Bokutoh ICU Blog

墨東病院集中治療科の日々の活動を広めていきます

当直明けのお礼参り

2024-01-26 22:02:46 | 日記

飯塚です。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

当院は増床したこともあり業務量は増えておりますが、心優しい各科の先生方と頼れるローテーター、コメディカルの皆様のお力を借りつつなんとか運営している毎日です。

少しずつ広いICUに体が慣れてきた感じでしょうか。

今日は当直明けで時間があるので、昨日からの出来事などをつらつらと書いていこうと思います。

 

昨日は令和5年度の墨東病院臨床研修医院内発表会が行われました。

こちらは各年次の初期研修医が1年間を通して学びを得た症例をベースにプレゼンをする会になります。

J2の先生からすると、卒業試験?のようなものになるのでしょうかね。

 

ICUローテをしてくれた先生は牧野部長の意向のもと、当科ローテ中に経験した症例を元にしたプレゼンをお願いしています。

牧野部長やスタッフの厳しいツッコミが入るので、そもそものスライドの作り方だけでなく、文献の適切な調べ方、読み方、解釈の方法などについて伝えています。

当院レジデントたちは極めて優秀なためこちらの投げたボール(客観的にはハラスメントに近いような暴投もあります)を、軽く受け止め即時返球してきてくれます。

まさに打てば響く、という状態であり、指導しているフェローたちもついつい熱が入っていることもしばしば見かけます。

正直、自分がJ2に戻ったら到底理解できないレベルだと思うのですが、皆よく勉強してくれているので教えがいがあります。

 

そんな形で今年度4月から12月にかけて、当院初期研修医は総勢13人ローテートしてくれました。

そして驚くべきことに、、、なんとそのうち10人(!!)もの先生がICU症例を本発表題材で選んでくれたのです。

都立アカデミーの別枠でローテしてくれた先生も当科の症例を選んでくれていたので、合計で11人の発表をフェロー4人で再度監督することとなりました。

嬉しい悲鳴とはまさにこの事でしょう。

各科の部長クラスの先生方が集まる会で下手な発表はさせられません。

年末くらいから改めてのスライド直し、文献探索を行い本発表に向けて準備を進めてきました。

 

そんな会が昨日、無事に終わりフェロー一同も安堵している状況です。

自分はちょうど昨日は当直だったのですが、準夜の時間くらいに何人かのローテしてくれた先生がお礼参りに来てくれて心暖まる想いでした。

今時の若者らしくお礼のLINEもしてくれましたね。

 

別件で嬉しかったのは夜中に致死性不整脈の対応で循環器の先生をお呼びした際に、ひと段落した後で症例発表会のねぎらいのお言葉を頂いた事です。

「ほとんどの指導医、先生方でしたね!すごいですね〜」なんて、若輩者の自分に言ってくださる人間性に頭が上がりません。

こうやって努力を見てくださる方々がいらっしゃると、頑張る活力になりますね。

 

直明けの朝には心臓血管外科の部長先生から「寝ずにいつもありがとうございます」とお声がけ頂き、またまた恐縮の限りでした。

先生方がいるおかげで、いつもこちらも頑張れています。

あとすみません、上手いことやってちょこちょこ寝てはおります。笑

 

さてさて脱線しましたが、昨日の当直は初期研修医から各科の部長まで色んな人との繋がりを感じられる良い機会でした。

今日はよく寝て、また来週から頑張っていこうと思います。

あと初期研修医の皆様、発表ほんとうにお疲れ様でした。

J2の先生方は残り数ヶ月充実した研修を送ってください。

J1の先生方は来年度、ICUで会いましょう。

 

本日はこの辺で、ではでは。


ローテーターの声 #10

2024-01-05 18:23:45 | 日記

飯塚です。

年始勤務はバタバタしつつも、あっという間に三連休に突入となりました。

新年どうにか良いスタートを切りたいものですね。

さて、今日も先月のローテーターからの声をお届けします。

今回は呼吸器内科からローテしてくれた北野先生です!


内科S3の北野です。

11-12月の2ヶ月間お世話になりました。ICUの先生方が常駐され、セミクローズド型の運用が始まってから重症患者のタッチが減ってしまったことに危機感を覚え、また最近の集中治療のトレンドなどを知りたく、希望してローテートさせていただきました。

 

私は初期研修医のころから在籍しておりますが、墨東は代々教えられるより見て覚える、屋根瓦式で歳の近い先生から教えてもらうというような教育文化があると思います(私の認識が違っていたらすみません)。

ICUはただいるだけでもインプットが非常に多く、従来の墨東にはない教育体制で斬新でした。

 

