土日は、お利口に待てた。
何度か、彼のことを今、何してるかなー?
って考えたけど、連絡まではしなかった。
私は、彼に調教されている。
待て!が、できるようになった。
なんとか、このまま、月曜日の夜まで待とう。
月曜日、仕事に行く時間になった。
もう、ここまで来たら、バタバタと時間は過ぎる。
後は帰って散歩に出る時間を待つのみ。
気分的に楽になる。
そしてようやく、その時が来た。
お月様が、まん丸で、夜でも影ができるほど、明るかった。
田んぼの中を 犬を連れて歩いたり止まったりを繰り返す。
まだ、連絡は来ない。
繋がる時は、来るのかな?
私から連絡してみよう。
しばらくして、
今夜は、配り物をしながらの散歩だから、無理だと返事が返ってきた。
少し項垂れる私。
でも、ちゃんと理解できる。
そういうことなら仕方がないって思った。
彼も、私がちゃんと受け入れることを想定してるはず。
あれ?
私は、彼に、確実に調教されている。
そして、諦めた私は、イヤホンを付けて、ラジオを聴き始めた。
折り返し地点を過ぎたころ、
期待しなかった彼からのLINEが来た。
少しなら大丈夫。だって。
そんなことで、無邪気に喜んでる自分がいた。
彼はまだ、配り物を終えてなくて、
合間の時間だけの電話。
それでも、
その気持ちが嬉しい。
配る家が近づいて、彼は言った。
喋らないで!
彼は、コードレスイヤホンを使って電話するので、会話をしなければ、全く気が付かれない。
私は、じっと聞き耳を立てた。
なんだか、そばにいてるみたいな気持ちになる。
今、私は、奥さんより彼のそばにいる。
なんて思い込んで、幸せ感じてもいいかな?
神様、お許しください。
ポストに入れ終わって、
もう大丈夫。と彼は言った。
2件目は、
同じように待っていたら、なかなか、彼は現れず、
やがて私は、家に帰った。
私は、彼のことを
いつも想像して理解する。
きっと何か事情があってそうなった。
なぜなら、彼は、いつも、ベストな方法で私に接してくれているのを知っているから。
そんな場合でも、不満は何一つ
無い。
それ以上に、
感謝しか、無い。