国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

国鉄改革のあゆみ 57

2010-07-19 23:35:26 | 国鉄改革関連


にほんブログ村 鉄道ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 JR・国鉄



 ランキングに参加しています。

さて、今回も公企労レポートからの引用を続けたいと思います。
本日は全施労、滝口書記長の談話です。

本音で国民に社会的責任を明確化

【今回の第二次労使協調宣言は、新事業体へ踏み込んで新しい労使のあり方、民営・分割を支持する立場で行われた訳ですが締結の狙い、その意味するところを全施労はどう考えておられるか】

国鉄改革は、どんな事情があっても国民的課題としてやらなければならないという立場で、第一次労使共同宣言を明確にしながら努力し、今日の社会状況からも、国民からも期待されており、当然我々の立場からすれば、今後の鉄道事業の健全な経営を目指して、労使がさらに努力と協力をしなければならないと往古とで第二次共同宣言を締結した訳です。

ところが、今までこの第二次労使共同宣言前までは、それぞれの路線の違いがあったから、国鉄改革協議会というものの、それぞれの組合の自主性、主体というものによって一般論的に通用する国鉄改革という言葉を使ってきましたが、第二次労使共同宣言の中で明確にしたように、我々が国鉄事業発展のためには、現実的な改革の方法は分割・民営が基本であるという認識に立って、逃げの言葉ではなくて、正に、正面きって国民の前に労働組合が社会的責任を明確にした。少なくとも、改革協議会に参画した労働組合、我々と志を同じくする人達は、組織の統合、統一を対等・平等の立場で確立して、健全な労使関係を作ることが国民の期待に応えるものであるという強い認識を持っています。この立場を重視するならば、民営化されてスト権がふよされたとしても、健全な新事業体が確立されるまでは、争議権については自粛することを国民の前に明らかにし、このことによって共鳴、共感が得られる労働運動が出来ると思います。
同時に、社会的責任が果たせる労働組合の確立が出来るものだという立場で、第二次労使共同宣言を締結したのが、全施労の協議会に参画した本当の立場です。

【もう一点、非常に組合が関心があるのは、新事業体へのパスポートの件だと思うのですが】

第一次労使共同宣言の時に、雇用を確定するという立場で、労使が相協力して国鉄改革を進めるということであった訳ですが、だからといって全員が新事業体へ行けると言う訳ではなくても、労使共同宣言を締結した労働組合こそは、真面目に働く人達であり、当局自体も採用権がげんざいの当局にある訳でないから、そこまで突っ込んだ表現の仕方はかなり難しいと思います。しかし、労使で一次、二次と締結した経緯からも共同宣言締結時に結集した労働組合に総結集する組合員は、全て、雇用は完全に守られていると確信する。

以上、公企労レポート引用終了

ということで、全施労も鉄労・動労同様に、分割民営化を推進するのだと、そしてそれに伴い経営が安定するまでは争議権を自粛するのだと申し合わせています。

争議権がない公社時代に、違法ストを行い、逆に民間になってスト権が確立してからストを行わないという宣言をするのもおかしな話ですが、結局千葉動労を除けば基本的にはJRになってからはストライキという戦術を殆ど使っていません。【国労もストは何度か行っていますが、組織の規模が小さくなったため、拠点でのストライキ自体は殆ど業務に支障を来たさなかったと記憶しています。】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 56

2010-07-19 00:07:54 | 国鉄改革関連


にほんブログ村 鉄道ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 JR・国鉄



 ランキングに参加しています。

引き続き公企労レポートからの引用を続けたいと思います。
本日は、動労・福原書記長の見解です。

スト権、経営基盤確立まで保留

【今回の共同宣言は第1回のものをさらに発展、深化させたものと思われますが、この意義、狙いについてお伺いしたい】

これには二つの意義が有ります、第一は、最初の共同宣言でのべられている内容を深めたことです。
たとえば雇用の問題など、極めて表現が豊かであり、一層突っ込んだものとなっています。
第二に、第一次共同宣言が、改革するまでのものであったのに対し、これは新事業体移行移行における労使間の問題についてふれていることです。たとえば新事業体のあるべき方向、それを目的にした労使のあり方などで、改革協の側も、スト権が付与されたとしても行使については経営基盤が安定するまでは保留するということになっています。

【分割民営化を積極的に認めるという方向を明確にしているわけですが・・・・】

分割民営化をめぐっての国民的な議論、政府法案が出されたという事実を踏まえての政治的方向など、全体的な状況としていまや分割民営化の流れを逆流させるとか、単に反対を表明するとかいうことで国鉄改革はできません。したがって、分割民営という方向を確認した上で、デメリット部分を具体的にどう解決するかというところに軸を移動して全力をあげない限り、新事業体の発展はもちろん維持さえ出来ないという考えに立っています。
さらに全国大会を通じ、われわれの考え方も組織全体で意思統一されましたから、この状況を踏まえ今回の宣言で態度を明確にしたわけです。

【社会党案との関係はどうなりますか】

われわれは社会党と支持協力関係にあり、全国大会でも社会党案を土台に、薄めて横に広げるということを打ち出したわけです。社会党案が国会で有効に機能するかという点では大きな疑問があり、その内容について具体的に問題提起しますが、共産党を除く各野党と連携、政府案を土台として論議しないと、国民の理解は得られないと思う。そういう意味での限界を社会党案はもっています。

【望ましい職員像をめざし、組合員をどう指導されますか】

基本的には、動労が従来からやってきたことと変わりません。新事業体になっても、状況がばら色というわけではなく、黒字基調を維持するには並々ならぬ努力が必要です。そこにいる組合員は、もっと民間的手法を導入し、創造的に活動し、口だけでなく、骨身を削り、民間的精神をわがものとし、新事業体で自分の力を発揮することです。この点を全組合員に指導してきましたし、今後もその方針です。

以上公企労レポートから引用

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 55

2010-07-18 01:08:00 | 国鉄改革関連
みなさんこんばんは、今回も公企労レポートからの引用を続けたいと思います。
今回は、鉄労、(改革労組協・志摩議長)の談話です。

国鉄改革に最も積極的に取組み、分割民営化を推進することを組合運動としてきたのは鉄労であり出向や、一時帰休にも積極的に応じてきた組合でした、当時は運転所の公開などがいたるところで開かれており、民営化に向けての努力がされているときでした、そんな中、国労が出向反対、一時帰休反対とポスター等を掲示しているのに対し、分割民営化推進と堂々とっかれたスローガンや看板を上げていたのが鉄労でした。

ただ、この頃の国鉄の職場はかなり疑心暗鬼に満ちた状態だったらしく、お互いを監視しあう的な雰囲気があったようです。
ですので、実際にJRに採用されても採用を辞退する社員も多く、当初は過員を抱えてのスタートを想定していた本州各社は、むしろ定員割れの状態でスタートすることとなりました。

さて、そんな現場では疑心暗鬼が続く状態でしたが、本社及び本部ではどうなっていたのでしょうか。

四組合の関係はますます緊密化


【今回第二次労使共同宣言をされましたが、その意義と目的をお伺いしたい】

7月30日に、『国鉄改革労働組合協議会』として当局と国鉄改革労使協議会を開催して、我々が申し上げたことについてそれぞれ協議して参りましたことが、合意された事項として、俗にいう第二次労使共同宣言が出来た訳です。
来年4月に向けて限られた時間での労働運動ですから、中心課題は国鉄改革に向けざるを得ないので何としても労使がさらに共通の認識を高めなければならないというのが狙いで、第一次の共同宣言を結んでおりますが、共同宣言の趣旨等について、地方管理局等ではまだ生かされていない所もありますから、その意味でも意識改革を徹底して進めたいというのは同事業のあり方についての合意したという目的です。

