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第四章 JR体制への移行と国労の闘い
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第五節 JR体制下での賃金・労働諸条件をめぐる取り組み
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一 JR各社の就業規則と労働協約
民間会社になって初のストライキ実施
さて、九州エリア本部をのぞきこの時に締結した労働協約は、いわば暫定協約であって9月30日が有効期限であった。そこで国労は8月25日、JR各社に対し労働協約改訂の要求書をいっせいに提出し、交渉を精力的に重ねた。しかし、JR各社は現行協約の基本部分はいっさい変更しないばかりか、争議行為についてさらに制限を加える内容の改定案を提示するなど、国労側の意見を聞き入れるという姿勢はまったくみられなかった。そのため一0月一日以降については労働協約を締結するにいたらず、「無協約」でたたかいを継続することになった。一一月に入り、国労はこの協約改訂闘争のなかで指名スト(計63人)、さらに二波にわたる全国統一闘争にとりくみ、JR発足後初のストライキ闘争を闘った。そのおなかで西日本本部は、不当配転抗議の初の時限ストも実施した。
一2月になり、国労側の組織整備が不十分なこともあって、「無協約」を利用した会社や鉄道労連(JR総連)による組織攻撃の影響があらわれ、次期協約改定期に向けた長期的視野にたって今時協約闘争を集約ことにし、一2月一8日、中央本部は
①各エリア本部は今日までの交渉にもとづきその到達点を労使間で確認すること、
②協約の整理は一2月中に行うこと、
③会社側から逆提案などがある場合は明確に拒否し本部と提携して対応すること、
などを指令した。しかしこの間、JR東日本は労働協約を調印する前提として「分会事務所の明け渡し」という逆提案を行い、そのうえ9一カ所の分会事務所明け渡しと賃貸料相当額(一億一000万円)支払いを求める訴訟を提起してきた。
こうして、債務的部分しかもたない現行協約を再締結し、さらには悪名高い就業規則を協約化しようという会社側の意図は見え見えで、一987年度の協約闘争は東日本と九州で締結にいたらず、会社側の攻撃や対応の違いもあって国労内に協約締結エリアと無協約エリアができた。しかし、国労中央本部はこの事態を次のようにとらえ、就業規則の改正も含めた労働条件の改善要求、さらに労働協約要求を団交範囲・団交単位など最小限に絞り込んで職場討議をつみあげ、無協約も辞さずたたかいつづける方針であった(一988年度運動方針)。
「協約締結エリアの場合のプラス面は専従の確保、組合事務所・掲示板の確保等であり、マイナス面は団交及びストライキが制約されること等である。他方、協約無締結エリアの場合のプラス面は団交が制約されず、労組法にもとづき地方本部でも行えるとともにストライキの制約もうけないことであり、専従は『指名スト』によりカバーできるし、組合事務所も守っているし、マイナス面はほとんど克服できている。この協約締結・無締結によるプラス面とマイナス面と併せて、次のような事態についても確認することが必要である。
① 協約無締結エリアにおいては、鉄道労連等他組合からの悪質な『国労は協約がなく、団交も"協約"もできない』との攻撃にもかかわらず、組織的動揺や脱退などの影響までは及んでいない。
② 東日本会社の東京地本に対する組合事務所明渡訴訟は異常であり、直ちに解決できる状況にはない。
③ 会社側の思惑(狙い)どおり、仮に現在の就業規則を労働協約として締結した場合は、地労委闘争どころか、現時申立てているものさえ取り下げざるを得ない事態となる。」
なお、この時期の国労の労働条件改善闘争のなかで職場ごとの「緊急・重点要求」としてかかげた「八大要求」は、次のような内容であった。
一、増収・クリーンや自主的という名のただ働きをやめさせ、働いた時間の賃金を必ず支払わせよう。
二、病気で休めば賃金カットという非人間的なことをやめさせ、私傷病欠勤を有給にさせよう。
三、健康を守り、人間らしく生活設計がたてられるように、勤務の一方的変更をやめさせ、労働基準法にもとづき、勤務を特定化させよう。
四、仕事上のケガは、すべて労働災害にさせよう。
五、"命令と服従"の専制的職場管理をやめさせ、明るい職場にさせよう。
六、利用者の安全とサービスを守り、労働者の安全・健康を守るための必要な要員を配置させよう。
七、本人の同意なしの強制的配転や出向をやめさせよう。
八、乗車証を全社の社員に出させよう。
続く
