なかなか落ち着いて書く時間が取れずに、今頃になりましたが、先月末に福岡県が開催する「動物取扱責任者研修」に行ってきました
毎年行われているこの研修、の最後に、私は今回で5回目の受講となりますが、いつも業務的な事や、事務的な内容が多く、それも「販売業」に関わることが多いので、最後に感想などを書いて提出するアンケートに、もっと「動物の福祉」に関することや、この業界に関わる人たちが正しい知識と愛情を持って、仕事に関われるような内容にして欲しいとの意見をずっと書いてました。
なので、その意見を取り入れられたのか?それとも、たまたまなのか?分かりませんが、今年の研修では、動物の福祉(幸せ・より良い生・生活の質の向上、維持)について様々な活動をされてる講師を招いてのお話があり、私個人としてもずいぶんと考えさせられるよい機会となりました
その内容に関しては、様々な意見があると思うし、ここでまとめるのはとても難しいのですが、最近多くのメディアでも様々な角度から取り上げられてることなので、私なりに書けることだけ少しづつ書いてみたいと思います
まず、動物の福祉(animal welfare)とは

私たちが普段使っている人間の「福祉」とは少し意味合いが違って、「動物の健康と幸せ」のことを指します

産業動物(畜産業にかかわる動物。牛、豚、鶏、馬など)や、実験動物(医学、農学、生物化学などの研究に用いられる動物)などは、人間が、ほぼ命を頂いて利用されてます。
また展示動物(動物園や水族館などの動物)や家庭動物(犬や猫などのペット)は、その動物の生態や習性に合ったものに環境を配慮することや、適性に終生飼養することが求められています。
私たちの生活は、動物の犠牲の上で成り立っていますので、産業動物や実験動物については、感謝して食したり、消費したり、展示動物や家庭動物に関しては愛情と責任を持って終生飼養したりする必要があると思います。
しかし、現実には未だに「動物には痛みがない」、「感情がない」と考えている人もいるようで(実際に私もそんな言葉を何度か耳にしたことがあります)、動物を取り巻く環境は厳しいものになっています。
動物も、「生まれてきたからには、幸せを求めて生きている。」という、話が講義の中にありましたが、それを裏付けるような実験結果を私もTVで見たことがあります。(興味深い実験でしたが、それを書くと長くなるので、省略しますが

)
なので、ペットを飼うにしても、ペットが健康で幸せに暮らしていけるよう「動物にとってのニーズ」と、「人間にとっての責任や義務」をよく考えなければなりません。
動物を酷使したり、抑圧したり、搾取したり・・・ということは、もちろん虐待ですが、必要な世話をしない(ネグレクト)も、虐待です。
人の飼育下にあるペットは、飼い主が与えるものが全てですから、ゴハンや水、怪我や病気になっても必要な治療をしなかったり、ほったらかしにしておくことも虐待になります。(そうした飼育をしていると、動物の脳や精神状態に異常をきたす場合も多々あります)
動物の「愛護」と、動物の「福祉」の違いについても、簡単に書いておきますね

「愛護」とは、動物の習性に配慮し、愛情と優しさを持って動物と関わる事で、主に人間からのアプローチです。人によって動物に対する愛情が違うので、あいまいでまちまちです。
また「愛護」という英語はないそうで、「愛して守る」という日本的な発想で、仏教の思想なども含まれてるそうです。
「福祉」とは、動物を不必要な苦痛から保護し、動物の生活の質を高めることで、行動は人が起こすけど、結果は動物の利益を伴うものとなります。
研修の内容とは、少し違いますが、最近は、一人暮らしの高齢者が高齢化するペット(ある調べでは、日本のペットの平均寿命・・・犬15歳・猫16歳だそうです)を飼ってるケースも増えてるので、飼い主の病気や死亡で取り残されるペットが社会問題になってますが、可愛くて何でも言う事を聞いてくれるペットに依存することで、社会からの孤立を高めてしまって事も問題になってます。
ペットに「基本的な愛情を注ぐこと」と、「依存すること」も、違います。
現代の私たちにとって、ペットは、家族のような存在だったり、パートナーだったり、支えられたり、その可愛さに癒されたりしますが、人間とは違う習性を持つ生き物であることも忘れてはなりません。
その種類や、個性をちゃんと理解して、正しい愛情を注いでペットと関わるなら、孤独だった老人が再び社会と結びつきやつながりを持つようになったり、引きこもってた老人が明るくなったり、体が動くようになったり・・・という事例がたくさんあります。しかし、ペットに全てを依存してしまうことは、社会との孤立を余計に高めてしまう結果となったり、ペットだけを大事にするあまり自分の体の健康や生活を後回しにしてしまい、維持できなくなる現状もまた問題になってます。
動物本来の行動、習性を尊重しながら、人間社会でルールを守り、上手に共生していく大切さ、動物が動物として幸せに生きていくために必要なこと、動物の生活の質、よりよい生について、家畜などを含む広い意味でも、ペットとして共に生活する身近な意味でも改めて考えさせられました。
動物に関わる仕事をする者として、動物の生活の質や、よりよい生については、これからもずっと考えていきたいし、新しい情報や、必要な知識などについては更に学び、私のできる限りの範囲で普及していきたいと思ってます。
まだまだ改めて学んだり考えさせられた事は多々ありますが、今回はこの辺で・・・
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