【新事業体に向けて、改革労組協議会が主流組合として、リーダーシップをとるのだという考え方が背景にありますか】

一つは鉄道事業のあるべき方向については、どなたがどういっても民営分割以外に、鉄道事業は存続し得ないことが明白な訳ですからし、それに反対する労働組合に歩調をあわせるわけにはいきませんし、民営分割意外に国鉄を改革する方向はないということを労使が再確認したということです。

【今回、第二次労使共同宣言を行ったことにより改革労組協議会の四組合の歩調が益々整ったと見てよろしいでしょうか】

もともと改革協議会を作ったのは、経営問題、・雇用問題を中心に共通するおうs議題について共同歩調を取ろうということでやって来た訳ですから、改革組合協議会というのはこういう問題を手掛けていく目的を持っているか限りは、益々その関係については、親密な関係になったと思います。

【今後の鉄道事業に向けて、望ましい職員像の指導にはどのような取り組みをされますか】

国鉄改革の必要性を認めている労働組合がある訳ですから、国鉄改革は民営分割以外にないのだということで一生懸命努力している労働組合を基軸として、さらにそういう人達が、新たな事業体における職員として採用されるだろうということを我々は当局に求めてきたところですが、これからもそのことは強く求めていかねばならないと思っております。望ましい職員のあり方というのは率直に申し上げて、民営分割に反対という人は新しい事業体にはいきたくないといっているのと同じで、その人が新事業体に採用されることはないと考えております。

以上、公企労レポートから引用。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 54

2010-07-16 00:46:04 | 国鉄改革関連
みなさん、こんばんは、今回も国鉄改革に伴う公企業レポートを引用したいと思います。
前章の続きとなりますので、よろしくお願い申し上げます。

それは当然のことですが、能力、技能に優れているだけでなくて、企業人としての意識を持つとかあるいは向上心、意欲を持つような職員でなければいけないということです。
そしてこのような認識の下で労使共同宣言を結び、派遣など三本柱や企業人教育、広域移動などの施策を今日間ですすめてきたわけであり、実績も上げてきたのだということを相互に認めてきている訳です。例えば、派遣、休職などの三本柱というのは、ある意味ではそういうことの現われで、派遣に行ってきた人たちとか、休職でいろんな勉強をしてきたという人は、新しい事業体を担うにふさわしいような素養を身につけてきたという側面が十分にあるということを認めているわけです。

そして、広域移動も、そういう考え方で成されたものであり、また、労使共同宣言の中味を実践するということを通じて、新事業体を担うにふさわしいような職員を育成する努力をしてきたということです。だから、これからもこの努力はさらに進めていこうと言っている訳です。
 端的に言って、第一に分割・民営賛成、改革に協力、第二には、協調的な労使関係をめざして、組合の一本化を図り、新事業体になっても、健全な経営の基盤が定着するまでは、ストライキをやらないということ、三番目には、逆に、そういう努力を通じて新事業体を担うにふさわしい職員を育成してきたし、これからもその方向で確認し合っている訳です。ですから、組合にとってみると、今後の新しい鉄道事業体における雇用の展望ということについて、一定の積極的な面が出てきたという言い方が出来るのではないかと思います。

【第一次共同宣言は、雇用問題に限るというかんじもありましたが、これからは、社会の常識で容認されるような労使関係にならなければならないというようなことで、次元が高くなっていると思うのですが。】

第一次の共同宣言というのは、雇用対策の推進ということを中心に、現時点、そして、新事業体が発足するまでの間に何をするのかということを基本に据えていました。つまり雇用対策ですから、結果として、雇用安定協約を結ぶか結ばないかという問題とリンクしている訳です。今度のは、現時点からスタートして、新しい事業体に移行した後についてのことです。
要するに、今後の鉄道事業というのは、どういう姿であるべきなのか、どういう労使関係であるべきなのか、どういう職員が担うべきなのかということを双方で確認をしているわけです。ですから、前回のは、改革されるまでの間であって、今回のは、今からスタートして改革された後にも何をやっていくのかということを考えに入れていこうということです。その効果というのは、新しい事業体における雇用の展望をどう開いていくのかという問題になって、第一次共同宣言が、雇用安定協定であったのに対して、今回のは、新事業体における職員の雇用という問題に一定のニュアンスが出てきているというところに新しさがあると思います。

【そういうものを受け入れて締結したということですが、これに対する当局の受け止め方というのはどういうことですか。】

新しい労使関係を築いていく上で、非常に大きな前進であると思います。第一次共同宣言が締結されて以来、労働組合側の動きとしては、四組合の国鉄改革労働組合協議会というものが結成されています。これは、いずれ連合体からの組合の一本化をめざしていくということを明らかにしている訳です。もう一つの動きとして地域的、系統的に数多くの組合が生まれており労使共同宣言路線を歩んでいます。これらも、第二次共同宣言の中に入っていくことによって、今後の鉄道事業にけるあるべき労使関係に向かっての大きな軸が出来ることになります。
これは、非常に大きなことだと思います。やはり、民間型の労使関係というものが形成されるということが、改革の大きな成果として期待されている訳で、民営化したにもかかわらず、公社と同じような労使関係がそのまま継続されれば、企業は成り立たないわけですから、今の段階から民営化された後にも通用する労使関係の芽が出てきたというふうに見れば、非常に意味のあることであると思います。つまり、第一次共同宣言で一つの節目が出来て、第二次共同宣言でその流れが強くなったということです。

【そうしますと、国鉄改革労組協議会の路線というものが国鉄の労働運動の中で主流的な動きとして定着しつつあるということですね】

民間型の労使関係に向けての動きが着実に実績を上げつつあるということです

【ところで、国労との関係はどのようになっているのですか】

世の中どんどん変わっていますから、その流れの中で国労は、取り残されて来ているように見受けられ、そういう印象はぬぐい切れないところがあります。このままギャップは、だんだん拡大していかざるを得ないと思いますので、もう少し機敏に事態の流れに対応していくことを期待したいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 53