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第四章 JR体制への移行と国労の闘い
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第五節 JR体制下での賃金・労働諸条件をめぐる取り組み
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一 JR各社の就業規則と労働協約
民間会社になって初のストライキ実施
さて、九州エリア本部をのぞきこの時に締結した労働協約は、いわば暫定協約であって9月30日が有効期限であった。そこで国労は8月25日、JR各社に対し労働協約改訂の要求書をいっせいに提出し、交渉を精力的に重ねた。しかし、JR各社は現行協約の基本部分はいっさい変更しないばかりか、争議行為についてさらに制限を加える内容の改定案を提示するなど、国労側の意見を聞き入れるという姿勢はまったくみられなかった。そのため一0月一日以降については労働協約を締結するにいたらず、「無協約」でたたかいを継続することになった。一一月に入り、国労はこの協約改訂闘争のなかで指名スト(計63人)、さらに二波にわたる全国統一闘争にとりくみ、JR発足後初のストライキ闘争を闘った。そのおなかで西日本本部は、不当配転抗議の初の時限ストも実施した。
一2月になり、国労側の組織整備が不十分なこともあって、「無協約」を利用した会社や鉄道労連(JR総連)による組織攻撃の影響があらわれ、次期協約改定期に向けた長期的視野にたって今時協約闘争を集約ことにし、一2月一8日、中央本部は
①各エリア本部は今日までの交渉にもとづきその到達点を労使間で確認すること、
②協約の整理は一2月中に行うこと、
③会社側から逆提案などがある場合は明確に拒否し本部と提携して対応すること、
などを指令した。しかしこの間、JR東日本は労働協約を調印する前提として「分会事務所の明け渡し」という逆提案を行い、そのうえ9一カ所の分会事務所明け渡しと賃貸料相当額(一億一000万円)支払いを求める訴訟を提起してきた。
こうして、債務的部分しかもたない現行協約を再締結し、さらには悪名高い就業規則を協約化しようという会社側の意図は見え見えで、一987年度の協約闘争は東日本と九州で締結にいたらず、会社側の攻撃や対応の違いもあって国労内に協約締結エリアと無協約エリアができた。しかし、国労中央本部はこの事態を次のようにとらえ、就業規則の改正も含めた労働条件の改善要求、さらに労働協約要求を団交範囲・団交単位など最小限に絞り込んで職場討議をつみあげ、無協約も辞さずたたかいつづける方針であった(一988年度運動方針)。
「協約締結エリアの場合のプラス面は専従の確保、組合事務所・掲示板の確保等であり、マイナス面は団交及びストライキが制約されること等である。他方、協約無締結エリアの場合のプラス面は団交が制約されず、労組法にもとづき地方本部でも行えるとともにストライキの制約もうけないことであり、専従は『指名スト』によりカバーできるし、組合事務所も守っているし、マイナス面はほとんど克服できている。この協約締結・無締結によるプラス面とマイナス面と併せて、次のような事態についても確認することが必要である。
① 協約無締結エリアにおいては、鉄道労連等他組合からの悪質な『国労は協約がなく、団交も"協約"もできない』との攻撃にもかかわらず、組織的動揺や脱退などの影響までは及んでいない。
② 東日本会社の東京地本に対する組合事務所明渡訴訟は異常であり、直ちに解決できる状況にはない。
③ 会社側の思惑(狙い)どおり、仮に現在の就業規則を労働協約として締結した場合は、地労委闘争どころか、現時申立てているものさえ取り下げざるを得ない事態となる。」
なお、この時期の国労の労働条件改善闘争のなかで職場ごとの「緊急・重点要求」としてかかげた「八大要求」は、次のような内容であった。
一、増収・クリーンや自主的という名のただ働きをやめさせ、働いた時間の賃金を必ず支払わせよう。
二、病気で休めば賃金カットという非人間的なことをやめさせ、私傷病欠勤を有給にさせよう。
三、健康を守り、人間らしく生活設計がたてられるように、勤務の一方的変更をやめさせ、労働基準法にもとづき、勤務を特定化させよう。
四、仕事上のケガは、すべて労働災害にさせよう。
五、"命令と服従"の専制的職場管理をやめさせ、明るい職場にさせよう。
六、利用者の安全とサービスを守り、労働者の安全・健康を守るための必要な要員を配置させよう。
七、本人の同意なしの強制的配転や出向をやめさせよう。
八、乗車証を全社の社員に出させよう。
続く