同じ時間を確認する道具でありながら、何千円~何億円まで限りがありません。
そして時計を極めれば極めるほど一般に手に入れられない時計に目が向くのです。どこの時計ブランドも限定モデルが好調なのはそのためです。
一部のセレブの間ではある特定の超高額時計ブランドを身に着けるのが一つのステイタスになっているようです。
安くとも1千万円以上の時計ですから自尊心を満たすには十分なのでしょう。
今回ご紹介するのは全くコンセプトが異なる、世の中に1個しかない時計です。
しかもブランドが事前に用意したモデルではなく、注文者の世界観がそのまま時計の世界に立体的に表現されるその人だけのためのオートクチュールです。
その名も「オリヴィエ・サヴェオ」
自らの名をブランド名にしているのですが、フランス人である彼はフランス文化の最も優れた継承者たるにふさわしい高度な技術を持つ職人に授与される賞・国家最優秀職人賞(フランスでも最も権威のあるMeilleur Ouvrier de France、MOF)を受賞した芸術家です。
かつてはヴァンクリフ&アーペル、その他の有名ブランドのモチーフをデザインするなど、その世界では知られた存在。
まずは注文者本人から時計に表現したい題材やその背景を十分に伺い、数種類のイラスト画を描いてもらいます。
イラスト画を見て再度注文者の要望と突き合わせ、最後に最終的なイラストをお見せしオーダーします。
完成までおよそ3~4か月。
単に文字盤に絵を描くのではなく、「オリヴィエ・サヴェオ」オリジナルのサファイアガラスケースの中に立体的にお望みのモチーフが表現されます。
全面スケルトンの時計の裏側にも手を抜くことなく同様に立体的な3Dモチーフが表現された、時計のデザインを根本から覆すオンリーワンのオートクチュールです。
日本では弊店のお客様以外「オリヴィエ・サヴェオ」のオートクチュールを所有される時計ファンはいません。
価格も気になるところですが、ダイヤモンドや色石の入れ方により異なりますが、およそ1千万円代後半ぐらいだと思ってください。
かつて時計デザイン界の神様と言われたジェラルド・ジェンタさんがご存命の頃たびたび弊店に足を運んでいただき、お客様と話をしながらデザイン画を描き上げその方だけの時計を製作したことがありました。
今となっては叶わぬオートクチュールですが、時代の流行に左右されない工芸品として後世に伝えていける名品だったと思います。
オリヴィエ・サヴェオがかつて手掛けた作品の一部を以下にご覧ください。
この作品はアラブの石油王よりの注文で、モチーフは石油の精錬所です
注文者の発想は自由です。
恐らく納品された作品を初めて手にした時、想像以上の驚きと感動に心躍るでしょう。
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