しょっちゅう聴くわけではないが、時々無性に聴きたくなるアルバムっていうのがある。
で、聴いてみると、やはり良い。
私にとって、今回紹介するウィーヴァーズのアルバムなども、その中の一枚だ。
ウィーヴァーズは50年代に活躍したグループで、あのピート・シーガーが在籍していたことがあるグループとしても知られる。男性3人、女性1人の編成。コーラスワークが実に楽しい。
モダン・フォークのパイオニアという評価が一般的で、アメリカン・ポップ・ミュージックの流れを語る時には欠かせないグループだ。
フォーク楽曲をレパートリーにしているが、聴いてみるとそのサウンドは実にポップ。
今の耳で聴くと、軽音楽にも近い聴きやすさがある。
当時の映画などに使われてもおかしくないサウンド。
日本でいうと、ひところのシングアウトみたいな雰囲気もある。
このアルバムに収められてる楽曲の中から、個人的に好きな曲を紹介したい。
HARD AIN'T HARD ・・・・言わずと知れたウディ・ガスリーの名曲。ウディとシスコ・ヒューストンがデュエットしてるバージョンも持っているが、ウィーヴァーズのバージョンも、ウディ&ヒューストンのバージョンもどちらも好き。
ウィーヴァーズのバージョンは、高らかに歌い上げる感じになっている。
GOODNIGHT IRENE ・・・・作者レッドベリーの代表作にして、ウィーヴァーズの出世曲でもある。今や完全にスタンダードナンバー。とろけるような美しい曲に仕上がっている。
AROUND THE CORNER ・・・・個人的な意見だが、この曲のメロディラインは、「チキチキバンバン」という曲のベースになったメロディのような気がしてならない。
JOHN B ・・・・この曲は!ビーチボーイズの代表アルバム「ペットサウンズ」に収められた、あの大ヒット曲「Sloop John B」の原曲って感じ。聴き比べてみると、ビーチボーイズのサウンドアレンジは斬新だったことがよくわかる。もちろん、ウィーヴァーズのバージョンも悪くない。ビーチボーイズ・・とりわけ、ブライアン・ウィルソンなどは、相当ウィーヴァーズを聴きこんだであろうことは容易に想像がつく。ブライアンは、ビーチボーイズのコーラスのお手本として「フォーフレッシュメン」の名前をよく挙げるが、ウィーヴァーズも確実にお手本だったろう。
フォーフレッシュメンのコーラスはいかにも高度で、ジャズ寄りな感じがするが、ウィーヴァーズのコーラスは楽しく明るさに満ちて親しみやすい感じがする。
WIMOWEH ・・・・このメロディ、どこかで聴いたことがある!と誰もが感じるだろう。ライオンは寝ている・・???
TZENA TZENA TZENA ・・・・wao!これこそ、このアルバムで私が一番好きな曲!ノリノリのリズム、飛び跳ねるような躍動感、楽しく凝ったコーラスワーク、ドラマチックなアレンジ、キュートで親しみやすいメロディライン、人生を謳歌してるような(?)明るさ。これを聴く人は、ついつい踊りだしたくなってくるに違いない。
この曲を歌うウィーヴァーズを生で見て、そして聴いてみたかった・・。さぞかしライブには欠かせないレパートリーだったことだろう。
SO LONG ・・・・これまたウディガスリーの代表曲の1つで、文句なしの名曲。スタンダードナンバ-であることは言うまでもない。
SYLVIE ・・・・どこか西部劇を思い起こさせる、のどかで広がりのある曲だ。というか、西部劇映画に出てきてもおかしくない雰囲気のサウンド。切なくセンチなメロディが、いい。
このアルバムはおそらくグレイテストヒット的な編集アルバム。
だから、どの曲も魅力ある。お気に入りの1枚。
今、コーラスグループはけっこう日本にもいるけど、ウィーヴァーズのようなコーラスグループは、なかなかいない。
こういうグループ、出て来てくれないかなあ・・などと、密かに思っているのです。
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