前回の投稿でG15勝(7勝ではなかったです・・・)の南半球最強マイラーの
More joyousを少しの間引かせてもらったくだりを書いたのですが、
昨日、午後の引き馬でモアジョイアスとモアストレベリーという2頭あわせて
獲得賞金5億円という厩舎の看板馬を両手に引き馬をさせてもらいました。
ゲイ厩舎の午後作業は12時からなんですけど、(これって異常に早いですよね?)
5分前に厩舎について馬割り表をみたら、
MAX →MORE JOYOUS, MORE STRROWBERRY
となっていたのです。
あれ?と思いましたよ。だって両馬とも「イチゴ」ブランドの
Strrowberry hills studを経営しているMr. John Singltonの
もち馬なんです。ジョン・シングルトンは豪国を代表する大富豪で、
自分で牧場を経営するくらい競馬に投資しているオーナーです。
もちろん、ゲイにとっても最重要クライアントの一人です。
ゲイ・ウォーターハウス厩舎の3大クライアントとは・・・・・
GHのブランドで3つの牧場を経営し、自らもオーナーとして
豪国の競馬会に多大な影響をもつMr.Gerry Harvey(ジェリー・ハーヴィー)。
彼は豪国最大の家電量販ショップHarvey Normanの経営者です。
ハーヴィー・ノーマンのCMをテレビで見ない日はないですよ。
一度ジェリーの出資牧場の一つのVinery AUSにちょっとだけ
お世話になっていたとき、仔馬の視察にジェリーがヘリで来たことが
ありましたね。社台F代表のMr.Teruya Yoshidaも
豪国に来た際は基本ヘリで牧場をまわるそうです。
この金持ちどもめ。もっともっと馬にお金をつかってたも~れ。
次、GSCのブランドでゲイの一番のお得意先のGooree Paystrol stud
(グーリー・ペイストロル・スタッド)。グーリーはちょっと勉強不足でよく
わかりません。非常に血統の良い馬を所有していることだけは確かですが・・・
それから上記のイチゴのマークの
ジョン・シングルトンです。
で、ゲイ厩舎でジョン・シングルトンの馬を担当しているのがデイヴなのです。
手入れから、引き馬から、競馬に連れていくまで全てデイヴが面倒を見ている
のです。厩舎で一番ゲイの信頼を得ている人間が面倒を見ている
といことは、それだけ馬主を納得させることができると思います。
競馬というのは基本的に負けるものですから、負けたときに、
どれだけオーナーに対して有効な言い訳をするかというのが非常に
大事になってきます。おなじ敗戦でも、最善をつくして敗れたとの、
適当にやって負けたのとではいみが違いますよね。
ジョン・シングルトンクラスのオーナーともなれば、数億円単位の投資で
馬を預託してくれる訳ですから、やはり担当のステーブル・ハンド(厩務いん)
も信頼の置ける人間になるわけです。馬は値段で差別しませんけど、人間は
選ばれるわけです。
で、昨日はそのジョン・シングルトンの2頭をなぜか僕が午後運動をさせる
ことになった訳なんです。なんでじゃ?と番頭に問いただすと、
「今日の午後はデイヴが休みだから、かわりにマックスにストロベリーの
2頭を引いてくれるようにデイヴから言われてるよ」っつーことで。
おおー、ある程度厩舎の中でも信頼を得ているのかなと思いましたね。
ただかなり緊張しましたよ。別にモアジョイアスを引く分にはなんも
問題ないんですけど、ゲイが午後の作業を見に来るんです。
そこで例えばしっぽに寝わらが一本でもくっついてた日にはもう
大騒ぎです。絶対よばれてギャーギャーわめかれます。
馬着も綺麗にほこりをはらいましたよ、まるで今から競馬に行くみたいに。
左右の長さも完璧に背中から線対称になるように着せて、万全をきして
いざ引き運動へ。これがすごい。いままでこんな引き運動したことなかったです。
軽い・・・まるで手ぶらで歩いているような心持ち。全然馬がロープに
もたれたり、チャカチャカ落ち着きがなかったり、噛もうとしたりとか、
全然ないんです。ちょー賢い、両馬とも。
得にモアジョイアスは常にご主人様である人間(この時は僕)を見てますね。
前が詰まってるから歩くのを止めると、一緒にぴたっと止まります。
僕が左旋回しようとして、後方確認をしてUターンしようとしたときにはすでに
左に半歩出ているんですね。ロープを張るシーンが一度もなかったです。
しかも歩速が速い!!!並みの馬の1・5倍はある。
(3倍はない。シャア専用じゃないからヽ(*´∀`)ノ・・・・)
だからすぐに前を歩いている組に追いついてしまう。
どーりでいつもデイヴは一人だけ別のルートを
歩くわけだ。しかもモアジョイアスとおなじくらいの歩速でついてくるモアストロベリーも
たいしたもんだな、重賞勝ち馬ですし。
今季はG1を狙う馬ですから、なんとかついてきます。
さすがにジョン・シングルトン、いい馬所有してるね。全部ってわけじゃないけど。
なんとか事故もなく、一時間引き運動して、馬房にもどして、
首の筋肉触ったり、足の裏を見せてもらったり、膝の形を確認したり・・・・
せっかくだからやりたい放題やらせてもらいました。やっぱこういう超一流の
馬を見て、触って、引いて・・・・
なかなかこういう機会はめぐってこないですからね。
ほんとは乗れたら文句なしだけど。
昨日の午後の引き馬は僕のホースマンのキャリアにおいて、
大きな財産となりました。ありがとーデイヴ。明日からもがんばりマウス。