2010-07-12 01:12:46 | 国鉄改革関連
みなさん、こんばんは、本日も公企労レポートからの引用スタートさせたいと思います。

本日は、国鉄当局側から見た労使関係についてです。

国鉄葛西職員局次長(当時・現・JR東海会長)の見解です。

民間型労使関係確立に向け着実に前進 新事業体の雇用問題に一定のニュアンス

第一次の成果を確認、更に拡大へ

【今回第二次労使共同宣言を締結されたわけですが、今後どのように取り組んでいかれるのか】

1月に締結した労使共同宣言の基本となっているのは、雇用問題を円滑に推進するということです。そのためには、自分たちの自助努力というものを徹底するということです。
それによって、国民各層の理解、共感を得て、雇用対策をスムーズにして行こうと始めたわけです。そして、大変大きな成果をあげてきたわけです。
その労使共同宣言を結び、雇用対策を進めてきた過程で、労使間の信頼関係というものが、更に一段と深まり、その結果として、単に雇用関係だけでなしに今後の鉄道事業というのは、どういうふうにあるべきか、それが健全な発展を遂げていくために労使は何をしたらよいのかと言うようなことについて、共通認識ができてきたということです。その共通認識できたところをここで再度確認し、整理して、更に労使一致協力の成果を拡大していこうということで、第二次共同宣言を行った訳です。そこで、今までの労使共同宣言はどうなるのかと言えば、それは依然として生きているわけです。ですから、ストライキはやらない。合理化を進める。職場規律を是正する、あるいは余剰人員対策を推進していくということも、そのままやっていくということです。今回は、それに第二次共同宣言を付け加えて、第一次と併行して進めていこうということです。
その中味としては、一つの今後の鉄道事業のあるべき姿というのはどういうものかということで、「鉄道改革」というのは、分割・民営による以外にないということを認め、しかもその方向に沿って一致協力して尽力しましょうという約束をした訳です。もう一つは、これからの労使関係というのは、どういうふうにあるべきなのかということで、まず協調路線をベースとして、これを結ぶ協議会などの組合は、いずれ1本化の方向を推し進めていくということを言っている訳です。そういうような中で、新しい今後の鉄道事業の中において、労働組合協議会が、労使関係の基軸になっていくようにしていこうという認識を明らかにしている訳です。そういうことの結果として、新事業体になってストライキ権が与えられた場合でも、健全経営が定着するまでの間は、ストをやらないということを言っている訳です。これが、労使関係の共通認識です。
それから、新しい鉄道事業体における望ましい職員の姿についても確認しています。

まだまだ続くのですが、長くなりそうなのでここでひとまず切らせていただきます。

ここで、当局としては、第一次労使協調宣言により、余剰人員の解決を図ると共に、そのためには労使が最大限の努力をするということを申し合わせしたものが、労使共同宣言でありこれにより一定の成果を得られたことから、更に深度化したものが第二次共同宣言であったといっているわけです。
一般企業から見れば至極当然と思われることが出来ていなかったということに驚きを禁じえませんが、少なくともこれに応じた組合はしかるべく民間企業への移行に際しての覚悟は出来たと思うしそれが出来たことを当局側も認めたことで更に深度化した第二次共同宣言に移ったといえます。
これは、すなわち労組の側からすれば、組合員の雇用を守る切符を手に入れたと解釈したともいえますし、当局としても新会社の意向に沿った働きをしてくれる社員の確保は最重要事項ですからいわば「飴と鞭」を使い分けながら自然と労労間での対立と振り分けをされる環境を作って言ったともいえます。

いかん、頭が回っていないのでもしかしたら支離滅裂になってるかもということでひとまず寝ます。

最後に、第一次労使共同宣言を載せておきましたので参考までにご参照ください。

第一次労使共同宣言

昭和六一年は国鉄改革が国民課題となる重要な年だが、なかでも余剰人員間題の解決は今年度の最大のテーマとなる。これは同時に、職員一人ひとりの生活の場を確保するという問題でもある。回鉄改革にあたり、まじめに働く意思のある職員が生活の基盤を失うことがあってはならないという点について、労使の認識は全く共通である。十分な雇用の場を確保するためには、労使一致した雇用確保の努力に加えて、政府・一般産業界の積極的な支援が不可欠であリ、これは経営全般にわたる労使の自助努力に対する国民各層の信頼と共感を得て初めて可能になるものでおる。このような共通認識に立ち、雇用安定の基盤を守るという立場から、国鉄改革が成し遂げられるまでの間、労使は以下の項目について一致協力して取り組むことを宣言する。
労使はその立場をこえて、以下の課題について最善の努力をつくす。
(1)安定輪送の確保、安全輸送の推持が国鉄労使に対する国民の信頼の基盤であリ、労使は緒法規を追遵守し、全力をあげてこれを実現する。
(2)一人ひとりのお客様に明るく笑顔で誠意のこもった対応をしていくことが輸送サービスに従事する者としての基本であり、そのためには、まず第一にリポン・ワッペンの不着用、氏名札の着用等定められた服装を整え、お客様に不快感を与えない、折り目正しいサービスの提供に努めることとする。
(3)飲酒・酒気帯ぴ勤務、点呼妨害等企業人としてのモラルにもとる行為の根絶に努める。
鉄道事業の再生を図るに不可欠なことは、厳しい競争場裏において将来を展望し得る企業体質を作ることであり、そのために必要な合理化は労使が一致協力して積極的に推進し、新しい事業経営の体制を確立することとする。
余剰人員対策について労使は決の点に具体的に取り組むこととする。

(1)派遺制度等を積極的に推進する。
(2)従来の特退協定に基づいて、退職勧奨を積極的に推進する。
(3)新たな希望退職制度の法的な措置がなされたのちには労使はその円滑な運用により目標の逮成に向けて積極的に取り組む。
(4)職員の将来の雇用の場の確保・拡充について労使が一致協力する。
4上記の事柄を積極的に推進していくために「再建問題等懇談会」等労使間のルールに則った話し合いの場を従来にも増して活性化し、活用していくこととする。

top
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 52

2010-07-10 00:37:59 | 国鉄改革関連
本日も公企労レポートからの引用を始めたいともいます。

▽・・・・第二次共同宣言は、今年7月に、鉄労、動労、全施労、真国労の四組合が協議会を結成、国鉄の分割民営化後をにらんだ新しい事業体の労使関係の確立を目指し共同歩調をとって活動する方針を打ち出し、当局と国鉄改革労使協議会を設置し、協議を重ね、来年4月に向け、労使とも限られた時間の中で、国鉄改革を進めるため、労使がさらに共通認識を高めることにしている。組合側は改革労組協の組合員を新事業体に優先雇用することを明文化するよう求めていたが、文書表現として明確になっていないが「国鉄改革労使協議会」が今後の鉄道事業における労使関係の基軸として発展的に位置づけられるよう、緊密な連携、協議を行うとし組合側の要求を一応配慮した形となっている。

▽・・・・第1次共同宣言の基本は雇用問題を円滑に推進する、そのための自助努力の徹底、国民各層の理解、共感を得て、雇用対策の円滑な進展が狙いであったが、その過程で労使の信頼関係が深まり、今後の鉄道事業のあり方へと発展、共通認識を再確認、労使の一致協力の成果を拡大、新事業体における職員の雇用問題に一定のニュアンスが出たところに新しさがある。これは今後の労使関係を築く上で大きな成果となり、第1次共同宣言締結以来、四組合の改革労組協議会の結成、連合体から一企業一組合を目指しての方向付け同一路線を歩むものの大同団結、第二次労使共同宣言への参加、今後の鉄道事業における労使関係の基軸確立した。
 今後は、民間型の労使関係の形成へ各組織がベースを速めることになるが新事業体に移行しても鉄道事業の前途は厳しく公社時代と同じ労使関係が続くようでは、企業として成り立たない。第二次共同宣言の内容をさらに発展、各実共に民間型労使協議制を形成、新鉄道事業体の誕生が待(た)れる(原文・待れる)。

本来新会社が社員を採用することという立場をとっていることから、積極的に雇用を全面的に確保すると書けないが、改革派組合には実質的に雇用の確保を暗に仄めかす表現としているとこのことなので早速見ていきたいと思います。

