昨日はランドウィック競馬場で今シーズン初のカーニバルが行われ、
大変な盛り上がりでした。その名も「Epsom Super Saturday」
当日のメインレースがエプソムハンディキャップという1600mのレースで、
その名前にちなんでエプソムスーパーサタデイです。
一日に5つのGレース(重賞)レースが組まれています。
ゲイ厩舎は延べ8頭を各レースに送り込み、一頭がステークスレースに
勝利しました。めでたいなあ。
エプソム・スーパーサタデイ当日のプログラムでは、1,2レースに今シーズン
初の2歳馬のレースが組まれていました。南半球は8月1日から馬の年齢が
かわり、新シーズンとして区切られています。ですから、10月の1日にその年の
初の新馬戦(2歳馬戦)が組まれているのは、時期としては結構はやいですね。
日本の中央競馬だと、最低でも2歳と6ヶ月からレースが組まれているのですが、
こちらは2歳と2ヵ月からもうレースがあるんです。
Volutinaはその豪国一発目の2歳馬戦に出走することになったわけです。
父はホーリーローマンエンペラー。ヨーロッパの2歳チャンピオンで、
南半球では今年が産駒が初めて走るヨーロッパの一流種馬です。ヨーロッパでは
すでに活躍馬をだし、一ヶ月前にはニュージーランドで南半球初のステークスウィナーを
排出した新進気鋭の新種牡馬です。
ホーリーローマンエンペラーに関しては、シロクマックスは苦い思い出がありますよ。
忘れもしない2010年のアメリカ、キーンランド9月セールのことです。
book1にノミネーションされていたHip 78番のホーリーローマンエンペラーの牡馬を
僕はピックアップできませんでした。ところがK先輩とその他の日本人バイヤーの
方々は78番を褒めちぎるんですね。
「そんなにいいですか?」
という僕に
「まだ甘いな。ヨーロッパの馬はあんなんばっかりやで。それで走んねん」
と教えてくださったMさん。
実際78番はかなりの高値で取引されました。
よさをわからなかったのは僕だけで、プロのバイヤーはみなチェックリストに残していた
のでした。そんな因縁浅からぬホーりーの仔。しかも女の子。
なんとか活躍して、お母さんとして繁殖牝馬になってほしい。
競馬前におめかしされるボルティーナ。今日は厩舎長のモトさんが競馬に連れていき
ます。
16頭いるBounding Away Lodgeの中で、いち早くデビューです。
「ボルティーナがデビューか・・・僕は3歳でまだデビューできないでいるのに・・・
とにかくがんばれ!!」
お向いの馬房の1歳年上の栗毛君も気になる様子。
「ガキだガキだと思ってたらよ・・・時の流れるのははやいもんだな・・・・・」
お隣の馬房の先輩馬も気になるご様子。じっと様子を伺ってますよ。
「見んなよー。調教終わって朝飯くったら眠い(-_-)゜zzz…のは人間も馬も
いっしょやでー。ほっといてちょ。ボルティーナ?せいぜいきばりや。関係ないわ!」
お昼寝を邪魔されるのは誰だって面白くないですわね。
「自分は自分のやるべきことをやるだけですから。きにせんといてください。
ボルティーナ?自分には関係のないことです」
スーパーサタデイ当日の5Rに出走予定だったローンスターじじい。
恩年7歳。人間なら40歳~50歳です。もはや世の中の浮き沈みに興味なし。
悟りの境地に近づきつつある老兵です。
シロクマックスが挨拶かわりに尻をバンバン叩いても無反応。
馬も人も年を重ねると神経が図太くなりますな。
「ねえねえモトさん、なんか今日はいつもと違くない?なんでこんな時間にお出かけす
るの?しかもあたしだけ・・・・・」
ボルティーナ、今日から君は・・・・勝つか負けるかの世界で生きる「競走馬」だ。
良いお母さんになるためには自分で自分の価値を高めないといけないよ。
まだまだ幼いボルティーナ。デビュー戦は7着でした。
それでも競合ひしめくシドニーのシティー・競馬での7着。立派なものです。
能力の一端は見せましたよ。3歳になって、距離が1600Mくらいなれば
きっともっとやれるはず。今日は1000mだったから、ボルティーナにはちょっち
短かったかな・・・・・でもまずは無事に回ってきてくれてよかった。
翌日に放牧へ。
一ヶ月はゆっくりして、成長を促してから改めておそらく年明けくらいから
競馬へ復帰予定。体つきは良い馬だと思うので、必ず一勝はしてくれると信じてます。
ゲイ厩舎は2歳戦に力を入れている厩舎なので、来週以降もぞくぞくと
若馬がデビューしますよ。一勝できればたいしたもの。競走馬として
生まれてきたからにはなんとしても一つは勝たせてあげたいと思います。