何ともとぼけた配色の花である。フクシャ(フクシア・フューシャ、fuchsia)、アカバナ科の植物。この花をはじめてみたのはどこだったろうか。1本の梅の木に赤と白、両方の色が咲く「おもいのまま」という品種を見たときよりさらにびっくりした。この赤と白の組み合わせのほか、紫ピンクなどたくさんの組み合わせがある。
中国の派手な建物のような雰囲気もありまったく面白い花である。
数年前、英国のキュウガーデンで見てそれ以来園芸店で見るたびに購入するのだが、なかなかうまく育ってくれない。日本の暑さに弱いのかもしれない。
僕はこの花が好きだ。
学生の頃、ある施設の見学へいった。ガンマーフィールドという原子力を利用した施設だ。植物に放射能(たぶんガンマー線だろう)をあて、突然変異を起こさせるというもの。突然変異は遺伝するので何代か育て、その性質が固定されれば新しい品種となる。
アメリカスリーマイル島付近に住んでいる人が植物標本を作っていた。巨大な葉っぱのタンポポなど、明らかに放射能の影響とわかる。
一粒で十分な大きさのすしとか、巨大な葉っぱのキャベツとか、夢のようなものがスーパーにならぶ日も近いのかもしれない。
でも巨大な花のフクシャが出てきても僕は買わない。