以下、第二次労使共同宣言全文をアップしておきます。

第二次労使共同宣言

国鉄と「国鉄改革労働組合協議会」(以下「組合」という。)は、「労使共同宣言」の調印を行つて以来、「国鉄改革にあたり、真面目に働く意思のある職員がその生活の基盤を失うことがあってはならない」との共通認識を基本に、真剣に協議を重ね、連携、協調を図りつつ、余剰人員対策の完遂のために全力を尽くしてきた。
この間、労使の信頼関係は一段と深まり、ひとり余剰人員対策にとどまることなく、鉄道事業の再生を達成し今後の鉄道事業が健全な発展を違げるために労使は何をなすべきかについて、更に広汎な共通認識を持つに至った。よって、その主要な一致点について整理・確認し、既に労使が推進中の「労使共同宣言」に加えて、今後の鉄道事業の発展のため一層の努力をすることにより、労使協調の成果を期することとする。

鉄道事業のあるべき方向について

「組合」は、国鉄経経営の現状に鑑み、鉄道事業再生のための現実的な処方護は、政府及ぴ国鉄が推進している「民営・分割」による国鉄改革を基本とするほかはないという認識を持つに至った。故に労使は、これまでに築いてきた信頼閥係を基礎に、国鉄改革の実施に向かって一致協力して尽力する。

あるべき労使間係について

今後の鉄道事業の発展のためには、相互の理解と信頼に基づいた協調的な労使間係の確立が何よりも重要であることは労使の一致した認織である。この視点に立ち、「組合」は組織的続合への一層の努力を払うとともに、労使は「国鉄改革労使協護会」における議論を更に充実させ、「国鉄改革労使協護会」が今後の鉄道事業における労使関係の機軸として発展的に位置付けられるよう、緊密な連携、協議を行う。このような、労使関係の帰結として「組合」は、今後争議権が付与された場合においても、鉄道事業の健全な経営が定着するまでは、争議権の行使を自粛する。

望ましい職員像について

今後の鉄道事業は、その健全な発展を遂げるためには、業務遂行に必要な知識と技能に優れていることはもちろん、企業人としての自覚を有し、向上心と意欲にあふれる職員により担われるべきでおることについて、労使は完全に認織を一にしている。この考え方に立ち、労使はこれまでも積極的に派遣・休職制度等いわゆる三本柱、直営売店、広域異動等を推進し、ざらには「労使共同宜言」に則リ、着実な努力を重ねてきた。今後は、さらに必要な教育の一層の推進を図るとともに、労使それぞれの立場において職員の指導を徹底する。


昭和六一年八月二七日
日本国有鉄道総裁     杉浦喬也
国鉄改革労働組合協議会議長  志摩好達


引用 
国鉄があった時代 第二次労使協調宣言から引用

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 51

2010-07-08 23:43:44 | 国鉄改革関連
今回は、9月5日付の公企労レポートからの引用になります。

このレポートでは、民営化後も争議権を自粛するという、国鉄史上画期的な平和協定が結ばれたことです。

かって、国鉄=ストライキ というイメージがあっただけに、今回の協定は大変画期的なものがあります。

以下、公企労レポート前文から引用させていただきます。

民営・分割支持、新会社でも争議権自粛
労使協議制を基軸に協力体制を鮮明 国鉄史上画期的な平和協定の継承に踏み切る
国鉄と国鉄改革労働組合協議会は「第二次労使共同宣言」(今後の鉄道事業のあり方についての合意事項)を締結した。一方国鉄監査委員会も機を一つにして監査報告書を橋本運輸大臣【当時】に提出し、「鉄道事業の維持・発展には民営・分割・労使関係の安定が不可欠」と指摘。
「第二次労使共同宣言」はさらに労使一体となって国鉄改革に取り組むため、
一、組合側は国鉄改革は分割民営しかないとの認識に立つ、
二、国鉄改革労組協と国鉄が作る「国鉄改革労使協議会」を今後の労使関係の基軸に置く、組合は鉄道事業の健全経営が定着するまでスト権行使を自粛する、
三、今後の鉄道事業は企業人としての自覚、意欲ある者により担われるべきである、

が骨子となっている。

1月に鉄労、動労、全施労、同5月に真国労が当局との間で締結した労使共同宣言をさらに発展させたもので、改革労使協議会が国鉄内の一企業一組合を目指し、主流組合としての地位確立を図っており、分割民営に反対する国労はさらに窮地に立たされることになる。
引用終わり。

ということで、今回は改革四労組が宣言した、第二次労使共同宣言は、いわば新会社へのパスポートを受け入れたことを生みするとも取れる内容であり、実際に現場レベルでもそのように受け取っていた人も多かったと思う。

昭和61年当時は、夏休みなどに機関区や電車区などの公開が行われており、現在の車庫公開の魁みたいなことを始めた時期でありました。

そんな中、事務室などは施錠されていますが、共用部分であるトイレなどに続く廊下に掲示板などがあり、そこには今月の出向者とか、退職前提休職の告知など、いよいよ国鉄が解体されていくのかと肌で感じたものでした。

また、鉄労は当初から労使協調を基本としていましたから、鉄労のスローガンが「分割・民営化推進」であったのに対し、国労は「分割民営化阻止」といったビラや立て看板があったことも今書き込みをしながら思い出しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 50

2010-07-08 00:26:53 | 国鉄改革関連


にほんブログ村 鉄道ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 JR・国鉄



 ランキングに参加しています。

公企労レポート、再び始めたいと思います。

今回は、森原総評議長の談話です。

【同じ公労協の中で、動労と国労とが路線の違いが根底にあって、総評大会が引き金になったということになっていますが、今回、動労の公労協からの脱退をどのように受け止めておられますか】

社会党案を基本、総評を舞台に対応

動労の言い分は、総評は国労に片寄っている、雇用を守るために骨身を削っていないではないか、そういう国労に加担をして、動労を袖にしたと言っておりますが、私はそれ自体は全く間違っていると、私も総評の闘争委員会の副議長をやっている訳ですが、どちらかと言えば国労をずいぶん厳しくたしなめて、動労の意見を吸い上げながら一つのものへ纏める努力をしてきたつもりです。従って大変不満に思っています。
ただ、だからと言って動労はけしからんと言って見ても意味のないことで、問題は国鉄闘争を成功させることが、これからの総評運動、労働運動にとって一番重要だろうと、これが成功するとすれば動労も反省しなくてはならないだろうが、今の段階でとやかく言うべきではなく、まずもって国鉄闘争の成功のために全力をあげようという立場をとっております。

【公労協へも脱退通告していますが、もう説得の余地はないのですか】

引き続き、説得の立場はとって降りますが、事実上今の段階ではどうにもなりません。総評のぶだいに移っています。

【動労の言い分だと、社会党案にしても、総評の決定にしても日頃従ってきたのは動労で、その決定を破ってきたのは国労ではないかと・・・】

国労自身も組織が混迷してきたことも事実ですしなんとしても雇用と組織を守るという労働基本運動本来の姿に立った方針をきちっと立てろということを言ってきた訳です。
なんとしても内部ですっきりしないとだめだということを言ってきた訳ですが、結果がああいうことになったわけですから、今度は総評段階でさらに説得をしていきますけれどもまずもって国鉄闘争は、社会党案を基本にしながら総評を舞台に闘っていくしかないと思います。貶しても意味のないことですから。

【だんだん公労協も寂しくなりますね。公労協としか何か手を打つといったことは・・・】
代表幹事の中で努力は引き続きやっていますが、見通しは極めて暗いです。

*****************************************************************
取材・記事の執筆等はお気軽にお問い合わせください。
下記、入力フォームからお送りいただけると助かります。
http://jnrera3.webcrow.jp/contact.html

