国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

国鉄改革のあゆみ 86

2010-08-14 07:21:02 | 国鉄改革関連
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今回日本鉄道労働組合委員長 杉山茂氏の抱負です。同姓同名でプロ野球選手もいますがこちらとは全く別人です。

一企業一組合の確立に向け全力を尽くす

磐石の経営基盤を作るため欠かせないのは労使関係です、新しいものを作らねばならない。

杉山茂氏 
日本鉄道労働組合委員長
昭和五年一月三一日生まれ

【分割・民営化後新生民間会社が発足する新年に当り、取り組みと抱負を伺いたい】

改革法案の成立後、新しい事業体に向かって二つの課題が要求されていると思いますし、その課題はどうしても遂行しなければならないものと思っております。一つは、新しい鉄道経営の基盤をしっかり作ること。二度と破綻をきたすことがあってはならないと思っております。これだけ日本の交通産業が発達しており各々私鉄の仲間と同じになりますから、非常に競争は激しいと思いますが、その点何としても磐石な分割民営化後の経営形態をキチンと作り上げたいということです。二つには、磐石な経営基盤をつくるということについて欠く事のできないものは労使関係でありますから、新たなものを作っていかなければならないと考えております。もちろん従来から国鉄の労使関係の信頼というものをまず作って、そして企業経営の基盤にしていきたいと思っておりますが、具体的には一企業一組合という方向を確立することが必要であると思っているところです。
 国鉄の企業内において、無数の新しい組合ができたことは事実であります。労働組合は歴史的には集合離散がくりかえされている訳ですが、これは企業の経営にとっては非常に不幸なことであります。このことから一企業一組合に向かって私ども全施労が先鞭をつけなければいけないだろうと思い、現在日本鉄道労働組合の結成に向かって進んでいたというところですが、すでに昨年、新国鉄労働組合と自動車協議会、そして全施労の三つの組織の統一を図ることが成功いたしまして、日本鉄道労働組合を結成いたしましております。皿のこれを幅広くして、工事労働組合とか車両労働組合とか工務労働組合、そして大きくは鉄道労働組合あるいは汽車労働組合こういうところと早く一企業一組合に向かって一つの組合を作るということが課題で、その方向を進めている実態にあります。

【日頃激務の中、健康法、あるいは休暇の時の家庭サービス法などをお聞かせ下さい】

健康法は自分で作らなければいけないと思っておりますが、どうしても食事が変則的になりますので極力定期的に取るようにしております。それと私自身野菜を主体としておりますがもっぱら食事に気をつけています。あとは歩くということに気をつけており、これが今の仕事の中では最大限にできることだろうと思っております。できればゴルフ等の運動をやりたいと思っていますが、いまの状態ではとても暇が無いといったところです。

家庭サービスは、誠に申し訳ないと思っていますが、家族には負担のかけっぱなしです。
色々やりたいのですが仲々できませんので、土曜の午後や日曜日には極力家に居ることにしており、また、時には買い物にいくとか散歩に出るとかこんなところが今の私にできる最大限のものだと思っております。

【人生の夢といいますかやってみたいことは】

たくさんありますが、いま、私に課せられたことは国鉄114年の歴史の中で180度の転換をする訳ですから万全な体制を作り、健全な経営、組合員が安心して働ける職場、新しく日常の生活ができるようなものを作ることだと思っており、これが夢であります。これに一定の方向がつけば私自身も家庭に帰り、社会のために役立つことをやっていきたいと思っております。

【好きな言葉、信条をお聞かせください】

私はハデなことは好きでありません。今の社会特に国鉄の職員に対しても、「誠実に生きたい」と思っております。好きな言葉は「誠実・誠意」であり、信条は正しく素直に、です。


以上

今回で、公企労レポート新年の抱負は終わりです。
来週の月曜日以降は通常運転です。
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国鉄改革のあゆみ 85

2010-08-13 07:43:54 | 国鉄改革関連
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公企労レポートを引き続きアップさせていただきます、今回は、動労中央執行委員長である、松崎明氏の抱負です。

雇用をパーフェクト守るのが最大任務

自分の前途に不安をもちながらも立ち上がった組合員の雇用を守ることが動労の責任だ。

松崎明 氏

動力車中央執行委員長
昭和11年2月2日生まれ

【新しい年に向けまして、委員長の抱負と取り組む課題についてお聞かせ下さい】

今年は、国鉄改革法案に基づいて分割民営化が行われるということで従来の新しい年とは異なった趣があると思います。経営形態も公共企業体から民営になるのですからそれなりの覚悟をして新年を迎える必要があると思います。ある意味での待ちの姿勢といいますか、待ちの姿勢は甘えの構造でもありますから、この際、全組合員と経営側も変わらないと新年の意味がないと思います。国会で法案はとおりましたが我々としては、この道しかないという意識の転換をしてかからないと、何とかなるだろうという甘えに通じてしまいますから、内から出た意思としてこの改革を成し遂げる年という気持ちに全員がならないといけないし、私もその意味でさっぱりとした気分で新しい年を迎えたいと思います。
 労働組合の基本的な任務というのは雇用を守るということです。雇用を守れないで労働条件は存在しないのです。労働条件だけを観念的に論ずる自称左派のみなさんがいますが、それは間違いです。やはり柱をしっかり立てて、その上で屋根ということになるでしょう。動労としてはここに主点を置いて数年間努力してきたところです。その手段としては、3本柱と言われるように、派遣制度への積極的な協力と一時帰休とかであり公共企業体としては初めてで画期的なことであります。
それだけに組合員就中、家族の悩みは大変なものでありました。特に国労の諸君からは「派遣に行くのは片道キップだ」」とか、「三本柱を認めるのは首切りを認めることだ」等さんざん妨害されてきましたが。その中で自分の前途に不安を持ちながらも立ち上がってくれた組合員家族の皆さんには何としても雇用をパーフェクトに守ることで労働組合として基本的な任務を全うするのが私の責任であり、動労の責任だと思います。これに向けて何年も取り組み、あらゆる非難と中傷を受けながらやり抜いてきたところですから私は自信を持って皆さん方の雇用問題についいては大丈夫であるということが言えます。もしそれがダメとなりますと新しい事業体が成り立たないということです。つまり改革への意思をふみにじって新事業体の成立はありえないことですから本当に頑張ってくれた皆さんの苦労は間違いなく新しい年に花開くとはっきり申し上げれます。生き残り戦術だとか、偽装だとかいろいろ言いますが何もしないのはどうしようもありません。この国鉄改革の最先端に立ったのは動労であり、一万数千名の人が派遣や一時帰休に応じたんですから、この人たちには十分報いていきたいと考えております。

【健康法、家庭サービス等聞かせて下さい】

健康について心がけていることは三つあります。
一つは、砂糖の量を減らすようにしていること。二つはお風呂の後に冷水をあびること、三つはビタミン剤を飲むことです。この他にスキー、登山、野球、ゴルフ等をやるように心掛けています。家庭サービスはほとんど無理な状況です。このような仕事をしていますと、私は戦地で頑張りますから銃後を守ってもらいたいと思ってますが、時間があれば山に行きたいと思ってます。
 時折、俳句会をやりますので、みんなで山に行き月を見ながら酒を飲み、一晩中句会でもやってみたいのと、日本の山野を心ゆくまで歩き都会から暫く離れたいと思っております。前に進まないということは必ず後退しているということです。
つまり堕落しているということですから常に変革心を持ち続けたいし、自然を見つめながら自然に近い自分でありたいと思います。

以上
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国鉄改革のあゆみ 84

2010-08-12 08:21:43 | 国鉄改革関連
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今回も公企労レポートからの引用を続けたいと思います。
今回は、鉄道労働組合組合長 志摩好達氏の抱負です。

