ぼたんくんとふわりちゃん

2010年10月17日、また猫と暮らしはじめました。

読書日記[44]リルケ詩集

2025-01-21 23:49:55 | 読書
手放した記憶はないのですが
いつのまにか本棚になくなっていて、
最近無性に読みたくなった『リルケ詩集』を
書い直しました。



10代の終わりによく読んでいて
一番好きな詩を使った学校の課題は
当時すごく気に入って
たぶん今でもどこかにとってあるはず。


課題というのは、
カセットテープにリルケの詩をはじめ
いろんな本から文章を切り取って
バラバラにして再構成して自分で朗読し
カセットテープに音楽とともに録音、
その後自分で撮った写真(スライド)と合わせて映写する、という作品でした。

今だったらパソコンを使っていろいろ加工し、
音をのせておしゃれに編集できそうですが
30年以上前なので、当時は全部アナログ作業です。

大変だった〜 ( ´△`)
懐かしいです。


そんな思い出の本を
ものすごく久しぶりに読んでみたのですが
一番良いと思うのは
やっぱり当時一番好きだった『いつひとりの人間が』という詩でした。


いつひとりの人間が

いつひとりの人間が 今朝(けさ)ほど 
目覚めたことがあったろう 
花ばかりか 小川ばかりか 
屋根までもが歓喜している 

その古びてゆく縁(ふち)でさえ 
空(そら)の光に明(あか)らんで 
感覚をもち 風土であり 
答えであり 世界である 

一切が呼吸(いき)づいて 感謝している 
おお 夜のもろもろの憂苦よ 
お前たちがなんと痕跡(あとかた)もなく消え去ったことか 

むらがる光の群(むれ)で 
夜の闇はできていた 
純粋な自己矛盾であるあの闇が 


Wann war ein Mensch je so wach. 

<リルケ詩集「一九二二ー一九二六年の詩」より> 


何が良いとか、うまく言葉にできないのですが
だいたい私が好きなのは生と死を感じるからです。
最後の3行が特に好きで、何度も何度も読みたくなります。


最後はなんだか人間ぽいぼたん。



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