日本国有鉄道研究家・国鉄があった時代
http://jnrera3.webcrow.jp/index.html
*****************************************************************
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 49

2010-07-04 23:31:36 | 国鉄改革関連



にほんブログ村 鉄道ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 JR・国鉄

今回は、同じ総評に加入している国労の見解です。
今回も、記者と国労秋山企画部長の談話という形式で話が続いていきます。

国労は、動労の主張は全く受け入れできない、少なくとも組合同士が闘う、まして同じ総評にいた動労と国労が組織の生き残りをかけていくことは、いわば同士討ちであり労働組合の指導者としてはどうかと思うという厳しい意見が述べれられています。

以下長文になりますが、一気に引用したいと思います。

『組織問題には我々も厳しく対応する 国鉄労働者間に差別があってはならない』

言いがかりに過ぎない動労の主張

【動労が総評、公労協を脱退しました。国労はかなり厳しい国労(ママ)労働?対応をやっているわけですが、この動労の動きをどう見ておられますか】

今まで色々ありましたが、国鉄闘争という立場で出来るだけ一致点目指してやってきました。こうして唐突に総評大会から退場・脱退が行われたわけですが、国鉄問題が緊迫しているときだけに残念という感じです。

【今後の対応となるとどうなりますか】

組織問題で相当厳しくなるということであれば、私どもも厳しさをもって対応せざるを得ないと思いますが、問題は現時点で労働組合としての選択の道の話でしょう。私どもとしては今一番大切な時期に総評から離脱するということは、一般的には残念なことと思いますが、離脱する理由が四組合協議会の中で語られているように、あたかも国労つぶしが国鉄改革だというようなことは、同じ労働組合として如何なものかという気持ちがあります。

【脱退の理由に社会党案を基本にしながら総評を舞台に闘う方針に動労は一貫して従ってきたといっていますが・・・・】

総評や社会党に対して私どもの組織の現実というものは分かってもらっており、ある意味では社会党、総評の趣旨に沿いかねる場合もありましたが、出来るだけ労組としてきちっとしていきたいとしてやってきました。動労がいっておりますように今回の総評大会が仕組まれたかどうかというようなことが問題でなく、労働組合としての対応というものを総評全体や単産がどう評価したのかというのが問題です。

【そうしますと、残るのは兄弟組合が激しい組織の対応ということになりますね】

組織間の対決と同時に、国鉄改革の中での職員の差別の問題ですね。四組合のほうは国労を差別せよと言ってくるでしょうし、私どもしては国鉄労働者の間に差別があってはならないということで行くわけで、これをめぐって、これは本格的な対立になるでしょうね。
どちらの言い分が正しいか、これは総評、社会党だけでなく、これまで国労、動労を支えてきてくれた人たちが判断してくれるものと思います。

【ここまでくると、長い付き合いではあったが、淡々としていく、ということですか】

松崎さんの最近の言動というのは、労働組合指導者としてあるまじきものと思います。国労と動労との間に、今何かを期待することは到底あり得ない状況にあると思います。

ということで、国労のキーワードは、「労働者の平等」、それに対し、動労のキーワードは、「組合員の雇用の確保」この二つの温度差が明暗を分ける結果となったように思います。

少なくとも、国労もこの時点で動労に多少でも歩み寄りを見せていればもう少し変わった展開になったと思うのですが。
いかがであろうか、ちなみに動労は昭和54年、体制の違いから中核派が中心であった動労千葉地本を斬ることとし、結果的に「国鉄千葉動力車労働組合」を結成現在に至っています。
ここは、今も国労と共闘し、JR不採用問題などについても闘っていますが、正直それほどの力があるとも思えず既に過去の遺物になりつつ感じるのは私だけでしょうか。

*****************************************************************
取材・記事の執筆等はお気軽にお問い合わせください。
下記、入力フォームからお送りいただけると助かります。
http://jnrera3.webcrow.jp/contact.html

日本国有鉄道研究家・国鉄があった時代
http://jnrera3.webcrow.jp/index.html
*****************************************************************

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 48

2010-07-04 01:11:43 | 国鉄改革関連

にほんブログ村 鉄道ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 JR・国鉄



 ランキングに参加しています。

すべての公企労レポートがあるわけではありませんので、国鉄→JRになるまで位しかお届けできないかも、しれませんが力いっぱい書き込みを続けますので応援お願いします。

さて、公企労レポート、今回は動労に対する国鉄当局の見解です。

今回の動労による総評脱退劇は当然の結果であり、むしろ国鉄改革に向けて動きやすくなったのではないか、と評価しています。

早速、公企労レポート~引用したいと思います。
インタビューに応じたのは、南谷労働課長【昭和60年9月から現職、後のJR西日本会長】です。

【動労の総評脱退は、国鉄の今後の労使関係にどういう影響をもたらすでしょうか。また、この実情をどう理解しておられるでしょうか】

動労が最近とっている行動様式からすれば、むしろ総評内にいることが、動労にとってこう動きたい、こうあるべきだ、ということに対してブレーキになっていたのではないか、という感じがしていました。しかし、動労としても自ら飛び出すというようなことは極力避けたかったでしょうし、かといって現実的な動きをしようとすれば、総評にいればやりにくい、行動の自由を確保できないということがあり。その意味では今回の行動は結果として、こんご動労が意思決定する上でプラスになると思います。

私どもにとっても現在の動労の考え方は、国鉄改革を進めていく、新しい労使関係を作っていくことに足場をおき、労組の基本である雇用を確保していくということで、これは私どもと歩調が合っているわけで、総評からの脱退が行動の自由を確保できるという意味において好結果だと思います。何故(なにゆえ)動労が総評にいることによって拘束を受けるかといえば、国労の行き方と動労の行き方が違うわけです。
 それが同じ総評内におり、国鉄闘争対策本部という形で調整したわけですが、総評も動労の行動に対して同情を寄せ理解を示しながらも、国労の行動に対して注文をつけながらも、数の上では国労が大きいということから、国労の方にひっぱられいうか、そちらに足並みをそろえさせる努力が行われてきました。
本来ならば総評が指導力を発揮するためには、動労が動き出したすれば、国労を動労の方向へ引っぱるべきです。しかし、それができず逆の動きをしたことから、こういう結果になったのだろうと思います。総評大会での議論の場というのは、動労が包囲された格好で、動労悪者論の中で、とび出さざるを得なくなった状況作りがされたとどもは見ています。
総評の昨年来の動きからみますと、何か解し難い動きだと思います。
役員構成の問題も、聞くところでは、色々あったようですが、それもさることながらそれ以前に動労に対する厳しい非難があったことは理解し難いことです。
動労は、労組として本当に真面目にやってきたと思いますよ。
少なくとも国労よりはるかに真面目ですよ。それが総評大会の論議はまるでアベコベですから私たちにとって総評というところは全く不可解としか、言いようがありません。

【動労は今回の脱退で足かせが取れ基本路線を従来以上に積極的に展開するとおもいますが、これから、よりスピーディに対応できることになりますね】

そのとおりと思います。逆に総評としては、結果として今後、国労と一体で進めざるを得なくなったわけですから、それがどういう形で出てくるか、推移を見守りたいと思います。

というわけで、国鉄当局とすれば総評を脱退した動労に対し大変高い評価を与えています。
そして、総評という組織に関してはこの時点では国労の動きを支えざるを得ない状態となったわけで、ある意味、国鉄改革という荒波のなかで泥舟から降りられなかったのが国労であり、総評なのかもしれません。