改革労協の人間関係深度化を目指す。

いかに左翼から攻撃されても国鉄官僚から無視されても、今日まで改革を訴え続けてきた。

志摩好達氏

鉄道労働組合組合長
昭和7年10月4日生まれ

【国鉄改革が具体化する4月までは、今まで以上に難しい諸々の解決すべき問題もあろうかと思いますが、新年の抱負を伺いたい】

鉄労の責任者として感じることは、昭和37年に新国労の全国組織を作って、43年に鉄労の単一体を仕上げた訳ですから、その間国鉄労政の中で揺れ動いたり、いろんな出来事がありましたが。終始一貫して国鉄そのものを改革しようとする改革運動を進めてきたという自負心がありますからよくぞここまで到達しえたなと思っています。どんなに左翼の労働運動から攻撃されても、国鉄の官僚からどのように無視されても、今日まで改革の必要性を訴えてきたということについて、本当に周囲の人達の理解を得て国鉄当局とも良好な労使関係ができて、よくここまで我々の労働運動を進めてこられていい運動を作ってもらったなと思っています。ですから諸先輩はじめ周囲の人たちに感謝しているところです。

【激動の中で、大組織のリーダーとして常日頃どのようなことに気を使っておられるのか、また現代の世相をどうごらんになりますか】

改革協を作ってから、特に気を使うということでもないのですが、私的な生活とか、行動などについては留意をするようになりました。それから、昨年9月1日にテロ行為もありましたし、まだ改革に反対する勢力もありますので、改革に身を投じている人達に対する中傷攻撃、野蛮な攻撃をいかに防いでいくかということに一番気を使っていかなければいけないと思っています。さらに、改革協の各組合の幹部と仲は良いのですが、これからもっと私的な関係も通じて、腹を割って話のできるようなリーダー・グループを仕上げていかなければならないと思っています。さらに、改革協の各組合の幹部と仲は良いのですが、これからもっと私的な関係も通じて、腹を割ってはなしのできるようなリーダー・グループを仕上げていかなければならないと思っています。
現代の世相についてはマスコミも取り上げているように新人類ということばがもてはやされているわけですが、50代以降の人間というのは、まるで旧人類の人間であるという風潮にあると思います。それから、老人問題等々を考えてみても、日本というのは老人大国になると言われて久しいのですが、風潮として、老人をばかにするような社会的傾向があり、長年経験を積んできた人というのはもうだめなんだというような感じを持つ訳です。
この風潮は方向性としては、間違っているなぁと思います。社会的なすう勢としては、年寄りを大事にしていくということでありながらも、労働組合の中では、先輩とか経験を積んだ人に対して古い人間だという言い方をすることは、ちょっと残念だなという感じがします。

【家族の方に対する気配りとして、どのようなことをされているのですか】

新国労を結成した当時から、イヤガラセがありましたし今でも頻繁にありますので、子供の方が心配している面があります。家族に対する思いやりというよなことは実はあまりやっていませんね。これから、時間があってやれるとすれば、子供の成長期に家にいなかったということもありましたので子供に対して何かしてやりたいと思っています。女房には精神的負担をかけていると思っています。それは一心同体だからしょうがないなぁと思いつつ、心の中では感謝しています。

【酒をたしなまれる機会も多いと思うのですが】

酒は、適量を飲むふりをして、雰囲気に酔うほうです。そういう席では仕事の話は一切しないで馬鹿話に徹底するように自己暗示にかけているという感じです。カラオケなど人一倍好きです。労働組合は、男の仕事であると感じていますので男の生きがいというような詩に惚れて歌う方です。

【座右の銘はどのようなものがありますか】

闘魂とか、闘士という”闘う”という字が好きですね。

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国鉄改革のあゆみ 83

2010-08-10 06:31:47 | 国鉄改革関連
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引続き、公企労レポートをご覧ください。

今回は、国労六本木委員長の抱負です。

国労路線、民間会社でも理念は継承発展

国鉄労働組合が歩んだ理念は継承発展させ。組合員が新体制の中で不安のない状況を作りたい。

六本木敏氏

国鉄労組中央執行委員長

昭和5年5月1日生まれ

【分割・民営化の年ですが、新年の抱負を伺いたい】

昨年は、国鉄問題に明けて国鉄問題に暮れたような感じですが、今年も新年早々から新しい事業体に移行するに当たっての職員の希望調書を集約する作業が始まりますので、正月といっても休んでいられない情勢で、年間を通じて忙しい年になると思います。4月になれば新しい体制になる訳ですから、それの仕事に忙殺されることになると思っています。これまで国鉄労働組合が歩んできたいろいろな道を新しい段階で正しく継承発展させその中で個々の組合員が新しい体制の中で将来に不安のないような状況というものを作ることに全力を挙げていきたいと思っています。
昨年、国鉄改革関連法案が成立した段階で、これまで"分割・民営化"に反対するという立場で運動を進めてきましたが、やはり現実的に法案が成立した訳ですから、国鉄労働者一人一人の雇用の問題について、将来に不安のないような状況を作っていくことが組合の最大の任務ですから、そういうことを十分に自覚をして、関係方面に対する働きかけ、あるいは、国鉄当局に対する交渉等を継続して進めてきている訳です。ですから、新しい事業体に移行する段階までに、細部の詰めをしていきたいと思っています。
正に115年の国鉄の歴史が終わり、6つの旅客会社。一つの貨物会社を中心に運営されていくということになりますので、それぞれの会社の経営基盤をどう確立するかということも十分に運動の考え方の中に置いて、そういう中で労使関係というものをきっちりとして、しかも職員の労働条件が維持される、あるいは発展するというような形を確立していきたいと思います。

【大組織のリーダーとして。常日頃どのようなことに気を使ったり、心がけているのですか、また今日の風潮をどうごランになっていますか】

昨年の臨時大会で委員長に就任した際にも話しているのですが、委員長になるとは考えていませんでしたので、えらいものを引き受けたと感じていたのですが、国鉄労働組合の責任者という立場に立ちますと、どのように労働者全体の雇用を守っていくか、さらには新しい事業体に移行していく段階で、どう運動というものが一日も早く軌道に乗っていくかということを常に考えています。さらに、労働組合運動というのは、職場の一人ひとりの労働者の要求なり、希望にどう応えていくかが重要な訳ですから、職場の人たちとのパイプというものを常に中央段階でも確立してどんな気持ちにいるのかが分かる役員になるよう心掛けたい。
それにしても現代は難しい時代であると思いますね。人生50年と言われた時代というのは、今より社会全体のテンポが遅かったと思いますが、今は動きが激しく、日本の経済自体が良い方向に向いている訳でもないと思います。つまり円高不況による企業の合理化なり倒産ということになっているということです。また、失業者も増えていく傾向の状況ですから、国鉄労働者も厳しい状況に置かれていますので、それをどう克服していくかという運動になると思います。

【激務に耐える体力づくり、また休日の余暇をどのように過ごされているのですか】

これといった健康法なり、毎日運動するということがない訳ですが。できるだけ車に乗らないで歩くようにしているくらいです。土曜、日曜には東京周辺の名所旧跡をバス、電車で回って歩いていたのですが、最近では、そういうこともできないような状態です。日本酒が好きですが。最近ではもっぱら焼酎を愛飲していますし、カラオケでよく歌いますよ。

以上
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国鉄改革のあゆみ 82

2010-08-09 10:21:09 | 国鉄改革関連
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本日も、昨日に続き、公企労レポートを綴りたいと思います。

【総裁に就任されて日が浅い中で大世帯の国有鉄道を一枚岩という体制づくりされるまでには、大変ご苦労もあったことと思いますが】

大組織のトップという者は、よく時代を見なければなりませんし、信念を変えてはいけないと思います。つまり、正しいものであるなら信念を変えないで真っ直ぐに正々堂々と職員に示さなければいけない、これが、トップの第一の責任であるというふうに思っています。
一般職員、組合の幹部諸君、更に現場の管理者層の方々が、時代の流れをよく見て、こういう改革が止むを得ない、あるいはこれしかないという気持ちを持っていただきたいということについて頭を痛めました。その辺の気持ちの伝え方というものは難しい訳です。そのためにマスコミや社内報の紙面を使ったり、あるいはビデオで話をしたり直接手紙を各家庭に出したりして取り組んだのですが、職員数が多いだけに気持ちを伝え、あるいは気持ちを聴取するということは直かにはなかなか難しいものがありました。そのためにはまず本社の中枢機能である常務理事をはじめとする幹部諸君が、確固とした改革の信念を持って各々の部下に臨むということが絶対に必要であると思います。
幸いなことに、そういった面では従来から改革について情熱を燃やし続けてくれた若い職員がおり、その人達が頑張って改革へ向けての仕事をやってくれたと思っています。
今までは、言ってみれば机の上の青写真であった訳ですがこれからは法律に基づいて実行する、具体化するということになります。その際の一番の問題は生身の体を持った一人一人の職員をどのようにしたらよいのかということであると思っています。一人の職員も路頭に迷わすことにしてはならないということで、職員一人一人の生活設計を考えていきたいと思っています。ただ、難しいのは新会社へは誰もが行きたいと思っているのしょうが、人数が限定されてしまいますので、そこから外れてしまう人がどうしても出てきます。そういう人たちの中には、国家公務員等の公的部門に行きたいと言う人もいるでしょうし、あるいはその他の関連事業なり民間企業に転職していただかなければならない人もいます。
この辺が個人個人で悩みが深いと思います。今、設立委員会の方向が出ましたので各人の希望調書によって、できるだけ本人の希望に沿うように考え、円満にそれぞれの職場が確保されるように最善の努力をしようと肝に命じているところです。