①ICU入室中の患者全員のベッドサイドでby systemに基づいたteachingが行われます。レジデントはプレゼンを行い、方針を決定します。レジデントはアセスメントを行い意見を述べ、合議の結果、自分の意見が採用される場合もありやりがいを感じる瞬間でしょう。基礎的なことから答えがないものまで様々な質問が飛び、レジデントは解答しなければなりません。質疑応答が気付きとなり学びに繋がります。また、ただその場にいるだけでも勉強になります。

②毎週水曜日にコアレクチャーと呼ばれる、テーマ毎のレクチャーが用意されています。過去のコアレクチャーも閲覧することができるため集中治療を体型的に学べます。

③ゲリラ的に専門の先生からレクチャーを受けられます。時間があるから〇〇のことについてレクチャーするわ、というように気軽に始まります。私は経肺圧、ECMO、透析など教えてもらいました。

④スタッフラインで論文や資料の共有や日々の疑問について活発に議論されています。こんな活発な業務ラインなかなか無いと思います笑。

 

このようにインプットの機会は豊富にあり、また学んだことをすぐに目の前の患者さんにアウトプットできる環境もあります。とても充実した学びの環境を提供していただき感謝しております。

さらにどの先生も目の前の患者に対していかにベストを尽くすかと常々考えておられる事がひしひしと伝わり、professionalismを感じました。そのような先生方の下で学べたのも幸いでした。

 

呼内の外来も並行してしていたこともあり、多々ご迷惑をおかけしました。申し訳ございません。まだ院内におりますので、ICUには今後もお世話になります。引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


北野先生は博士のような雰囲気があり、第一印象は同年代かあるいは年長者かと思わせる落ち着いた物腰でした。

その後に話してみると大学の後輩ということが発覚し、急に親近感を覚えたのが懐かしいです。

呼吸器内科の圧倒的な知識のもと、逆に僕らに気胸のpitfallや管理、レントゲン読影、BAL、肺癌のclinical courseや治療戦略など勉強になる内容を教えてくれました。

こちらが還元できたものが充足しているのか心配になるくらい、色々な話をしてくれましたね。

まだまだお世話になろうと思いますので、こちらこそ今後ともよろしくお願いします。

北野先生、2ヶ月間お疲れ様でした!


ローテーターの声 #9

2024-01-04 23:23:45 | 日記

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い申し上げます。

年末年始はずっと体調を崩しており、ろくに動けなかった飯塚です。

さて年も変わり当科の雰囲気も刷新されましたが、12月のローテーターからの声を届けさせて頂きます。

まずは1ヶ月ローテしてくれた久山先生からです。


J2久山です。集中治療科の先生方には、BTCCS(Bokutoh Critical Care Seminar)の際などにお世話になっていましたが、非常に教育的で、基礎的なことから最先端なことまで親切丁寧に教えてくれるという評判もあり、そんな先生方のもとで実際の診療を通して学びたいと思い、1ヶ月間選択させていただきました。

実際にローテーションしてみると、先生方の凄みを感じる毎日でした。挙げる鑑別疾患の多さ、その所見からなんでそこまでわかるんだというAssessmentの深さ、正解のない場面での状況を整理して少しでもよい方向性へ導く判断力。それでいてわからないことだらけの研修医にも教えようとしてくれる親切さ。“もっとこの科で学びたい”と感じることは他の科でも多かったですが、集中治療科ローテを終わった今はその思いが最も強いかもしれません。

労働環境の良さも感じました。職場の雰囲気としては、医師だけでなく看護師さんや薬剤師さんなど多職種の方々にもウェルカムな雰囲気があり、親切にご対応いただき、大変お世話になりました。労働時間の観点では、集中治療というハードな分野にも関わらず、時間外労働をほぼしなくてもまわるような勤務体制ができており、ホワイトな現場だと感じました。(そんな中で勝手に残って色々みたり質問したりしてすみません。。)

来年度は外科・救急シニアとして、また選択しようと考えております。集中治療をやっていく上で、1ヶ月は全然足りなかったので、もっともっともっともっと学ばせていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。


久山先生は将来acute care surgeonを目指しており、来年度より当院の救急&外科のコンバインプログラムに進む希望の星の1人です。

留学経験を活かした英語力も光り、スペックの高さをフェローたちに見せつけてくれました。

月末の症例発表では吸気努力に伴う肺障害(P-SILI)についてまとめてくれましたが、提供した論文を次々と簡単に咀嚼してしまうので指導医としても立場がありませんでした笑。

そんなハイスペックな彼の一番の良いところは、謙虚に学びの姿勢を崩さないところでしょう。

勤務後にも積極的に声をかけてくれて、働き方改革の推進に力を入れている当科フェローもつい雑談で帰りが遅くなることもありました。あくまで雑談です、勤務ではありません。

来年度は救急シニアとして再度ローテ予定とのことで、さらにパワーアップした姿で戻ってきてくれることが今から楽しみです。

久山先生、1ヶ月間お疲れ様でした!