そして、泥舟から素早く逃げることができたのが動労だったと。

これを現在の政治状況に置き換えてみますと・・・そうならないように皆様の賢明な判断を仰ぎたいと思います。



*****************************************************************
取材・記事の執筆等はお気軽にお問い合わせください。
下記、入力フォームからお送りいただけると助かります。
http://jnrera3.webcrow.jp/contact.html

日本国有鉄道研究家・国鉄があった時代
http://jnrera3.webcrow.jp/index.html
*****************************************************************
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 47

2010-07-03 07:47:24 | 国鉄改革関連


にほんブログ村 鉄道ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 JR・国鉄



 ランキングに参加しています。

総評と袂を分かった動労に対し、総評議長は何らかの動きを起こそうとしたみたいですがその辺りを公企労レポートから引用してみたいと思います。

公企労レポートによりますと、動労と総評との亀裂は決定的となり修復は不可能といえる状態になっています。
とりわけ、総評の役員が、「動労は総評で追い詰められたから逃げた」とか「総評の利用価値がなくなったから脱退した」といういわば、無茶な言い分を並べていることに対し、かなり怒りを感じているようです。

【総評議長は、委員長と合って何とか翻意をうながすということが言われていますが・・・】

われわれが脱退をした理由は国鉄方針、役選の二つをめぐってのことです。いまさら総評が役選、方針を変えることはできないでしょう。したがって総評脱退をひるがえすことはあり得ません。しかし、総評がこの問題に関してどう捉え、どのような指導性を発揮するか、そのすべてを否定するものではありませんが、これについてマスコミを通じての真柄事務局長発言はわれわれを全く許しません。
 何を言っているかといいますと、動労が脱退した第一の理由は大会で追い詰められたからであろうと言っています。あるいは、総評を利用するだけ利用して、利用価値がなくなったから脱退をするということではないかとも言っています。
こんな低レベルな問題の捉え方では全く憤まんやるかたない思いです。
また、社会党からも出ることになったと党の幹部でもない労働組合の役員が言っていることはどういうことかという思いがします。総評からの松崎に対する働きかけということがマスコミで言われましたが、真柄さんが来たわけではなく、常任幹事の方が代表として訪れまして真意を聞かせてくれということでした。われわれは逆に。真柄さんの真意を聞かせて欲しいといったところ本人でないから答えられないということでした。総評の不誠実がはっきりしたわけで、総評に戻るということはあり得ません。

総評への復帰は今後もなく、独自の路線を選択した動労は、総評に留まった国労の組織的攻撃に対しても余裕の対応で、喜んで受けるという余裕すら感じさせます。
ここには、当局との間で確固たる雇用の確保への道筋が得られたことへの余裕なのかもしれません。実際に、国労が雇用安定協約を破棄され、追い詰められているのに対し、動労他四組合は雇用安定協約の元ある程度の安心を確保。
さらには、動労を除く他の組合が同盟系であったのに対し、唯一総評加盟の動労が、袂を分かつのは時間の問題であったと思われます。
総評との訣別を図った動労は、そのまま独自路線を歩むとともに一企業一組合の統合に向けて進むとしていたのですがこの点はなかなか進まないようです。

【今後はどういう方向に進まれますか】

われわれが総評から脱退したことで、総評以外のナショナルセンターのレベルで動労への働きかけをするかどうかの論議があったように聞いていますが、労戦統一の大きな流れがありますし、新事業体になれば民間労働組合になるわけですから全民労協加入を決定してこの流れに積極的に参加していくことになります。当面は国鉄改革労働組合協議会ができたわけですから、ここを活動の一つの軸として国鉄改革を進めること、また一企業一労働組合を作ることに向けて全力をあげたいと思います。国労は動労への組織攻撃をかけるといっていますが、これについては有難く頂戴します。

そうひょう

【四組合の間は、とに角いろいろあったわけで、4月1日を目指してどういう方向で進むということになりますか】

協議会を結成してこれから総連合を目指すことになります。それがを通じて一企業一労組への方向へ進むことになるわけですが。われわれはできる限り早くこの道筋を達成することが必要だと思っています。国鉄改革から新事業体の活性化を図るためにはその一方である労働組合が健全な労働組合として強力に発展することが重要なわけで、政治スケジュールからして法案成立段階、新事業体への移行の段階、それを一つの軸にして総連合、一労働組合に発展させることが極めて自然だと考えています。ただし鉄労とわれわれの間には、ニュアンスの違いがあります。これは無理からぬことで、鉄労側からすればかってマル生を含め、動労との間にさまざまな問題があったことは事実です。それについては鉄労大会で和解を前提に陳謝しました。しかし、下部組合員にはまだ感情としては残っている事は否めませんから、鉄労としても即動労と一組合ということはできにくい事情は理解しますが、そこは具体的な行動を通じ、人間的信頼関係から組織の信頼関係に高めていくことが重要なことと思っています。

現場レベルでの、鉄労の動労に対する感情を信頼を得ていけるかが大きな問題となっていくのですがこの辺は、当然のことながら時間がかかりそうというか、結局最終的には折り合わず分裂するのですが、呉越同舟とはいえ、同じ目的に向かって、かって「鬼」と呼ばれたその組合は、同じ目的に向けて舵を取り始めたようです。

以上公企労レポートからの引用

*****************************************************************
取材・記事の執筆等はお気軽にお問い合わせください。
下記、入力フォームからお送りいただけると助かります。
http://jnrera3.webcrow.jp/contact.html

日本国有鉄道研究家・国鉄があった時代
http://jnrera3.webcrow.jp/index.html
*****************************************************************
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 46

2010-06-30 08:25:29 | 国鉄改革関連


にほんブログ村 鉄道ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 JR・国鉄

 ランキングに参加しています。

公企労レポートに見る国鉄改革も少しピッチを早めて生きたいと思います。
今回は、昨日に引き続き動労福原書記長の談話です。

>たとえば、各県評、単産から出された意見では、国労からのワンサイドの情報を基礎にしまして、デマを含め動労に対する中傷、誹謗の意見が続出しました。
これをいさめるということもありませんでしたし、答弁の中には、さらに動労に対して矛先を向けることを示唆するようなものがありましたし、われわれとっしてはこれらの意見についてこの間の苦しい闘いを踏まえなければ受けるわけにはいかないと考えています。

一例をあげますと、福岡の県評の方の発言というものは、われわれがなみなみならぬ苦労をした広域移動の取組みについて、宿舎も決めていない、仕事も決まっていない、そういうことをよくも動労はやるものだ、民間でもこういうことはしないという、全くでたらめな発言をしているわけです。こういうデマがまかり通って、しかもこれに基づく方針が作られるような総評体質、あるいは総評の指導性、それについてわれわれとしては強い不満を持っています。
こういうと感情的レベルに聞こえるかもしれませんが、そうではなくて国鉄の問題について方向を決める今回の総評大会でありましたし、国鉄問題を通じて総評労働運動の帰趨を決められるような状況下においての論議であったわけですから、われわれとしては、単にわれわれの方針と相反するからということだけでなく、あるいはデマを浴びせられたということだけではなく、大きな意味合いにおいて極めて問題があると判断しています。
 しかも、総評大会だけではなく、3月10日の動労・国労・総評の三者会議、あるいはそれ以降国鉄再建本部の会議、企画委員会の会議等の中で、わが動労は成果を含めた報告をしてきましたが、そのことが受け入れられることにならず今日遂に国労救済ということに踏み切ったわけです。
 このような一連の過程から見て、もはや総評に止まることは国鉄改革を成し遂げることも、わが動労の血と汗で作り上げた成果をさらに発展させることも不可能である。総評の労働運動をさらに発展させることも、われわれとしてはこれ以上なし得ない、この段階では総評から脱退することが賢明であると判断したわけです。

