナリオ会議の場合、毎回そのシナリオ会議に全員が勢揃いするというより、作品の立ち上げ時に編集担当者や配給会社やプロヂューサーが全体の方向性などを話し合い、大体の方向性が決まった後に、より現場のスタッフが参加してくることも多いのだが。


 


また、その作品にもともと雑誌などでの原作がある場合と、まったくの映画版オリジナル作品の場合とでも違う。


ようするに作品によって色々なパターンがある。


 


毎週放送されるテレビシリーズの場合、何本も作品は作られていくわけだから、特にオリジナルストーリーだったりすると、とてもライダーひとりでまかなえるペースではないことが多いので、都合何人ものライターに発注することになるケースは多い。


まずはライターがファックスなどてブロットを提出してきて、そのプロットをシナリオ会議に参加するスタッフたちにまわし、スタッフたちが思い思いにそれを読み込んだ段階で、皆が顔を揃えてシナリオ会議に出てくる。


そして皆が顔を揃えてるシナリオ会議の席で、あれこれ意見を出し合う。


シナリオ会議で一回で皆の賛同が得られて、そのシナリオがあっさり通過することは、めったにない。


たいがいスタッフそれぞれが意見を出し合うことになるから、当然時間がかかる。


 


この「かかる時間」が時にやっかいで、中々そのシナリオが決定稿までいかないと、シナリオによっては数時間かかることもある。


そのシナリオ会議で、別の話数のライターも待機してもらったりしてると、その別のライターはかなり待たされることになる。


テレビシリーズ作品の場合、良くも悪くも量産していかないといけないので、1本ごとにスタッフ全員をあつめるのはスケジュール的に皆のとれる時間が中々一致しないこともある。


それの対策として、シナリオ会議をやる時には、何話分ものライターをその場に呼ぶことになる。


 


ただ、この場合、特定のシナリオに対する皆の意見か中々まとまらず、時間がかかりすぎてしまうと、同席してるスタッフたちも頭の中が疲労してくる。


人間、皆の集中力が同じタイミングで何時間も継続するわけでもなく、中には疲労で頭の中がボーッとしてきたりする。


 


こうなると中々しんどい。


 


 


アニメの場合、シナリオ完成が遅れると、その後の作業すへてが遅れることになる。


シナリオ完成のあと、絵コンテ、絵コンテチェック、作画打ち合わせ、原画、動画、動画チェック、色指定、仕上げ、撮影、アフレコなど、多数の作業が控えてるのだが、まずはシナリオがあがらないことには、その後の作業にはかかれない。しかも特にレイアウトや原画や撮影などの段階では、演出家のチェックもあったりする。


遅れのしわ寄せは、仕上げや撮影にいくことが多い。


いくらスケジュールの進行が遅れていても、最終アップ日は変わらなかったりする。


なぜなら、例えば撮影アップ日や編集日の次にはアフレコ日があり、その日は録音スタジオを押さえてあり、アフレコには多数の声優さんたちが来るし、録音監督や演出家、プロデューサーなとも来るなど、多数のスタッフの都合を合わせてある。


だから急には中々変えられないのだ。急に変えることで、各スタッフに迷惑がかかるし、下手したら損害も発生する。だからそれにはなんとしても間に合せなきゃいけない。


そうなると、スケジュール遅れのしわ寄せがいきやすい仕上げや撮影の部門で、その仕事を様々な外注会社に「ばらまく」ことで間に合せることになる。たが、本来はひとつの会社でやるはずだった仕事量は、複数の会社にばらまかれ、本来その作品を1本まとめて受けるはずだった会社の仕事量は減らされることになる。


もちろん、その会社にとっては仕事量を他の会社にとられることになり、損である。


 


このように、アニメ制作における序盤の作業のひとつであるシナリオが遅れると、それ以後の様々な部門に影響が出てしまう。


なのだが、例えばテレビ局側や出版社側の人間にとっては、そのアニメ作品の制作にもっとも意見を言ったり関わったりできるのはシナリオ段階。


なぜなら、作画部門、仕上げ部門、撮影部門などの現場の細かい部門には、テレビ局側や出版社側の人間は関われないから。


いや、厳密には関わろうとすれば関われるのかもしれないか、彼らはそのアニメ作品だけを担当してるわけではなく、他にもいくつもの仕事や作品を抱えてたりするので、アニメ作品の制作途中の細かい部門にまでは立ち会うような余裕はなかったりする。


だからこそ、自分が作品内容に関われるシナリオ段階では自身の存在感も出したくなる。そこにはその人が所属する会社の存在感やプライドも背負っているから。


 


こうして、シナリオ会議という段階で作業が遅れがちになる。


 


 


で・・、後の作業を受け持つ部門の会社やスタッフからは、もっと早くシナリオをあげてくれていれば・・という不満も出がちになる。


 


こういう体質は、中々変わらないのだろうなあ。ある程度仕方のないことなのだけどね。


 


 


結局は、制作準備期間を長く確保できればいいのだが、準備期間に余裕があると、打ち合わせや決定稿がついつい先延ばしになってしまうこともある(笑)。


ある意味、夏休の宿題が終盤に溜まってしまうようなものなのかもしれない。


で、結局はスケジュールが押す・・と。


 


とりあえずシナリオが早めに決定稿になると、それだけでその後のスケジュールはたてやすくはなる。


シナリオは番組制作の序盤の作業だから、特に。


 


きっとそれで苦労しているスタッフは多いことだろう。


 


ホント、スタッフの皆さん、お疲れ様です。


 


 


 


 


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