【これからはどのようなところに力点を置かなければならないと考えておられるのですか】

それは分割・民営の目的そのものであると思います。今までの官営で行っていた経営というのは、もうだめであって、これからは民間経営に徹するということです。民営化によりかなり自由な経営が可能になってきます。自由な活力のある前向きの取組が必要です。いままでのようにのんびりしていたのではだめで、積極的に、かつ合理化すべきものはして、増収活動のためにいろんな手立てを実行すべきであると思います。また、鉄道以外の新規事業にも積極的に乗りだす必要があると思います。反面、今度は民間ですから赤字経営というものは絶対に許されないわけで、そこに大変厳しいものがあると思います。そのためにもトップクラスの経営者は、あらゆる工夫をして乗り切っていかなければならない。国鉄の多くの人が、引続きその会社で働く訳ですがそういう厳しさというものを今までは経験していないのですね。ようやく最近になって、直営売店なり、あるいは派遣なりで行った人は、大変苦労されたと思うのですが経営者自体はそういう経験がない。それを乗り切っていく意欲、勉強というものがあって初めて経営というものが成り立つと思います。また、そこにこそ改革の意義があった訳です。また、経営陣もさることながら、いずれ労働組合も、新たな装いの下に組合が結成されると思います。それがどういう形になるのか予断を許しませんが、やはり組合自身も、今までにようないわば労使もたれ合いの親方日の丸的な感覚であってはいけないと思います。組合も、新たな民間型労使関係を、考えていってもらいたいと思います。組合も、新たな民間型労使関係を、考えていってもらいたいと思います。そこには企業経営を発展させるという共通の土俵があると思います。

【労使共々。今後の課題として果たして割り切って民間会社の体質になりきれるかどうかということがあると思いますが】

これは、経営者側も組合側もそうであると思います。要するに、新たなモラルの、産みの苦しみをしながら、なおかつ、未経験の分野に入っていくのですから、それはすぐに出来上がるという訳にはいかないでしょう。しかし、一日も早く民間的体質を作り上げることが必要です。

【現在の世相、風潮というものをどのように感じられまた、日頃の座右の銘としてはどのようなものがありますか】

日本人は国際感覚がないと言われている。このような欠点はあるのでしょうが、各国の人たちの生き方と比べてみますと極めて真面目であると思います。現象的には社会の風俗、その他で少し突出したところもあるでしょうが全体としてみた場合に、やはり日本人は大変真面目な働き蜂だと思います。むしろ、遊びというものが少ないくらいに感じます。これが原動力となり、国民経済、国民所得の発展増加につながって、今日の日本の繁栄をもたらしたと思います。ただ、島国で閉鎖的な社会が続いた面もあって、なかなか外に向けての対応というのは、あまりうまくいかない。ですから、これだけの経済大国になったにも拘らず、国際摩擦というものに遭遇してしまうとどうもうまく対応できにくという点がありますが、それはそれなりにまじめに取り組んでいるんですね。将来を見通してみますと若い世代が大きく変わってきたように思いますが、真面目さの中に心の余裕といいますか、遊びが必要であると思います。
クリスチャンではありませんが、聖書に"山上の教訓”というのがあります。その中の"汝、明日を思うことなかれ"という言葉がすきです。
毎日を充実させ、明日のことをくよくよ考えるなということで、今の私の生活にぴったりな言葉なんですね。

【休日も、ままならないとは思いますが家族の方、ご自身どのように過ごされているのですか】

もう少し、スポーツをやらなければいけないと思うのですが、元来、どうも出不精の方でゴルフにもあまり行きませんし、忙しくなると肉体的に草臥(くたび)れますので、休日には、ゴロゴロしている方です。また、暖かい季節には、庭の手入れをしたり、猫が大好きですから、猫と遊んだりということで、何となく過ごしています。家には息子二人がいますが、あまり口やかましく言わないで、自由に自分の道を歩めということにしています。女房もそれなりに気苦労があるようですが、そんなにくよくよしていないと思います。

以上
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国鉄改革のあゆみ 81

2010-08-08 22:00:03 | 国鉄改革関連
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みなさん、こんばんは。
公企労レポート、今回は62年1月5日発行のレポートをお届けします。

こちらは、日本国有鉄道トップの抱負として、杉浦総裁、六本木国労委員長、志摩鉄道労働組合長、松崎動労委員長、杉山日本鉄道労働組合委員長、以上5名の抱負が語られています。

今回は、杉浦総裁の抱負から引用させていただきます。
国鉄最後の総裁であった、杉浦喬也氏とはどんな人物だったのでしょうか。

国鉄改革に積極的でなかった仁杉巌氏に対し、当時の首相であった、中曽根氏からの強い意向を受けた元運輸次官、杉浦氏が国鉄総裁として送り込まれることとなった、目的は国鉄分割民営化を実現することであり、仁杉総裁の後任を受ける形で6月25日第10代国鉄総裁に就任。就任後は分割民営化に反対する役員を更迭するとともに、松田昌士・井手正敬・葛西敬之の「国鉄改革3人組」など分割民営化賛成派を本社に集め、分割民営化を強力に推進。国鉄分割民営化後は、日本国有鉄道清算事業団理事長に就任。

その後は、1990年に全日空の顧問に、1991年には同会長に就任、2008年1月16日に逝去

以下公企労レポートの引用です。

トップの抱負
「鉄道再生」労使、本格的対応に入る

日本国有鉄道は明治五年、新橋~横浜間が開通し114年。日本近代化のけん引車として、また、人的、物的交流の大動脈としての役割を果たしてきたが、3月末日には姿を消し、4月1日から6つのみん各旅客会社と全国1本の貨物会社に分割、生まれ変わる、スタートまであと3か月、まさに正念場を迎え、最後の作業が急ピッチで進めらている一方、設立委員会は各新会社の職員採用基準、労働条件の大枠を決定、厳しい条件を求めている。最大関心事はである「振り分け」も一般職員にとどまらず、幹部も含めた能力優先の厳しい選別となっている。新会社発足後も他の輸送機関との競争の中で鉄道が大幅に伸びる可能性は小さく、経営多角化の必要性など民営化後の道は厳しい。