ということで、動労が総評から脱退した経緯について書かれているわけですが、総評全体が、国労に対しては好意的であったのに対し、動労に対しては地方も本部も含めて批判的立場にたたされたこと、いわばボタンの掛け違いというか、ここにきて現実路線ではなくイデオロギーだけが優先された形になったとも読み取れます。

動労も決して一枚岩ともいえなかったと思うのですが、運転職場に特化した組合であったことや批判も多々あるでしょうが、松崎委員長のカリスマ性も大きかったといわざるを得ないと思います。

実際に、JR発足後の一企業一組合への統合に際しては再び方針の違いから旧鉄労系の鉄道労連と、旧動労系の流れを汲む鉄道総連に分離対立するのですがそれはもう少し先の話。

この時点では、雇用を守ること、組合組織を守ることに特化した動労に分があったようで、少なくとも国鉄当局に対して優位性を保っていたわけで、流れに乗るという点では総評の脱退を早めに決めた動労はうまく時流をつかんでいたといえます。

さて、再び公企労レポートに戻ります。

【これまでの一連の過程から、脱退の事態もある程度予測されたわけですか】

そのように言ってさしつかえないと思います。たとえば鉄労との共闘、そのことについて総評の皆さん方は強く否定しました。しかし鉄労との共闘を否定するということは、総評のサイドで言えば同盟との話し合いを否定するということですし、労戦統一について論理として認めがたいということにつながりますし、これはおかしいことだと思います。ことほどさように、多くの討論を積み重ねてきましたけれど、分かってはいるが国労を何とか救済しなければならないということに大きな軸足を置いて総評大会を運営したものだと思われます。われわれとしてはそれらのことについて危惧を持っていましたけれど、わが動労が作り出してきた取組み、あるいは今後の方針等について分かってくれる人も大勢いるわけですから、総評大会でアピールしたわけですが、結果としてはあのような運営と討論になったわけです。ところが総評大会の前段で総評と国労との間で話し合いがあったと思われます。その内容は分かりませんが、国労から総評に対して動労の統制処分の要請があったとも聞いています。その後に判明した武藤書簡などから判断しますと、いわゆる仕掛けがあったというように思わざるを得ません。仕掛けがあったということをわれわれも自覚しましたが、先ほどいったように長い間でのわれわれの総評に対する申し入れなどもあり、今日の判断に立ちましたから、もし仕掛けがあったとすれば、逆仕掛けがあってもいいのではないかと、こういう思いも含めて総評からの脱退を決定したということです。

ここまで読んでみますと、国労と総評の中では一定の整理が図られており、動労を結果的の排除もしくは何らかの処分を行おうとした節があると述べられていますが、実際にこういった雰囲気といいますか、動労VS国労の対立が現場ではもっと蔓延していたと言われています。

いわば、密告と疑心暗鬼の世界であり、告げ口による足の引っ張り合いが日常茶飯事になっていたと言われています。

実際に、この争いが嫌で自発的に退職した人も多数いるわけで、この部分だけを見ていると総評という組織も全逓・国労といった官公労を中心としたどちらかというと左派よりの動きをとる組合を支持母体とする面目躍如と言ったところがあります。

さて、そろそろ時間が来ましたのでひとまず切りたいと思います。
まだまだ続くのですが長くなりますのでひとまず切ります。

*****************************************************************
取材・記事の執筆等はお気軽にお問い合わせください。
下記、入力フォームからお送りいただけると助かります。
http://jnrera3.webcrow.jp/contact.html

日本国有鉄道研究家・国鉄があった時代
http://jnrera3.webcrow.jp/index.html
*****************************************************************
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 45

2010-06-30 00:27:13 | 国鉄改革関連


にほんブログ村 鉄道ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 JR・国鉄

 ランキングに参加しています。

世間では、JR不採用問題について、政府主導で一定の和解が図られたようですが、正直ごね得の印象を拭いきれません。

もちろん、その時その時に地元を離れられない事情があったかもしれませんが、少なくとも当時の国鉄改革では今回の原告団だけが採用差別を受けたわけでもなく、再就職に応じて他の官公庁や、関連会社に就職した人も居たわけですし、新たな職場に馴染めず、更に自らで新しい職を探したと言った人もいます。
郵政省にも、多くの国鉄職員が転入しましたが、馴染めず退職した人も少なからず居たと聞いたことがあります。
そう考えると、自らの意思で新たな人生を歩んだ人もいるだけに、25年以上、闘争だけにエネルギー費やしてきたというのはどうなの?と個人的に思ってしまいます。

さて、今回も総評から脱退した動労の動きを公企労レポートを引用していきます。

今回のレポートは記者が、動労・福原書記長へのインタビューする形式となっています。

役選問題が総評脱退の直接の動機

【総評からの脱退について、書記長の率直な見解をお伺いしたい。】

直接のきっかけは、総評の役選をめぐる問題です。今年の総評大会は国鉄問題がひとつの焦点でしたが、それは動労方針と国労方針をどのように取り扱い、最終局面にきた国鉄問題についてどのような方針を出すかということでした。そうしますと、これは当然役選にも反映することになるわけです。ところが役選問題につきましては、当該者の一方である動労に何の話もなく、しかも総評として出された定数削減についてもなんら明らかにせず結果として国労委員長が副議長に座り動労選出の事務局次長が辞めるということだけに終わり、スリムになると言うことも何らなしえないという結果となりました。これは、われわれとしてきわめて不満だということです。たとえば12人いる副議長を3人にすると言う案が組織機能委員会で出されました。しかもその途中で、3人が5人になり、7人になってさらに10人まで増やすという段階で国労委員長を副議長に吸えるかどうかということが課題になり、結果として10人になったといういきさつがあるわけです。

ここまで読んでいますと、総評内での主流的な考え方は国労寄りであり、国労の意向を無視できない態勢だあったことが動労が総評から脱退するきっかけとなったといえますが、総評自体が左翼的労働運動の急先鋒であったことを考慮すれば当然の帰結だと思います。

そんなわけで、総評を脱退した動労は独自路線を歩み始めるのですが、総評の批判はさらに続きます。引き続き、公企労レポートから引用させていただきます。

国労サイドの情報で中傷・誹謗

これが、脱退のきっかけです。ただし、先ほども言いましたように、最大の問題である国鉄についての方針と役選の問題は密接不可分なものです。方針についてはどうかといいますと、ダイヤ改正での国民運動を中心としてこれから取り組むということです。しかしこれにつきましては、利便性、安全性をはかるということですが、われわれはすでに一昨年の段階でいわゆる日比谷の見られるような結果から出発して今日にいたっているわけです。
まして、誰でもプロなら知っているようにダイヤ改正の作業というのは何ヶ月前ということではなく1~2年前から取り組まなければならない課題です。そういうことを、われわれは前段から総評側にも話してきた経緯があります。にもかかわらず方針としては、利便性を含めたダイヤ改正国民運動を提起するという、全くもって後手々々の内容でした。それだけではありません。
国鉄問題をめぐる総評議長のあいさつ、今述べました方針、さらに論議、総括・答弁と終始一貫していわゆる国労救済運動に全面的に乗り出すということであったわけです。

