夜も更けた頃、
隣で寝ていた夫が目を覚ます。
私は、眠りが浅かったので、気配でわかる。
そしたらいきなり、
その行為だけが、始まった。
それは、いつ終わったのかもわからない。
ただ、夫は、鳥肌を立てて、動かなくなった。
やがて、規則正しいイビキが聞こえ始め、
私の身体に、虚しさだけが残った。
前戯がないのも辛いけど、
ティッシュすらも、自分で探し当てなければいけなくなったことが、
もっと辛い。
私はひとり、夜の闇に、
放置された。
目が冴えたから、スマホを見た。
夜に送った彼へのLINEは、まだ見てもらえてないようだった。
最近、彼の状況が全く掴めない。
もう、こうやって、LINEに振り回される自分が、情けなくなってきた。
そんな理由から、私は、この場所から遠ざかることを決意した。
今度、ここで繋がる時は、いつになるか…。
それを彼に委ねようと思った。
返事はあった。
スタンプが2つ。
いつものように、私の心境を笑ってた。
また連絡するとあった。
それから、1日が終わろうとしている。
時刻は、夜の11時を回ったにもかかわらず、
私はいまだに、彼に放置され続けている。
当然、夕方に送ったLINEも、未読。
それが、なぜか心地いい。
彼の徹底したその態度が、男らしいと感じてしまう。
私の中のMを夢中にさせる行為。
それが、彼による放置。