シロクマックスのアラフォー、ぼちぼちアメリカ生活

アメリカ生活のあれこれをつれずれに書いてます。
移住して8年、ぼちぼちやってます。

脈拍のおかしな診療室

2011-10-06 | 日記

シドニーは今日も雨です。このところちと肌寒いかんじらしいです。

「らしい」というのは、自分は最近朝10時くらいに起きているので、

早朝の気温など知りません。実は今、諸事情により仕事に行ってません。

ものすごいややこしいことに巻き込まれています。

2週間ほど前の調教中に、突然左の肩下に激痛がはしり、体を動かせなくな

りました。腰を鞍につけて並足がだせません、痛すぎて。

腰を浮かせてもダメです。なんとかストールまでたどり着いて馬からおろして

もらったものの、歩けませんでした。

呼吸するだけで痛いくらいの状態。自分のカンではたぶん筋違いのたぐいの

痛みでした。救急車を呼ぶというので、それを必死に止めさせました。

だって一回呼ぶと100ドル以上費用がかかるから。

自分でそのへんの町医者に行くからいいといったんですけど、

業務中の怪我はオフィスが面倒みることになっているから、ってんで

人事担当のアーサーの車でERへ連れて行かれました。

最初にペーパーワーク。やれアレルギーはあるかとか、薬物を

摂取してないかとか。ま、これはお約束。それから心電図をとりました。

こっからが問題。数値がでるやいなや、5,6人のドクター達がやってきて、

なんかマジな顔つきで話し合ってるんです。

「君をICUに連れていく」

とか言われて。ICUって多分集中治療室のこと?なんで?

ペニシリンを飲まされ、モルヒネを打たれ、意識がもうろうとしてきました。

すると20人くらいのドクター達がわらわら入ってきました。多分研修医っぽい

若い連中です。入れ替わりで僕の心音を聴いて、モニターをチェックするんで

す。この時点でなにが起きているのか全く分からず。なんの説明もない。

俺は肩が痛いんだぞ(゜д゜)

すると今度はアジア人のおじいちゃんドクターがみに来て、

いろいろ聞かれました。この人は落馬した患者なんかを専門で見ている

ドクタだそうで(病院が競馬場のとなりだから)、最近落馬しなかったかと聞

くので、3週間前に派手に落ちたことを告げました。

すると脈拍を触診で確認して帰っていきました。しばらくすると、また別の

研修医らしき若い連中がごそっと来て、心音を聴いたり、脈をとったりして

いきました。その中の一人の女性の研修医が、僕の左手をにぎって、

「YOU WILL BE OK. NO WARRIES」

って泣きながら励ますんです。なんのこっちゃ?さっぱり状況が理解できず。

俺は肩が痛くて運ばれてるのに。

朝7時から体中に心電図のためのアタッチメントをはられ、昼の2時まで

寝ました。すると今度はCTスキャンとレントゲン写真をとるというんです。

ここで俺はついになにが起きているのか状況を説明しろと迫りました。

なにしろ意味がわからない。俺は肩が痛いと言っているのに、

誰も肩の診療をしていない。心臓ばっかり。

すると主治医だというドクターが、

「君は心臓発作をおこしている。非常に危険な状態だ」

と言うんです。

「君のハートレイト(心拍数)は38だ。これは低すぎる。検査する必要がある。

なるへそ。これでさっき女性の研修医が泣きながら励ましていた意味がわか

った。点滴うたれて、酸素マスクつけられて、体中にアタッチメントを貼られて

意識もうろうとして寝かされている患者を見れば、ああいう感情が・・・・

わくんでしょうね、きっと。

でもさ、おれピンピンしてるんだけどね。朝2時起きだし、モルヒネ打たれてる

から眠くて寝ちゃったけど・・・

つまり、なぜあれほどの大人数の研修医がとっかえひっかえ

僕の心音を聴いていったかというと、心拍30台でピンピンしとる人間の心音

ってこんなんですよ、といういいサンプルだったわけですな。お勉強会です。


で、入院。ちくしょう。やりたい放題やってくれるな。ちょっと待て。

ここで僕は必殺の一撃をかましてやりました。それこそ主治医の心臓

が停止するほどの一撃を。

「僕、保険入ってませんよ。お金、払えませんからよろしく。」

相当あわててましたね。国立病院だし、医療費は全部保険で落とせる

だろうからってんで、やりたい放題やったんでしょうけど、なんとこのモルモット

が保険に入ってない!患者になんの確認もせずに勝手に心臓の検査をした

んです。僕に支払うつもりはありません。

俺は肩が痛くてERに連れて行かれたのです。

 

最初は一泊24万円相当の個室病棟に連れて行かれたんですけど、

僕が保険未加入だと判明するやいなや一般病棟に移されました。(・∀・)

分かってるよ、金のない患者なんかお荷物だってことさ。

だから早く還せよ。全然心臓なんてなんでもないから。自信あったしね。

しばらくするとエージェントが来て、なんとか労災がおりるように調整するから

支払いは心配しなくていいという旨を伝えてきました。

そーですか、そりは良かったですネ。(`・ω・´)

 

結局僕はなんでもなかったんですけど、このあとさらにこの件は泥沼にはまっ

ていくのです。 つづく