時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

片腕をもぎとられても戦う鉄人

2007年12月19日 | 漫画・アニメ、そして特撮

モノクロ時代の鉄人28号は、戦いで相当ひどいめにあっていた。
強い強いとは言われていても、けっして無敵ってほどではなかったのだ。
ブラックオックスには結局勝てなかったし、運の良さで勝った場合もある。

見てて辛かったのは、片腕をもぎとられても戦わねばならなかった光景だ。
人間だったら、片腕を切り落とされたら、もう戦意消失であり、戦うどころじゃないだろう。
その時点で「負け」と悟る。

だが、鉄人はロボットであり、腕をもぎとられても、「痛い」という感覚もなければ、血も出ない。
しかも、確か補助動力というのがついてたはずで、そのおかげで片腕をもぎとられても戦える構造になっていたようだ。

だが・・・子供心に、ヒーローの片腕がもぎとられてしまうというのはショックだった。
ストーリーの流れ的には「ピンチ」を演出してたのだろうけど。
もぎとられた腕の継ぎ目には、内部のメカの一部が見えてたりして、「鉄人、もういい!今は戦うな、修理してもらえ」と思ったもんだが、正太郎君はそんな鉄人を戦わせていた。
見てて痛々しく、残酷にも見え、そんな格好になってまで戦わされる鉄人が気の毒にも思えた。

もちろん、いずれ鉄人の腕は修理され元通りになるのは分かっているのだが、鉄人は腕をもぎとられても痛そうなそぶりを全く見せないところがまた健気だった。

鉄人の腕が敵にもぎとられたのは何回くらいあったのだろう。
白黒アニメでは、たまにそんな光景があったような気がするので、少なくても数回はあったはず。
あるいは・・・一回くらいしかなかったのにかかわらず、その時の光景が強烈で目に焼き付いているだけなのだろうか。

片腕がもぎとられてもなおも戦うヒーローなんて、当時、他にいただろうか?
もちろん、そんなのはロボットぐらいしかできないだろうから、比較する作品はどうしてもロボットものになる。

鉄腕アトムにはエネルギー切れや、オーバーヒート(?)などの故障はあっても、片腕で戦うシーンなんて・・あったかなあ?
エイトマンはどうだったろう・・。体の一部がやられたら、それ以上戦わなかったような・・.

後年、腕を飛ばす巨大ロボもでてきたが、その場合は、飛ばす腕そのものが武器だったわけだし。


ロボットもの以外では、いた。
それは妖怪もので、鬼太郎だ。
鬼太郎の場合は、指を武器として飛ばしたりして一時的に指がない状態になるが、その後また生えてくるんじゃなかったかなあ。鬼太郎などは鉄人よりももっと悲惨だった。
かまぼこにされたり、腕を切り落とされたり、全身を溶かされて骨だけになったりもした。

でも、鬼太郎は妖怪(というか幽霊族)であり、自主再生能力、「死なない」生命力があった。
そんな体質を知ってたからこそ、腕を切り落とされても、かまぼこにされても、溶かされても平気で見ていられた。
だが、鉄人は違う。人間が彼を修理しない限り、元には戻らない。

なにより、片腕をもぎとられたまま戦わされる・・という姿は残酷だった。
正義って辛いな・・とも思った。そこまでしなければ正義ではいられないのか・・とも思った。


今なら放送コードにひっかかり、そんな残酷なバトルシーンは描けないかもしれない。


制作サイドは、作品作りでは、昔に比べるとより慎重になってきているし。設定、言葉遣いなど。
今は、ちょっとしたことでもクレームをつける人が増えてきてるし、クレームをつけられる側も敏感だ。
いわば、「敏感な時代」になったのだろう。


敏感さってのは忘れてはいけないが、あまりに敏感さが大きくなり蔓延していくと、世の中が凄く窮屈になっていってしまうような気がするのは私だけだろうか。












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2 コメント

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Unknown (snowman)
2021-05-23 17:59:12
だんぞうさん、こんにちは。
鉄人28号が片腕を失っても戦う様子、私もTVで観ておりました。
敵の強さを感じ窮地の鉄人に心配したものです。
当時は巨大ロボットは少年の憧れでしたね。
ロボットと言えば鉄腕アトム、鉄人28号、そしてエイトマン。三者三様の魅力がありました。
昨今は製作サイドも視聴年齢層を子供向けにすることがあんまりないようで、ああいった昔風のロボット物はないように感じます。
ただし、イロイロと制約が増加してきてはいるようです。
四国の徳島のアニメ製作会社の作品が某国からのクレームにより主人公の耳飾りを書き直させられたり、日本製アニメの海外輸出に関して有色人種の登場人物は同じ肌の色の外国人声優の吹き替えとなる、とか…。
そこまでとやかく言わなくても…と思っているところです。
片腕で戦った鉄人を心配した少年時代でしたが、昨今のLGBTやら差別やらのクレームの風潮もまたいささか心配でございます。
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Unknown (だんぞう)
2021-05-23 19:55:51
片腕がもぎ取られても戦う姿は、けっこう衝撃でした。
鉄人が面白かったのは、鉄人は決して最強のロボットではなかったからだと思います。
例えば、鉄人はブラックオックスには結局勝てませんでしたし。
正太郎たちが知恵を絞って鉄人と共に事件を解決してたと思います。

今では巨大ロボットは、ヒーローが乗り込んで運転するものという感じが多いですね。

日本のアニメがそぐわなかったり、気に食わない国民が多い国は、単に日本のアニメなど見なければいいのに…と思うことはありますね。
その国にもアニメはあるでしょうし、それを見てればいいのではないかと思うんですが。
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