民間は厳しい、改革の意義に徹して欲しい
 国民的合意で大改革法が成就、感慨ひとしお


鉄道再生のため分割・民営化の信念を貫く、時代の流れを正確に読み取ることがリーダーの任務。

杉浦喬也氏

日本国有鉄道総裁

 
大正14年8月15日生


【鉄道再生のため分割・民営化に心血を注がれ新生民間会社の誕生が間近になり、感慨深いものがあると思いますが、今年の抱負をお伺いしたい】

国鉄再建をするためには、分割民営化意外に道はないというふうに強く気持ちを固めて取り組んでまいりました。そのことについてありとあらゆる機会に申し上げてきました。また、国会対応につきましても、信念をそのまま申し上げてきたつもりです。
これらを振り返ってみますと大変だった訳ですが、迷うところがなく、自然体で取り組んできたつもりです。私自身はそうなんですが、回りの人を拝見いたしますと、これだけの大改革ですから”明治維新”と言っていますが、今まで百数十年の長い歴史の重さ、あるいはその大部分を過ごしてきたいわば官営事業の役割というものは十分に過去において評価されている訳です。
また、文化の光をもたらる開発効果もありましたし、鉄道というものに対する愛着、親しみということもあります。ですから、心情的には、国鉄をいつまでも残したいという気持ちは、誰しもあると思います。私自身もそうです。しかしそれだけではもう律しきれない状況になってきてしまいました。そこで、改革の必要性を申し上げている訳ですが、心情的、あるいは反対を唱える方など沢山の意見があった訳です。そういう方は、単なる利害というものあるいは思想、心情というものだけでなしに、共通項は、やはり国鉄が好きであるという気持ちにあると思います。その上で一体どうしたらよいのかということを考えてくださいということで、単に反対だけ叫んでも、これは実りのないことですから、その理由を明確にし、また、自分自身の解決策というものを示して欲しいと言ってまいりました。最近では、国鉄全職員の中からむしろ自発的に改革をやらなければだめだという集いが、現場の中からぞくぞくと出てきまして、これは非常に有難く、心強く感じています。それから、組合の中におきましても、鉄労は、以前からそういう方向性を主張していましたし、動労は時代をよく見て方向転換されたし、全施労も、賛同してくれましたように、いわば組合側から改革に向けての意思統一して理解、支援してくれたということは、私に取りまして有難いし、力強いものであったというふうに思っています。このようにいろんな経過を辿りながら、総理、運輸大臣をはじめとした関係省庁の全体のお力、あるいは自民党や野党としても賛成いただいた民社党、公明党の国会筋の諸先生方々のお力、いわば国民的サイドにおける全体の合意というものが、ここにその大改革法という形で結実したわけでありまして、これまで主張してきたことが成就され、将来展望も開けてきたということで大変感慨深い気持ちになっている訳です。

続く

さらば国鉄 - 汽笛オーケストラ
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国鉄改革のあゆみ 80

2010-08-07 16:22:21 | 国鉄改革関連
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さて、国鉄改革で大きく綱領の変更まで踏み込んだ動労が発表した、動労全国戦術委員長会議の要点を記した記事がありましたので、全文引用させていただきます。
 
引続き組織拡大に全力 新労組結成へ準備会を作る

動労全国戦術委員長会議【要点】

▽・・・動労中央本部は、10月15日に全国戦術委員長会議を開き、国鉄改革法案の進展状況、国労の動向、62年4月に予定される新会社における新しい労組の結成を目指して組織の意識統一を図った。更に、改革労組協参加の各組合と連携をとりながら具体的行動に入ることを確認した。国労の動向については、国労は臨時大会を境に北陸地本等で大量脱退が出るなど崩壊に向かっている。全国地本連絡会議は、静岡地本の動きに示されるように新事業体へのなだれ込みを策動しているが、動労はこれまでの方針に基づき、組織拡大に全力をあげていくと報告している。
当面すると取組と組織運営について

▽・・・だお107臨時国会国鉄改革に関する特別委員会に動労・改革協の要求を反映させるために中央・地方は連携を強化し取組の強化を図ります。
(1)法案成立時(衆・参本会議など)までに引き続き国会要請行動について検討し、対処します。
(2) 関係する衆・参国会議員に対する要請行動について出身地方にも行うことにします。
(3)社会党・公明党・民社党。社民連などの友好議員との連携を中央・地方で強化していきます。

▽・・・組織拡大の取組の成果は、昨年10月以降、約5,000名に達しています。その結果。10月1日現在、組合員は3万5000人を突破しました。すでに明らかにしてきたように国労組織は崩壊にむかってひた走っています。新事業体に責任をもって21世紀鉄道の拘留を実現するためには動労に結集させねばなりません。従来方針にもとづき組織拡大に全力をあげて取り組みます。

▽・・・国鉄改革労働組合協議会(改革協)は加盟組合数が9組合(10・1)となr、組合員数は10月1日現在10万7000人を越えました。
過半数以上の確保は時間の問題となっています。
地方議会の結成については2の地方本部で結成されています。
地方議会の結成については21の地方本部で結成されています。未結成の地方においては早急に問題点の打開をはかり取り組むこととします。

▽・・・改革協を連合体に発展・移行させるために、中央協議会は積極的に討論を進めてきましたが、いまだ実現されていません。
国鉄改革関連法案の審議の推進、国労の崩壊の動向の中では改めて早急に新事業体における労働組合組織の創造についての取組を飛躍的に強化しなければなりません。
言うまでもなく国鉄改革の目的は生き生きした新事業体をつくることです。そのためには健全な労使関係の確立が必要であり、意識革命の追求なきなだれ込みは許されるものではありません。第42回定期全国大会で我々はそれらを十分認識し、一企業一労働組合の結成に向け協議会及び総連合組織の結成を決定しました。国労臨時大会後の11地方本部などの、「全国連絡会議」の結成による意識革命なき現実からの逃亡を目指した「方針転換」、そのことを通じたなだれ込み策動を許さず、真面目な組合員を結集し、新たな労働組合を結成するため次の取組を行ないます。

(1)各旅客鉄道会社・貨物鉄道会社などに対応する単一労働組合の結成に向けて準備を進めます。結成準備会の結成にあたっては地域協議会の結成されている北海道・四国・九州では地域協議会で、その他の地域は地方協議会の代表又は加盟各組合代表で協議し、それぞれ中央協議会と連携をとり進めます。
(2)この、めざす新組織の名称(仮称)は、北海道旅客鉄道労働組合、東日本旅客鉄道労働組合、東海旅客鉄道労働組合、西日本旅客鉄道労働組合、四国旅客鉄道労働組合、九州旅客鉄道労働組合、日本貨物鉄道労働組合、等とします。
(3)そのうえに、「全日本鉄道労働組合総連合」(仮称)をめざします。
(4)各組合結成準備会のもとに現管理局単位では地方本部結成準備会、新事業体の職場単位では単位組織の結成準備会をつくります。
(5)各組合結成準備会へは団体および個人加盟とし、既存の労働組合との二重加盟を認めます(国労組合員の積極的に進める)。
(6)結成準備会は新たな組合結成の準備とともに当面、雇用・労働条件ならびに新事業体の活性化を最重点課題とし、法案成立後は各会社の設立準備委員会との協議・交渉を進めます。
(7)新しい組合組織は政党による外部からの支配介入を排し、目的達成のために政策・要求の一致する政党と協力・共同します。
(8)組織・運営・政策(方針)等については加盟団体、個人の自主性を尊重しつつ一致する課題について行動を積み上げるなかで討議を深め、共通点の拡大をはかります。
(9)財政については加盟団体・個人の間で討議を深め、早急に具体化します。
(10)綱領。規約・徽章・組合員証の作成など必要な準備を直ちに開始します。
(11)新組合の発足は昭和62年4月1日とします。
(12)改革協加盟組合は4月1日以降も存続認めます。

▽・・・国鉄改革関連法案の成立の動向と新しい組合組織結成の進展状況などを勘案し、全国大会の決定にもとづき臨時全国大会の招集を行ないます。
ついては中央闘争委に一任します。

▽・・・国鉄改革関連法案の成立の動向と新しい組合結成の進展状況などを勘案し、全国大会の決定にもとづき臨時大会の招集を行ないます。その時期などについては中央闘争委に一任します。

▽・・・第131回定期中央委員会は臨時国会での国鉄改革関連法案の審議動向と法案成立後の諸日程なども見極め、12月段階に開催します。
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国鉄改革のあゆみ 79

2010-08-07 00:30:19 | 国鉄改革関連
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本日も公企労レポート綴りたいと思います。

【過渡的な措置と言うことはよく分かります。しかし例えば、専従職員の問題とかいろいろ具体的な話になると問題が残りますが、これは単位組合でそれぞれ解決するということになるのですか】

単位組合で処理すべきこと、新労組で処理すべきこと二通りあると思います。動労についていえば専従の問題、財産にかかわる問題方針にかかわる問題とか、自分たちで処理のできる問題については進めていますが、動労だけでなくそれぞれの組合が同じ問題をもっているわけですが、自らがそれぞれ解決する努力をしながらその上で各組合が問題をもち寄り討論を深めていけば、解決は早いのではないかと思います。但し、各組合がセクトに固執すれば過渡的措置を克服する時間は長引くことになります。そのようなことのないよう、取り組んでいきたいと思っています。