ということで、動労も国労と同じ総評に加盟しているにも関わらず、国労だけに肩入れして動労の態度は無視するともいえる状況に対して大きく不満を持っています。さらにこれは、中央だけでなく、各県評、単産からも国労の情報だけで判断し、動労に対してはむしろ矛先を向ける場合もありました。

再び公企労レポートに戻ります。

たとえば、各県評、単産から出された意見では、国労からのワンサイドの情報を基礎にしまして、デマを含め動労に対する中傷、誹謗の意見が続出しました。
これをいさめるということもありませんでしたし、答弁の中には、さらに動労に対して矛先を向けることを示唆するようなものがありましたし、われわれとっしてはこれらの意見についてこの間の苦しい闘いを踏まえなければ受けるわけにはいかないと考えています。

ということで、総評及び地方段階の県評議会においても動労の運動は正しく評価されていないことが動労の総評脱退であったといえそうです。
さらに続くのですが長くなりそうなので一度この辺できります。

*****************************************************************
取材・記事の執筆等はお気軽にお問い合わせください。
下記、入力フォームからお送りいただけると助かります。
http://jnrera3.webcrow.jp/contact.html

日本国有鉄道研究家・国鉄があった時代
http://jnrera3.webcrow.jp/index.html
*****************************************************************
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 44

2010-06-27 23:40:02 | 国鉄改革関連



にほんブログ村 鉄道ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 JR・国鉄

 ランキングに参加しています。

国鉄改革を問う衆議院選挙で自民党が圧勝し、国鉄改革は既定の路線として動き出してきました、そんな中、かつては同じ路線を歩んだ動労と国労は、全く違った動きをとることとなりました。

早々と労使協調宣言を結び、組合員の組織確保を図った動労に対し、その組織の大きさゆえに意思統一が図れなかった国労との間で大きな差が生まれていました。

特に国労は、当時は組織内は穏健派が主流を占めていたとはいえ、左派勢力とも言える革同派などの意見を抑えきることが出来ず、労使協調宣言には最後まで反対をせざるを得ない状況にあったのは、国労組合員にとっては不幸でした。

そうした雇用不安がさらなる、悲劇を生むことになるのですが、今回は国労ではなく動労に焦点をあわせたいと思います。

動労は、元々国労ともども、総評【平成元年に総評センターに移行】に加入していたのですが、総評の方針として、社会党案に則った全国一元の民営化であり、ほぼ政府保有の特殊会社としての形を維持する方向であり、これは国労も容認するであろう案でした。
しかし、総評は下記の通り、動労に対しては距離を置く態度をとったことから、動労は総評を脱退するとともに、総評への役員などを引き上げたことから、総評自身も困惑する事となりました。

しかし、逆に総評を脱退したことで独自路線を歩めるようになった動労は、国労の切り崩しのための拡大戦略をとることとなったのです。

以下、公企労レポートからの引用です。

▽・・・・動労松崎委員長は19日、北海道地本定期大会で「総評は国労の立場を守るだけに終始、国鉄改革に対する動労の骨身を削る努力をないがしろにした。もはや総評に止まる必要はなく、正々堂々と出ていく、総評は今後国労と一緒にやって欲しい。これが最後に贈る言葉だ」と総評脱退の意向を表明した。すでに総評大会最終日の18日午前、役員問題に不満を表明して退席、大会をボイコットしたことから予想された成り行きであった。
国鉄問題を中心とした今期総評大会は動労の主張は全く受け入れられず、ワンサイドの動労攻撃、中傷、誹謗に終始した。ここ数年来、現実路線をとってきた総評の今回の姿勢に、不可解な面が残り、国労の数の前に押し切られた形となった。
国労が、統制処分を要請したという説もあり逆に動労の仕掛けだという説もあるが、いずれにしてもなるべくしてなった。当然の帰結であった。

▽・・・・通告を受けた総評は、さらに説得を続けるとしつつも、今後国鉄闘争は、社会党案を基本に総評を舞台に闘っていくしかないとしているが、ダブル選の敗北で組織の建て直しが急務となっている折から、動労脱退の影響は大きい。
会費の年間6千万円はとにかく、本部、公労協、県評からの人材引き上げの影響は深刻である。解決の名案はなく、総評の苦悩は続きそうだ。

▽・・・・総評から脱退して行動の自由を確保した動労は、「野に放たれた鬼」【福原書記長】として独自の路線を歩むことになる。共同宣言四組合と当局は、この決断を高く評価し歓迎しているが、国労は、残念だとしながらも国労攻撃を意識して投資をかくさない。

労労間の組織拡大をめぐる闘いはさらに熾烈となる。新しい局面を迎えるとき、機敏に対応する組合とそれが出来ない組合の違いが注目される。

*****************************************************************
取材・記事の執筆等はお気軽にお問い合わせください。
下記、入力フォームからお送りいただけると助かります。
http://jnrera3.webcrow.jp/contact.html

日本国有鉄道研究家・国鉄があった時代
http://jnrera3.webcrow.jp/index.html
*****************************************************************

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国鉄改革のあゆみ 43

2010-06-27 00:32:24 | 国鉄改革関連


にほんブログ村 鉄道ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 JR・国鉄

 ランキングに参加しています。

みなさん、こんばんは。
参議院が公示され民主党は過半数を奪取すべく、選挙運動を展開していますが民主党という政党の資質がもうひとつ好きになれませんというか、政党の構成員に問題があるのではと思ってしまいます。
さて、本日も公企労レポートから引用させていただきます。

動労、総評と訣別、独自路線を推進
役員選挙が引き金、国労と熾烈な対立決定的

国鉄改革労組協議会、一企業一組合へ多数派形成

国鉄動力車労働組合は7月24日総評に脱退を通告、会費の納入を凍結した。公労協、県評、地評からも必然的に脱退、役員引き上げとなり総評に対する打撃は必至である。総評は何とか再考を促したが、可能性はない。脱退の理由は先の総評大会の役選問題、国労の山崎委員長を副議長に選出、動労出身の事務局次長が外されたことが原因となった。単に人事問題ではなく、国鉄改革に対する国労との激しい対立が決定的な段階となり、これ以上総評に止まることは無意味と判断したもの。これまでの動労の一連の取組みからみても、今回の総評方針とは相容れるものではなく、脱退は当然の帰結ともいえよう。
これにより、動労は総評の「枠」から離れ、自由に独自の路線を進むことになった。今後、国鉄改革労働組合協議会を軸に、将来の総連合、一企業一組合を志向、国鉄改革労働組合協議会を軸に、将来の総連合、一企業一組合を指向、国鉄改革、雇用の確保、新事業体への多数派形成の既定方針遂行を目指す。

ということで、動労は国鉄改革の一環として動労は総評を脱退、総評自体が社会党を支持する組織体であり、国鉄改革には消極的な組織であったことを考えれば当然の帰結といえます。
今回は、独自路線を進む動労の動きについて5回にわたって綴っていきたいと思います。

*****************************************************************
取材・記事の執筆等はお気軽にお問い合わせください。
下記、入力フォームからお送りいただけると助かります。
http://jnrera3.webcrow.jp/contact.html

日本国有鉄道研究家・国鉄があった時代
http://jnrera3.webcrow.jp/index.html
*****************************************************************
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする