最近はデカ厚の多機能時計がずっと主流でした。
だからこそ、一見シンプルでおとなしい時計が妙に新鮮です。
デイリーユースではクロノグラフ機能等はほとんど使うこともなく、実は時計を極めるとシンプルな3針が一番使い易いのかもしれません。
ただ、単なる3針時計でしたらそれほど珍しくもなく敢えてご紹介する理由もないのですが、この時計に収められたムーブメントは明らかに今までの3針時計とは別物です。
このムーブメントのベースは2011年に発表された革新的な完全自社開発ムーブメント「カリブル ロワイヤル」。
250年もの長きにわたり継承された時計の心臓部となる動力伝達方式を根本的に変えてしまった機構〈センターシャフト・ドライブ〉です。
あまり専門的な話になると頭が痛くなりそうですから簡単に説明しますと、機械式時計はゼンマイを巻き上げ、それがほどける力が動力となりいくつもの歯車を回し、最終的に時間を作る仕組みです。
機械式時計は250年も前に考案された香箱という動力伝達システムより成り立つのですが、香箱はゼンマイと一体になった構造のため各パーツに過大なエネルギーが常に加わり、摩擦と摩耗によるトラブルの発生が宿命でした。
2~3年に1度各時計ブランドがオーバーホールを推奨するのはそのためです。
最近そうした摩耗をなくすためパーツにシリコン素材を使う方法も考えられてはいるのですが、基本構造は同じです。
かたや、センターシャフト・ドライブはこの仕組みを根本から見直し、ゼンマイと歯車を分離することにより最大限に摩擦を解消した全く新しい機構だったのです。
オーバーホールも6~10年に1回すればよいようで、高騰するオーバーホール代金を節約できるのはありがたいですね。
機械式時計が常に直面してきた難題からの250年ぶりの解放は、今後の機械式時計に計り知れない功績を残したと言えるでしょう。
このムーブメントには他にも独創的な特許機能がありますが、それについてはいずれまた。
この革新的なムーブメントを搭載したペキニエ マニファクチュール・ロワイヤルは、100万円越えが一般的な価格。
今年、このムーブメントをベースに手巻き式を開発し、余計な機能を省くことにより極限まで押さえた価格(45万円+税)で世界50本のみの限定発売です。
一度巻けば100時間(4日間)のロングパワーリザーブ、しかも防水は100mと、少々の水や汗にも安心。
長~く人生のお供をしてくれるでしょう。
モデル名:リューロワイヤル アン(1)フォンクション ハンドワインディング
型番:9080433CG
ケース素材:ステンレススティール
ベルト:カーフ
ムーブメント:手巻き
機能:時・分・秒 100時間ロングパワーリザーブ(シングルバレル)
ケースサイズ:42mm
ケース厚:12mm
防水:100m
ガラス:サファイアガラス
限定品 世界限定50本
価格 450,000円+税
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