【新組合には国労の良識ある人達も加入できることになっており、いわゆる国労旧主流派の人達の中には、協調路線への転換していますがこれはどういうことになりますか】

私たちの当面の目的は新事業体の活性化にあります。それに対して労組としてできる限りのことをやらなければならないと思っています。これを通じて新事業体で役に立つ意識の変革をまずやらねばなりません。国労の皆さん方の考え方、動向をみますと正にここが欠けているわけで、自らこれを自分のものにする努力をせず、ただ新事業体にいくことのみを目的にしています。ですから、悪くいえば意識改革なしのなだれ込み策といえるものです。国労の一部の人達が今柔軟路線と称して新しい労働組合を目ざすという動きを示していますが、この人達が、私たち改革協が意思統一を図っている内容にどのような対応をしてくるのかこれは注目しておかなければなりません。改革協が示している方向と同じかどうか、その辺注目しながら、話のできる者については何も完全に拒否するのではなく、対応していくかどうか見極める必要があると思っています。

【新組合とは、意識改革がなされた組合ということを基本に、それがなされていれば、いろいろな人が集まることに異論はないということですね】

苦労することを決意し、それを実践することの出来る人達は共にやっていけると思います。苦労をせず、楽をしたいという人達がいるとすれば、新事業体はよりきびしい環境に置かれると思いますから、直ちに挫折します。それは即経営を不完全なものにすることになります。苦労をいとわない人たちが集まって始めて新事業体が成り立つものです。こう考えますと、当局と国労内の一部の人達が、労使協調の方向で行くのは結構ですが、今いった基準はお互いに明確にし、具体的に措置することが必要だと思います。

【将来、新組合は全民労協加入の方向へ行くことは確定的ですね】

今労働界をめぐる客観情勢は、労戦統一という大きな流れになっています。民間になれば当然あげて全民労協に参画して、そこで私どもの活動を展開したいと思います。但し、従来のような運動の目標内容ではなく、新事業体の活性化に立脚した政策、運動ということになるだろうと思います。

【運動方針、綱領も余りぎくしゃくせずに固まるという自信もお持ちですね】

そこまでを見通して、私達は従来の綱領を変えて新しい綱領づくりを目ざし、今度開かれる大会で決定するようにしたわけです。ですからそのよに行くだろうと考えています。

以上
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国鉄改革のあゆみ 78

2010-08-06 08:07:06 | 国鉄改革関連
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引き続き公企労レポートの引用を始めたいと思います。
しばしお付き合いください。

【本来、労組というのは、雇用確保、労働条件の向上ということが基本ですが、しかし新事業体が軌道に乗るまでは、その辺も出来るだけ抑えこんで、まず基盤を確立することにポイントをおかれるわけですね。】

そのとおりです、まして昨今の雇用環境は非常に悪くなっており増して、私達がこれから新しい事業体を作るにも、このことは強く意識していかなければなりませんので、労使が努力し、実績を上げ、それを踏まえての配分ということになると思います。従って従来のように権利意識を振り回したりするのではなく、雇用と生活を守るために、鉄道の発展のために労働組合として力を入れていくことになります。

【具体的な動きとして、改革協を軸に今ブロック毎に結成を進める会が発足されていますが、動労としての取組み、考え方をお聞きしたい】

動労としては、全国大会でいち早く一企業一組合を基礎に、健全な労使関係を確立し、新事業体に移行していこうということを決定し、その後改革協内部でいろいろ議論してきました。私達の考え方からしますとベースがやや遅いと思いますが、10月24日もあのような形でまとまったわけです。これからは改革協として意思統一した内容に基づき、動労としては全力をあげて行くことになります。但し、4月1日は目前であり、それまでに労組としてやるべきことは沢山あります。つまり雇用の最終的な確立、あるいは労働条件、賃金、年金などの問題です。これと別個に労働組合を新しく作っていく、そのための綱領、規約とか準備していかなければならないことが一杯あります。さらに具体的な活動を通じて改革協内部の組合の信頼関係を一層高めていくなど、私たちが考えていたよりも遅れていると言わざるを得ません。一日も早く遅れを取りもどし、4月1日には名実ともにしっかりした労働組合を作りあげることをまず考えています。

【それぞれ歴史もあり、方針も若干異なった組合が一本化するということになりますと、やはり徹底した議論が必要だと思いますが】

その通りです、ですから動労が先行して発議をし具体的に実践をし今日まで来ましたけれど、改革協全体の合意の中で動労が考えてきた内容で今後、改革協の決めた方針でやっていくということにしたわけです。各労働組合がそれぞれ歴史的な過程をもち、それによって培ってきた財政基盤とか、作風とかいろいろありますから、それを一挙に解決して一つの労働組合になることができればこれはベストですが、現実問題としてそうはいかないことから、一種の過渡的措置として二重の労働組合加盟を私たちとしては表明しました。しかし、いつまでも二重化名状況を残すことは間違いだと思います。具体的な活動をしていく中で、人間的な関係から組織的な信頼関係を高め、その中で政策やその他さまざまな問題について討論を深め、一刻も早く一企業一組合にもっていきたいと考えています。

【二重加盟の問題は、来年4月1日に新事業体が発足すれば当然改革協、進める会は発展的解消ということになり、そのあと残るのは新組合と旧単位組合ということになりますが、旧組合はいつ頃まで残ることになりますか】

先程もいいましたように、過渡的なやむを得ざる措置ですから、一刻も早く二重加盟状態というのは克服しなければなりません。その時期については、信頼がいっそう高められて具体的問題がその中で解決された時ということにつきます。したがっていまの段階では全力をあげて、内部の問題を整理し、改革協で討論して克服することです。

続く
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国鉄改革のあゆみ 77

2010-08-05 23:57:46 | 国鉄改革関連
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公企労レポートを続けたいと思います。

今回は、動労の動きについてです。

全民労協加盟。綱領・方針改定目指す

改革協内部の信頼関係、更に高揚を図る

二重の労働組合加盟、過渡期的措置、早期解消必要

国鉄動力車労働組合は第四二回全国大会でいち早く、新事業体に対応する新しい労働組合は一企業一組合を基礎に、健全な労使関係を確立することを決定、内部で議論を重ねてきた。一方、改革協も来年四月一日「鉄道労連」並びに新会社別鉄道労働組合の結成を決定、これに基づき、各地方改革協は「結成を進める会」を発足させ、国労組合員を含め加入呼びかけの行動に入った。しかし来年四月一日を目前に控え、解決すべき課題は山積みしている。改革協内部の組合間の信頼関係を高めることを第一義に、各組合の歴史からくる考え方の違いなどを乗り越え、人間的信頼関係を組織的信頼関係に高めつつ、当面、現実的対応として二重の労働組合加盟もあくまで過渡的措置として止むを得ないとし、早期の発展的解消を志向している。国労の一部に柔軟路線を取り新しい組合を目指す動きがあるが、「単一組織、当局が応じられる整理」が前提であり、単に新事業体への採用が目的であっては問題であろう。

新事業体、二度と過去の轍を踏まず
全民労協加入、綱領・運動方針の改訂を目指す

【国鉄関連法案は今月28日頃参議院を通過することは確実ですが、新事業体における労使関係はいかにあるべきか、動労のお考えをお聞きしたい】

今までも述べてきましたが、私達が目的としているのは、新しい事業体を生き生きしたものにするということです。特に労組の立場からいいますと、この間ずっと雇用問題で苦労してきましたし、その苦労を生かさなければならないと同時に新事業体において再びこのような事が起きない体制にしていかなければならないと思っています。
もうひとつは、愛される鉄道といいますか、地域住民の皆さんに乗っていただく、喜んでいただけるそれを通じて発展できる鉄道にしたいと思っています。一言で言えば、活性化した鉄道事業体を作りたいと思っています。一言で言えば、活性化した鉄道事業体を作りたいということです。そのために、前提として労使関係をきちっとしたものにしていかなければなりません。ですから、経営者と私達が互いに新事業体の活性化に向けてパートナーシップを発揮できるような労使関係を作りたいと思っています。それに適応できる、ふさわしい労働組合を私達としては目指していくということです。

【民間事業体ということになりますと、当然のこととして地域密着、国民の理解・協力というなかでやっていかなければならないと思いますが】

私たちは、これまで労組として既存の権利を主張していましたが、それとは別個に自らやるべきことはやっていく、そのことは生産性を上げるということですが、それによって労働者としての応分の配分を目ざすことになります。そうしますと、私たちが生産性を上げるということは、より鉄道を便利にし安全にし、鉄道が具備すべき条件を労組の立場から全うしていく努力をしなければならないことでそのことが例えば権利との関係で矛盾を来たそうと、当面は活性化した新事業体に向けてやらなければならない。その意味で地域密着との関係、労組の権利の関係とかいろいろありますが、全力をあげて便利で安全な鉄道を作りあげる。それが結局、国民の理解・協力を得ることにつながると思います。

続く
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国鉄改革のあゆみ 76

2010-08-05 07:24:42 | 国鉄改革関連
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昨日に引き続き公企労レポートの引用を続けたいと思います。

あくまで当時の記録にとどめた言う気持ちから始めたものであり、いろいろな批評をいただければと思います。

それでは、引続き公企労レポートから引用していきます。

【執行部が代わったので、いわゆるねじれを治すということだけにとどまらないのでは】

ですから、話を軌道に乗せるために皆で一緒になって、問題を一つひとつ具体的に解決する手立てを探る、あるいは政府なり当局とのパイプを作るということを急がなければならないと思っています。

【労使共同宣言、雇用安定協約の締結がない限り雇用の確保ができないと、組織脱退が続出しているわけですが、どのように判断しているのですか】

確かに、10月末現在で国労の組織人員が、50%を割りました。しかし、それは、国労の方針が悪いのか、はっきりしないのか、何か外的な作用があってそのようになっているのか、そのことについては皆にあきらかにすべきであると思います。今では、口に出さなくても周知の事実になっていますが、一つには、国鉄当局の労働政策と言いますが、一つには、国鉄当局の労務政策と言いますか、もっと言えば、新しい事業体をにらんでの労働政策といいますか。そういう中でいろんな問題が起こってきているわけです。今、30余の労働組合があります。こういう状態というのは、国鉄当局が1枚かんでいることは間違いないと思います。労働者一人ひとりの立場は極めて弱いですから労働組合に結集している訳ですが、それを1枚1枚剥がすような、言ってみれば不当労働行為が各所で行われている訳です。更にもう一つは、鉄労、動労、その他の組合が一体となって国労を押さえこもう、あるいは壊滅してしまおうと攻撃をかけています。そういうことで今日的な状況になってきているということです。
雇用安定協約は、国労としてもあったほうがいいと思います。ただ、問題の本質は、雇用安定協約はどこの組合でも来年の3月31日までです。ですから、そういうことを考えますと、どのようにすれば国労の組合員が新しい会社に行くことができるか一番いいのですから、そのための努力をしていくことです。問題は、当局が望んでいる労使共同宣言とセットで持ってこられますとこれは受け入れられないということになります。つまり、労使共同宣言はまともな労働組合であれば受け入れますと言い切れる内容ではありません。
ですから、そういうものには足を向けない、踏み込まないという立場の中で、同次の手立てを明確に打ち出して進んでいくかということになりますが、そこを早急に社会党なり総評と詰めなければと思っています。

【国労の主義、主張というものを分かっても、今現実に組合員が雇用の不安を感じているのは事実としてあると思います。これを解消するためにどういう手立てをしていこうとしているのですか】

特効薬的な処方というのは、見いだせない訳ですが、国鉄当局とだけ交渉していてもどうにもならない現実がありますので、政治レベルでもう少し積極的な運動も必要になってくると思います。

【そうしますと、社会党、総評を含めて担当大臣及び当局と労使共同宣言をにらんだメモを否定した運動の展開になるのですか】

その辺は、臨時大会の経緯等を関係者の人はそれなりにお分かりですから、現実に組合がそういう選択をしたことを踏まえて対応していただかなければ、これはナショナルセンターとしても、あるいは支持をしている社会党としても、そこで足踏みをしていたのではどうにもならない訳です。

【大会の経緯からしても組合員の雇用の確保か、組織防衛か、同時に考えるのではなくて、どちらかを取らざるを得ないほど状況は厳しいのではないのですか】

そのことは十分に自覚をして、組合員の生活、雇用ということを最重点に取り上げて取り組んでいくということです。そのためにも、目に見える運動をやりながら組織を強化していきたいと思います・・・・。

【臨時大会決定の方針と違う動きがありますが、これが具体的になったときの組織の対応は・・・】

幸いなことに、あの人達も国労という大枠の組織は割らないと言っています。その中で、自分たちの主張する運動をやって実現を図っていくと言っていますので、話しあう余地がある訳です。ですから一緒にやっていけるような接点を求めて積極的にそういう人達と話合っていく中で、共同で行動をとれるようないくつかのものを具体的にやっていくことになると思います。

【それぞれの主義、面子にとらわれて、本当に組合員の不安が考えられているのだろうかという疑問はないのですか】

現実にいろいろなグループがある訳ですから、その人たちと話し合って、何が組合員のためになるのか、どうすれば将来的にも国民の交通機関になるのか話し合っていくしかないと思います。

【法案が通った時点で、臨時大会を開くようなことはあるのですか】

まだ、考えておりません。

【組織防衛が大事か、組合員の雇用不安の解消が大事か、どちらに重点があるのですか】

労働者の要求、悩みに応えるために労働組合を結成している訳ですから、雇用を最重点に運動を展開するということです。その姿が理解されれば組織の問題も解消していくと思います。

【今までにそこに重点を置いた運動が撤回されたということで、組織の脱出が出たということではないのですか】

そうでもないと思います、逆に言えば、よく理解してもらうための運動不足といいますか、あるいは攻撃のテンポが速いのに追いつかなかったというか、いずれにしても、正しい運動で、しかも組員のためになる運動をやっていくということに変わりはありません。

以上
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国鉄改革のあゆみ 75

2010-08-05 00:39:09 | 国鉄改革関連
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本日も公企労レポートからの引用を始めたいと思います。

本日は、国労の見解です、国労は修禅寺大会で、大胆な妥協を含む労使協調路線に家事をとろうとしていた右派から、あくまで現行の路線を維持する左派が主導権を握り六本木委員長を選出、路頭に迷う組合員を一人も出さないという方針で挑むのですが、結果的には当初の予想通り、九州・北海道で半数以上の不採用者を出した他、本州3社にあっても意識的に国労組合員を本来業務から外す対応が取られました。

国鉄末期に直営売店や、直営飲食店が多数駅に設けられましたがその多くは国労の組合員でした。私が大阪駅で見た国鉄直営の「カレー屋」さんは、国労組合員の元運転士が業務に入っており、名札には元機関士〇〇と書かれていました。
この方たちが、国鉄からJRに採用されたか否かは分かりませんし、JR化後も国労のベテラン運転士を本来の運転業務から外すといったことも行われていたと聞いていますが、現在手元に資料がないのでその辺は記憶に頼るだけであり、いささか心もとないので今後検討課題でございます。

では、前置きが長くなりましたが、公企労レポート始めたいと思います。

雇用問題、社会党・総評軸に早急に対応
路頭に迷う組合員は一人も出さない。


【先の臨時大会では、激しい議論の末、厳しい方針の選択をされた訳ですが、新委員長として何を重点にして運動の展開をされていくのですか】

国鉄の改革問題について、国旗亜で審議が始まっていますから、早晩山場を迎えるでしょうが、分割・民営化はけっして国民のためにならないと思っています。国民のための国鉄は、全国一本のネットワークで国民の足としての役割を果たせるものでなければならないということで運動してきた訳です。ですから、分割・民営化反対の方針を掲げそれを今大会で再確認したということです。この決定を運動の中でどう具体的に実効のあるものにしていくかが中心になりますから、その中で世論に対する働きかけをもっとするとか、運動の広がりを求めるという中心的な役割を国労が果たしていきたいと思っています。現状を見ますと作られた形の中で、雇用不安がどんどんやられている訳ですが、この闘いの中で一人も路頭に迷うような労働者を出さないということで、雇用問題についても並行的に、真剣に取り組んでいきたいと思っています。

【国労としては好まない現象であるとしても、国鉄改革関連八法案が、11月5日の段階で成立するという見通しですが、方針の分割・民営化反対ということをどのように考えているのですか】

今の国会の勢力からしますと、いずれ法案は何らかの形で通ると思います。しかし、いくつか指摘をし、たとえば国民の側からもいろいろ問題にされてきた土地の問題とか、運賃が上がるということとか、そういういろんな問題は取り残されていく訳ですから、国民の足を守るという立場で、仮に分割民営化の法案が通ったとしても運動として継続的に取り組んでいくことになります。

【労働組合ですから組合員の雇用確保を第一義的に据えていたとしても、もう一ヶ月先にはそういう期待が崩れるということになるのではないかと思うのですが】

組合員はもちろん国民の皆さん方も今の国会の情勢とか、あるいはいろいろ進行している問題とかは、十分に承知であると思います。そういう中でどれが正しいのか、それが我々のためになるのか、労働組合のサイドで言えば、動やって国鉄労働者の権利を守るとか、あるいは家族を含めた雇用を守るとか、あるいは家族を含めた雇用を守るとか、そういう問題を真剣に取り組んでいくのかということが課題になってくる訳です。我々とすれば、何か機械的に分割・民営化反対という方針を掲げていたけれども、法案が通ったからだめであった、あとは何も残らないという行き方ではありません。それは、今までのいろんな運動でもある訳ですから。そういう立場で今、組合員が深刻に悩んでいる問題を一つでも二つでも積極的に解決していくという運動も併せて取り組んでいくということになります。

【現実には、大多数の組合員の最大関心事は、雇用の確保ということだろうと思います、法案が成立すれば必然的に余剰人員が出て、希望する鉄道に行けないということが、一番の問題になると思いますが】

そこが、一番の問題であると思います。ですからできるだけ国会の会期中に社会党を通じたり、あるいは総評と協議して具体的な対応を急がなければならないと思っています。今まで社会党や総評と進めてきたものが、中断した格好になっていますので、それによって若干のねじれがあるのではないのかという危惧する向きもありますので、我々としても積的に社会党や総評とも話をして、どう国鉄労働者の雇用を守っていくか、あるいはナショナルセンターである総評を強化するためにどのように努力するのか、また、社会党についてもこれまで以上の支持、協力関係をどう強めていくかという前提にたって、具体的に早急に話を詰めたいと思っています。

続く
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国鉄改革のあゆみ 74

2010-08-04 07:30:07 | 国鉄改革関連
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公企労レポートの続きを書いていきたいと思います。


【路線の修正、あるいは労使共同宣言を結びたいんだという人たちもたくさんいる訳ですが、この人達の扱いがたいへんむずかしくなるのではないでしょうか】

旧主流派に属する勢力の強い地方本部が国労内部でいくつか集まって連絡会議を設けて、その中で、否決された運動方針を支持するという噂があります。その中で1~2の地本では労使共同宣言をあくまで求めていくという話があります。
当局としての立場は、国労の中央が労使共同宣言をあくまで否定するという立場であるにもかかわらず、その下部組織である地方本部がいくら求めたからといっても、地本単位で協定を結ぶということは支配介入になるおそれがありますし、分裂を画策するといわれてもやむを得ない行為であり不当労働行為と言われますので、これは取ることができませんし、取るつもりもありません。
従って。地方段階でそういう声があるということは耳にしていますけれども、私共としては従来からの原則は変えるつもりはありません。また12地本といわれている連絡会議のグループの活動というのは、あくまでも国労内部の一つの意見を集合した団体であり、いろんな意見をもつのは労働組合の自由ですから、その中で同じ意見のものがグループを作って共に行動するということは当然ありうることですから、その限りにおいて私共としてはとやかくいうすじ合いのものではありません。私共としては対応期間はあくまでも国労の本部であり新執行部ですから、国労内部の任意のグループと直接に話をするということについては、大変考えにくいことであります。

【あと1月あまりで体制が固まり4月の新会社発足が現実になるということで、今の当局にとっては新会社を見越した新しい民間としての労使関係について見通しを立ていろんな作業を進めることになるのでしょうか】

これは率直に言いまして当局に取りましてんなかなか手の出しにくいところであります。いろいろな組合があって4月1日の展望をしたときにどうしていくかということについては第2次労使共同宣言を結んだグループはその中で組織動向を見て努力するという意思表明もある訳ですから、これは改革労組協が更に論議を深めて統一への方向へ歩み出して行くことをきたいしているところです。行事も行われており、14日には品川公会堂で改革労組協の集会があるなど、共同の行事を積み重ねることにより、少しでも早く統一へ向かってあゆみを続けてもらいたいと期待しているところです。
4月1日以降の労使関係ということになりますと、改革法23条の関係もあって当局がこれについて能動的に行動することは極めて制約されると考えておりますので、あくまでも設立委員会からその補助者としてああしろ、こうしろと支持があればそれに従って行動するということは考えておりません。
ただ気持ちは一企業一組合になってほしいと考えておりますから、この意味での公式、非公式な立場の中でもそれらの働きかけ、説得、意思疎通は図って行きたいと考えております。

【今の状態で進んでいった段階で従来と異なったものの言い方をするということはありますか】

我々としては違ったものの言い方にはならないと思っております。これから当面一番大切なことは法案を一日も早く通していただくことであり、これに全力を挙げることであります。
ダイヤ改正以降については現実を目の前に発生する余剰人員の問題がありますが、そういう人達に対して適切な要員管理を行っていくということが大切だと思います。
ダイヤ改正以降については現実目の前に発生する余剰人員の問題がありますが、そういう人達に対して適切な要員管理を行っていくということが大切だと思います。これは人材活用センターを十分に活用してその中で現場の管理がきちんと行われ新事業体への移行準備が行われていくことが大切だと思います。
その他労使関係上の問題としては、一応合理化問題としては11月1日までに全て終了することにしておりまして、あとは年末手当、期末手当の問題が交渉事案として残っているのかなとったところです。また、清算事業団における労働条件はどうするかということについては団体交渉で決めていかねばなりません。清算事業団における協約、約定というものはどのように見直していくかという問題は労使の関係になります。このような一種の残務整理的な事柄が今後労使間で話し合われていくだろうと思っております。
前向きな仕事という面から。これらは労使間で改めて話をしていくというよりは、お互いに構想を持ち寄って、この構想で気持が通じ合えれば大変結構なことだと思っております。

以上

参考

日本国有鉄道改革法 23条

(承継法人の職員)


第二十三条 承継法人の設立委員(当該承継法人が第十一条第一項の規定により運輸大臣が指定する法人である場合にあつては、当該承継法人。以下「設立委員等」という。)は、日本国有鉄道を通じ、その職員に対し、それぞれの承継法人の職員の労働条件及び職員の採用の基準を提示して、職員の募集を行うものとする。

2 日本国有鉄道は、前項の規定によりその職員に対し労働条件及び採用の基準が提示されたときは、承継法人の職員となることに関する日本国有鉄道の職員の意思を確認し、承継法人別に、その職員となる意思を表示した者の中から当該承継法人に係る同項の採用の基準に従い、その職員となるべき者を選定し、その名簿を作成して設立委員等に提出するものとする。

3 前項の名簿に記載された日本国有鉄道の職員のうち、設立委員等から採用する旨の通知を受けた者であつて附則第二項の規定の施行の際現に日本国有鉄道の職員であるものは、承継法人の成立の時において、当該承継法人の職員として採用される。

4 第一項の規定により提示する労働条件の内容となるべき事項、同項の規定による提示の方法、第二項の規定による職員の意思の確認の方法その他前三項の規定の実施に関し必要な事項は、運輸省令で定める。

5 承継法人(第十一条第一項の規定により運輸大臣が指定する法人を除く。)の職員の採用について、当該承継法人の設立委員がした行為及び当該承継法人の設立委員に対してなされた行為は、それぞれ、当該承継法人がした行為及び当該承継法人に対してなされた行為とする。

6 第三項の規定により日本国有鉄道の職員が承継法人の職員となつた場合には、その者に対しては、国家公務員等退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)に基づく退職手当は、支給しない。

7 承継法人は、前項の規定の適用を受けた承継法人の職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の日本国有鉄道の職員としての引き続いた在職期間を当該承継法人の職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。

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国鉄改革のあゆみ 73

2010-08-03 08:07:32 | 国鉄改革関連
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再び公企労レポートを綴っていきたいと思います。

国労は、国鉄分割民営化を容認する大胆な妥協路線を模索する右派と、強硬路線を継続することを是とする左派路線による対立が続き、結果的には従来路線を主張する左派がイニシアチブを取ることとなり、ここに来て国労は当局とは対立の構図を取らざるを得ない状況に追い込まれるとともに、総評、社会党からも距離を置かざるを得ない形となってしまいましった。その結果が、その後25年近くにわたって紛糾するJR採用差別問題になるのだがその根底はこのへんにあることを認識しておかないと議論がブレることになります。

少なくとも社民党【当時は社会党】は、この時点では自民党に対しても職員の採用についてかなり積極的に動いており、労使協調路線への転換により雇用を確保しようとしていたのですが、結果的に左派路線はその道すら絶ったことになります。【あくまで私見ですが】

前置きが長くなりましたが、公企労レポートの引用を始めます。
本日は、国鉄当局の見解です。

国鉄、南谷昌二郎労働課長【役職名は当時】

【国労中央本部が最後の機会として労使共同宣言あるいは雇用安定協約の締結を目的とした方針転換を出したが、これを臨時大会において大差で否決され従来路線を踏襲し当局と対立することになりましたが、この現実を当局はどのように受けとめていますか】

まず一言で言いますと今回の大会で執行部が提案した運動方針の修正が否決されたことは、労使共同宣言を否定し、合理化の推進も否定、労使協調路線も捨て去ったことになるわけでありまして、私共としては非常に残念だなという気がいたします。

大会終了後に新委員長のあいさつの中でも、その原則的な立場が再確認されたわけです。ただそうは言っても話し合いは当局としても続けなくてはならないことなので、たとえ路線転換ができなかっても、現実に世の中の動きというものが強硬路線を容認しないであろうし、また、分割民営化反対といっても現実に審議は進んでいきますし、そのようになることは間違いのない客観情勢がある訳ですし、その中で職員の雇用問題についても考えなければならない客観情勢であるわけですから、これらを踏まえて考えていった場合、さらに今後の新しい鉄道事業をどうすれば国民のために、職員のために運営していくことができるかということを考えたり、4月1日以降の労使関係、事業運営を考えていった場合にどうしたらよいのか出てくる答えというのはそんなに多くの選択肢があるわけではありません。ですから例えば分割民営化絶対反対だと言ったとしても本当にそうなるものかどうか。それが組合員にとって幸せな道になるのかどうか、という点について私共としては疑問に思うところでありますし、そのような立場から私共は、国労にとっては組合員でありますけれども同時に職員でありますから職員の幸せを考えた場合には何とか考えていかねばならないわけですから引き続き国労に対しても新執行部に対しても路線転換をする以外に道はないということを粘り強く語りかけねばならないし、その場合にも労使共同宣言は取らないと言っていますが、それではだめだということをあくまでも主張していきたいし、説得し理解を求めるようにしたいと思っております。

【建前としてそうでしょうが、こういうものが通じないということが厳然としているのではないでしょうか

私共としては、あくまでもそういうことで呼びかけてはいきますが、呼びかけに応じないということであるならば、限られた日数の中でスケジュールに従ってキチンとやるだけのことはやっていかなければならない立場ですから、その点は対応組織としてやらねばばらないことは手続きや手順を踏んでどんどん進めさせてもらおうと思っているところです。

【国労所属の職員で新会社へ採用されると信じている人が多いと思いますが、例えば23条の問題がありまして、新会社へ行けるものと考えていた組合員が行けなくなるという局面も出てくるのでしょうか】

一定の規模の人しか行けないので現実にそのような者が出てくることと思いますが、これは不本意ながら選にもれたという人が出ることはありうることと思います。

私共の基本的な立場としては、組合所属によって云々ということはありえないと思っております。これはどういう形で採用が行われるかは設立委員会が決めることとなっており、その設立委員の定めた基準によって国鉄総裁が名簿を作成することとなっておりますが、その際に所属組合が基準になるということはあり得ないことであります。
どのような基準が出るのか、総裁が国会で答弁されたように勤務成績が考慮されるというものであるならば、当然そういったものの中で従来の勤務態度に実績なりが反映されていくということと思います。この意味で厳しい選別が行われる訳ですから、そうすれば普段から真面目にやっている人は別として、いいかげんな勤務振りをしている人があるとすればそれは本人がいくら行きたくても行けないということになると思います。

【そういう意味での新会社の採用条件というものは他の会社でも同じですが、そんなに変わっているものではないでしょう】

勤務成績の因子が入らないというのはちょっと考えられませんね。

以下続くのですが、ひとまず筆を置かせていただきます。
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国鉄改革のあゆみ 72

2010-08-02 23:24:03 | 国鉄改革関連

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みなさん、こんばんは。

本日も公企労レポートの引用を始めたいと思います。

客観情勢無視、国労強硬路線を継続



組合員の雇用不安、解消の望み絶つ

社会党・総評・自民との約束ホゴ、苦悩隠せず

国鉄労働組合は10月9日・10日の両日注目の臨時大会を開催、中央本部が起死回生策として打ち出した柔軟路線を否決。執行部総辞職の結末となった。この間、妥協を見出すべく、OBを含め水面下の工作も行われたが、派閥の思惑違いから最悪の分裂状態となった。社会党、総評は労使関係正常化が国労の組織を守る最善策と政府・自民党、国鉄当局と公式、非公式の折衝を重ね、国労を指導してきたが、ホゴにされた形となった。臨時国会で審議中の国鉄関連8法案の与野党攻防にも影響が出そう。一方国鉄当局は、左派系執行部の出現で対立関係がさらに深刻化することは避けられないと見ている。改革労組協も国労路線は完全に崩壊した、国労組合員の脱退は増加すると予見している。新執行部は分割・民営化反対の強硬路線の継続に逆戻りしたが、法案成立の政治情勢は確実であり、国労組合員の間に高まっている深刻な雇用不安解消の望みは断たれた形となった。

新会社設立へ、準備作業急ピッチ

▽・・・国鉄の分割・民営化が明確となった中で、組合員の雇用不安と過半数を割った組織減少に苦悩する国労の臨時大会は「大胆な妥協」という新方針を反対183票、賛成101票の大差で否決した。採決に先立つ討論で主流派は「スト自粛を含む労使共同宣言の締結と、当局を相手取って起こしている不当労働行為に関する訴訟取下げ、人材活用センターの容認など、妥協を図る以外に選択の余地はない」と方針転換の必要を訴えたが、非主流派、反主流派は、「スト自粛、職場の安全点検、不当労働行為の摘発活動の禁止はまさに労働組合の自殺行為」と強く反発、互いに妥協の余地のない対立が表面化、泥沼に踏み込んでしまった。労使協調路線への転換が否決され、左派中心の新執行部が誕生したため、協調路線派の12地本は即刻「連絡会議」を作り、今後、社会党と総評の指導を受けながら、国労の組織内で、独自路線を取る方針を明らかにした。新執行部の昨日は困難になることが予想される。

▽・・・社会党、総評は期待した労使関係正常化への路線転換が否決され、反対派への新執行部が発足したことに苦悩を隠せず、国労に対する具体的な支援体制の見直しも迫られており、強硬路線を取る新執行部の考え方は総評の方針とあまりにもかけ離れすぎている以上、今後の労使関係は国労自体で行うべきだ、など国労と一線を画した空気が強まっていると言われている。

一方、政府は10月末衆院で法案を可決、11月20日頃には参院で成立すると見通しており、その後直ちに東日本、東海など新会社の定款作りを行う設立委員を任命、役員の選出など本格的な準備作業に着手する方針であると言われているだけに以下に雇用と組織を守っていくのか国労新執行部の対応が一段と注目される。

以上引用終り
次回は、国鉄当局の見解です。

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